スタンドマイヒーローズ
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
捜査一課とマトリの合同捜査も無事に幕を閉じ、ようやく束の間の平穏を取り戻した。
事後の報告業務も終え、本来なら皆で打ち上げでもという空気になるのだが、各々の事情で都合がつかず、結局私と菅野くんの二人だけのささやかな打ち上げになってしまった。
とはいえ、すっかり気心知れた仲になったわたしたち。
近場の小さな居酒屋で、それなりに満足出来るくらいには飲みまくった。
「はー……美味かったな〜……」
「あそこ、結構穴場だったね」
適当に見繕って飛び込んだお店にしては、なかなかなの味だった。
また仕事帰りに寄ってみようと思うくらいには。
「明日っからまた仕事とか、考えたくないな〜」
「わ、菅野くん休みじゃないんだ?」
「そーなんだよ〜。あ、なに?お前休み?」
「うん。関さんが、1日だけだけど、ゆっくり休んでおいでって言ってくれたから」
「うっわー!いーなー!」
そんな他愛のない会話をしながら、ふわふわとした気持ちで駅に向かう。
久しぶりの休日に何をしようか、とか。
でも結局は昼過ぎまで寝ちゃうんだろうね、とか。
「あ、俺こっちだから」
交差点で不意に彼が足を止める。
菅野くんは右に、わたしは左に。
最寄りの駅は反対方向だった。
ここから先は一人になる。
いつもなら当然のことで、何も気に留めない些細なことなのに。
アルコールが回っているせいか、気持ちの起伏が激しくなっていた。
「……そんな顔するなよ」
優しく笑って、菅野くんはわたしの頭をぽんっと叩いて、そして撫でた。
そんなに悲しい顔をしていたのだろうか。
自分ではそんな意識まったく無いのだけれど、彼にはそう映っていたらしい。
「……帰したくなくなるだろ、ばか」
小さく呟いた彼の言葉は、ちょうどわたしの背後を抜けていった車の音にかき消されてよく聞こえなかった。
なに?と聞き返すと、はっとしたような顔で驚き、そしてなんでもないと菅野くんは笑った。
「しょーがねーなー!駅まで送ってってやるよ!」
「え?でも反対方向なんじゃ……」
「たった今、そっちに用事出来たからいーの!」
一緒にいられる時間は僅かだけれど、それがまだもう少しだけある。
それが何だか無性に嬉しくなった。
また無意識に、笑顔になる。
「……ほんと……可愛い、な……」
少し困ったような彼の言葉。
今度はかき消されることなくわたしの耳に届いてしまって、動けなくなる。
どうしよう。
こんなとき、どんな顔したらいいんだろう。
上昇する体温を直に感じながら、わたしは交差点で動けなくなってしまった。
事後の報告業務も終え、本来なら皆で打ち上げでもという空気になるのだが、各々の事情で都合がつかず、結局私と菅野くんの二人だけのささやかな打ち上げになってしまった。
とはいえ、すっかり気心知れた仲になったわたしたち。
近場の小さな居酒屋で、それなりに満足出来るくらいには飲みまくった。
「はー……美味かったな〜……」
「あそこ、結構穴場だったね」
適当に見繕って飛び込んだお店にしては、なかなかなの味だった。
また仕事帰りに寄ってみようと思うくらいには。
「明日っからまた仕事とか、考えたくないな〜」
「わ、菅野くん休みじゃないんだ?」
「そーなんだよ〜。あ、なに?お前休み?」
「うん。関さんが、1日だけだけど、ゆっくり休んでおいでって言ってくれたから」
「うっわー!いーなー!」
そんな他愛のない会話をしながら、ふわふわとした気持ちで駅に向かう。
久しぶりの休日に何をしようか、とか。
でも結局は昼過ぎまで寝ちゃうんだろうね、とか。
「あ、俺こっちだから」
交差点で不意に彼が足を止める。
菅野くんは右に、わたしは左に。
最寄りの駅は反対方向だった。
ここから先は一人になる。
いつもなら当然のことで、何も気に留めない些細なことなのに。
アルコールが回っているせいか、気持ちの起伏が激しくなっていた。
「……そんな顔するなよ」
優しく笑って、菅野くんはわたしの頭をぽんっと叩いて、そして撫でた。
そんなに悲しい顔をしていたのだろうか。
自分ではそんな意識まったく無いのだけれど、彼にはそう映っていたらしい。
「……帰したくなくなるだろ、ばか」
小さく呟いた彼の言葉は、ちょうどわたしの背後を抜けていった車の音にかき消されてよく聞こえなかった。
なに?と聞き返すと、はっとしたような顔で驚き、そしてなんでもないと菅野くんは笑った。
「しょーがねーなー!駅まで送ってってやるよ!」
「え?でも反対方向なんじゃ……」
「たった今、そっちに用事出来たからいーの!」
一緒にいられる時間は僅かだけれど、それがまだもう少しだけある。
それが何だか無性に嬉しくなった。
また無意識に、笑顔になる。
「……ほんと……可愛い、な……」
少し困ったような彼の言葉。
今度はかき消されることなくわたしの耳に届いてしまって、動けなくなる。
どうしよう。
こんなとき、どんな顔したらいいんだろう。
上昇する体温を直に感じながら、わたしは交差点で動けなくなってしまった。