スタンドマイヒーローズ
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「ど、どうぞ……」
久しぶりにやって来た、潔くんのアパート。
インターホンを押すと、中へ入るよう許可してくれる声はやっぱりいつもみたいに消えそうで、たどたどしい。
だけど、今日はひとつだけ違うことが起こった。
「潔くん、どうしたの?」
「あ、あぁぁぁすみません!すみません!!」
リビングにたどり着くと、わたしに気づいた潔くんは、そうですよね浮かれすぎですよね、と早口でまくし立てて、頭に被っていた可愛らしいカボチャの帽子をさっさと脱ぎ捨てようとする。
そうだ、今日はハロウィンだった。
「待って待って!違うの!!」
慌てて彼の手を止めて。
「可愛いからそのままでいて。」
「えっ……で、でも……」
「せっかくのイベントだもの。楽しもう!」
すっかり眉根を下げた困り顔の潔くん。
これはこれで可愛いのだけど、年相応にハロウィンではしゃぐなんて新鮮だから、単純にわたしがもっと見ていたかっただけ。
「あ、貴女がそう言うのなら……」
そのままぽすんとソファに座り込む。
だからわたしも自然とその隣に腰を下ろした。
「と、Trick or Treat……?」
びっくりするほど綺麗な発音で、お決まりのセリフが出てきた。
対するわたしはわざとらしい芝居。
こんなことなら少しくらいは練習してくるんだった。
「どうしよう、わたしお菓子持ってない!イタズラされちゃう!」
「えっ、えぇっ?!そ、そんな……」
これでは、どっちが悪戯しているのかわからない。
慌てふためく彼に、ダメ推しの一言。
イタズラ、してくれるんでしょ?
そう突きつけてみた。
「もう……貴女って人は……」
半分涙目になりながらも、諦めたようにため息をつく。
そして、小さく目を閉じてください、と言うから、大人しくそれに従う。
わたし、何されるんだろう?
少しのどきどきと、それ以上のわくわく。
しばらく待っていると、頬にそっと何かが触れる。
あぁ、これは潔くんの手だ。
優しく、まるで壊れ物でも扱うようにそっと、わたしの顔を上向かせて。
また少し間を開けてから、今度は唇に触れた感触が。
「い、潔、くん……?」
あまりの驚きについ目を開けてしまった。
そのせいで、びくっと肩を振るわせた彼は咄嗟にわたしとの間に距離を作った。
そして、被っていた帽子に思いっきり顔を埋めての平謝り。
「すみません!すみません!すみません!!」
オレなんかが調子に乗ってしまって!
そうですよね、嫌ですよね!
どうしよう、どう償えばいいですか……。
またマシンガンのように言葉が飛んでくる。
それを私は笑顔で一蹴した。
「世界で一番嬉しいイタズラだったよ!」
その言葉に、潔くんはぽかんと口を開けたまま固まっていた。
もちろん、これはわたしの嘘偽りない気持ち。
「ありがとう、潔くん」
お返しに、ぎゅーっと強く抱きしめる。
ひゃぁ!と素っ頓狂な声が零れたけれど、しばらくそのままでいたら、ゆっくりとわたしの背中にも彼の腕が回って来たのを感じて。
もっともっと、幸せなきもちになった。
久しぶりにやって来た、潔くんのアパート。
インターホンを押すと、中へ入るよう許可してくれる声はやっぱりいつもみたいに消えそうで、たどたどしい。
だけど、今日はひとつだけ違うことが起こった。
「潔くん、どうしたの?」
「あ、あぁぁぁすみません!すみません!!」
リビングにたどり着くと、わたしに気づいた潔くんは、そうですよね浮かれすぎですよね、と早口でまくし立てて、頭に被っていた可愛らしいカボチャの帽子をさっさと脱ぎ捨てようとする。
そうだ、今日はハロウィンだった。
「待って待って!違うの!!」
慌てて彼の手を止めて。
「可愛いからそのままでいて。」
「えっ……で、でも……」
「せっかくのイベントだもの。楽しもう!」
すっかり眉根を下げた困り顔の潔くん。
これはこれで可愛いのだけど、年相応にハロウィンではしゃぐなんて新鮮だから、単純にわたしがもっと見ていたかっただけ。
「あ、貴女がそう言うのなら……」
そのままぽすんとソファに座り込む。
だからわたしも自然とその隣に腰を下ろした。
「と、Trick or Treat……?」
びっくりするほど綺麗な発音で、お決まりのセリフが出てきた。
対するわたしはわざとらしい芝居。
こんなことなら少しくらいは練習してくるんだった。
「どうしよう、わたしお菓子持ってない!イタズラされちゃう!」
「えっ、えぇっ?!そ、そんな……」
これでは、どっちが悪戯しているのかわからない。
慌てふためく彼に、ダメ推しの一言。
イタズラ、してくれるんでしょ?
そう突きつけてみた。
「もう……貴女って人は……」
半分涙目になりながらも、諦めたようにため息をつく。
そして、小さく目を閉じてください、と言うから、大人しくそれに従う。
わたし、何されるんだろう?
少しのどきどきと、それ以上のわくわく。
しばらく待っていると、頬にそっと何かが触れる。
あぁ、これは潔くんの手だ。
優しく、まるで壊れ物でも扱うようにそっと、わたしの顔を上向かせて。
また少し間を開けてから、今度は唇に触れた感触が。
「い、潔、くん……?」
あまりの驚きについ目を開けてしまった。
そのせいで、びくっと肩を振るわせた彼は咄嗟にわたしとの間に距離を作った。
そして、被っていた帽子に思いっきり顔を埋めての平謝り。
「すみません!すみません!すみません!!」
オレなんかが調子に乗ってしまって!
そうですよね、嫌ですよね!
どうしよう、どう償えばいいですか……。
またマシンガンのように言葉が飛んでくる。
それを私は笑顔で一蹴した。
「世界で一番嬉しいイタズラだったよ!」
その言葉に、潔くんはぽかんと口を開けたまま固まっていた。
もちろん、これはわたしの嘘偽りない気持ち。
「ありがとう、潔くん」
お返しに、ぎゅーっと強く抱きしめる。
ひゃぁ!と素っ頓狂な声が零れたけれど、しばらくそのままでいたら、ゆっくりとわたしの背中にも彼の腕が回って来たのを感じて。
もっともっと、幸せなきもちになった。