IDOLiSH7
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「キミさぁ、プロとしての自覚なさすぎ。」
ぶすりと真正面から刺されたような。
はたまたばっさり袈裟斬りされたような。
容赦ない言葉を突きつけられる。
それも、楽屋のソファに横たわった状態で。
「収録だからこうして一旦休みもらえたけど、ライブだったらどうするつもりだったの。」
……返す言葉もありません。
ここ最近はありがたいことに、ドラマやバラエティーの仕事もコンスタントにもらえるようになってきていて、さらに来週には大きな会場での単独ライブも控えている。
その準備も大詰めで忙しさを極めて、身体が悲鳴を上げてしまい、今日の歌番組の収録中にわたしはステージで歌っている最中に倒れてしまったのだ。
これが原因で収録は一時中断ののち、今は順番を変えて収録が行われているだろう。
最後にもう一度撮影するよう手筈を整えてもらい、楽屋に戻されたわたしは同じ番組に出演していたTRIGGERの九条天にぼろくそに言われているというわけだ。
相変わらず仕事のことになると本当に厳しい。
自分にも他人にも、例え彼女であるわたしに対しても。
黙って𠮟責を受けていると、最後には大きなため息をついてからばさりとブランケットを投げて寄越した。
「そろそろ出番だから、行くよ。呼ばれたらまた起こしに来るから。」
それだけいい残して、足早に楽屋を出ていく彼。
起こしに来てくれるのはマネージャーさんの仕事ではと思ったけれど、彼なりの気遣いや心配なのはわかっているから、せめて次に顔を合わせたときはもう少しまともな顔をしておこうと、ブランケットを頭まで被って目を閉じた。
*
* *
「……ただいま。具合はどう?」
わたしよりも3時間遅れて天くんが帰宅する。
あの収録の後に取材が入っていると言っていたから、それなのにこんな時間に帰ってきてくれるなんて早々に切り上げてくれたことは容易に想像できる。
「さっきまで爆睡したから、もう大丈夫。」
「……うん、顔色もだいぶ良くなったね。」
ベッドで半身を起こしているわたしの傍らに腰を降ろし、そっと頬に触れてくる彼の手はまるで壊れ物でも扱うようにとても優しい。
今は、恋人としての九条天だ。
「あんまり……心配させないで。」
そのまま抱き寄せられて、耳元を彼の切なげな声が掠めていく。
「キミが倒れるなんて……生きた心地がしなかった。」
ステージの袖で、わたしが崩れ落ちる瞬間を目の当たりにしたらしい。
「……ごめんなさい。」
しおらしく頭を下げると、仕方ないなぁなって呆れたようにため息をつかれる。
かと思えば、次の瞬間にはまた思いっきり強く抱き寄せられて、瞬きをしている間に噛みつくようなキスが降ってきた。
「……っ……ん……ふ、ぁ……」
ほんのわずかな呼吸すら許してくれない。
力の入らない手で何とか距離を取ろうとしても
「ダメ。これはボクを心配させた罰だよ。」
と不敵に笑ってぺろりと唇を舐める。
その表情はまさに小悪魔。
何度も何度も角度を変えては唇を重ねられて、最後にはベッドに押し倒された体勢に。
けれどその頃には、苦しかったはずの呼吸もいつの間にか彼のものと混ざり合って溶けていた。
じりじりと背中に走る甘い痺れが、どうしようもなく心地いい。
触れ合う場所のすべてから伝わる“愛してる”に、わたしは何もかもを委ねてただた押し寄せる快楽にその身を投げた。
ぶすりと真正面から刺されたような。
はたまたばっさり袈裟斬りされたような。
容赦ない言葉を突きつけられる。
それも、楽屋のソファに横たわった状態で。
「収録だからこうして一旦休みもらえたけど、ライブだったらどうするつもりだったの。」
……返す言葉もありません。
ここ最近はありがたいことに、ドラマやバラエティーの仕事もコンスタントにもらえるようになってきていて、さらに来週には大きな会場での単独ライブも控えている。
その準備も大詰めで忙しさを極めて、身体が悲鳴を上げてしまい、今日の歌番組の収録中にわたしはステージで歌っている最中に倒れてしまったのだ。
これが原因で収録は一時中断ののち、今は順番を変えて収録が行われているだろう。
最後にもう一度撮影するよう手筈を整えてもらい、楽屋に戻されたわたしは同じ番組に出演していたTRIGGERの九条天にぼろくそに言われているというわけだ。
相変わらず仕事のことになると本当に厳しい。
自分にも他人にも、例え彼女であるわたしに対しても。
黙って𠮟責を受けていると、最後には大きなため息をついてからばさりとブランケットを投げて寄越した。
「そろそろ出番だから、行くよ。呼ばれたらまた起こしに来るから。」
それだけいい残して、足早に楽屋を出ていく彼。
起こしに来てくれるのはマネージャーさんの仕事ではと思ったけれど、彼なりの気遣いや心配なのはわかっているから、せめて次に顔を合わせたときはもう少しまともな顔をしておこうと、ブランケットを頭まで被って目を閉じた。
*
* *
「……ただいま。具合はどう?」
わたしよりも3時間遅れて天くんが帰宅する。
あの収録の後に取材が入っていると言っていたから、それなのにこんな時間に帰ってきてくれるなんて早々に切り上げてくれたことは容易に想像できる。
「さっきまで爆睡したから、もう大丈夫。」
「……うん、顔色もだいぶ良くなったね。」
ベッドで半身を起こしているわたしの傍らに腰を降ろし、そっと頬に触れてくる彼の手はまるで壊れ物でも扱うようにとても優しい。
今は、恋人としての九条天だ。
「あんまり……心配させないで。」
そのまま抱き寄せられて、耳元を彼の切なげな声が掠めていく。
「キミが倒れるなんて……生きた心地がしなかった。」
ステージの袖で、わたしが崩れ落ちる瞬間を目の当たりにしたらしい。
「……ごめんなさい。」
しおらしく頭を下げると、仕方ないなぁなって呆れたようにため息をつかれる。
かと思えば、次の瞬間にはまた思いっきり強く抱き寄せられて、瞬きをしている間に噛みつくようなキスが降ってきた。
「……っ……ん……ふ、ぁ……」
ほんのわずかな呼吸すら許してくれない。
力の入らない手で何とか距離を取ろうとしても
「ダメ。これはボクを心配させた罰だよ。」
と不敵に笑ってぺろりと唇を舐める。
その表情はまさに小悪魔。
何度も何度も角度を変えては唇を重ねられて、最後にはベッドに押し倒された体勢に。
けれどその頃には、苦しかったはずの呼吸もいつの間にか彼のものと混ざり合って溶けていた。
じりじりと背中に走る甘い痺れが、どうしようもなく心地いい。
触れ合う場所のすべてから伝わる“愛してる”に、わたしは何もかもを委ねてただた押し寄せる快楽にその身を投げた。