その他
新しい曲ができました、と彼女から楽譜を受け取ったのは、数週間前。
それにやっと自分なりに納得のいく歌詞をつけて、今度は俺の方から、完成したぞと渡す。
「譜割りとか確認しときたいから、ちょっと弾いてもらってもいいか?」
「はい!もちろんです!」
満面の笑みで頷いてくれて、新しいおもちゃをもらった子どもみたいな落ち着きのなさで、ピアノの前に座る。
そして、一音一音を愛おしそうに奏で始める。
俺のために書いてくれたこの曲。
今までにもそれはたくさんあるけれど。
今回のは特別な一曲にしたかった。
だって、俺と春歌が恋人という関係になって初めて出来た曲だから。
これまでの思い出も、心も全部歌詞に込めた。
「……春歌?」
最後のサビに入るところで、ぷつんのピアノが途切れた。
なにか良くないところがあったのかと、譜面から彼女に視線移すと、思いもしない光景がそこにあった。
「え!?は、春歌?!お、おい!」
鍵盤に手を置いたまま、その場で彼女は涙を流していた。
「翔、くん……」
脳内キャパシティーをはるかに超えた反応に、どうしていいかわからない。
「……しょう、くん……!」
「ど、どした?」
「……とっても、とっても素敵です……!」
素敵な曲にしてくださってありがとうごさいます、なんて涙を頬に伝わせたまま彼女は一番の笑顔を見せた。
「……ばーか。お前のおかげだっつーの。」
それがたまらく愛おしくなって、そのままぎゅっと抱きしめた。
なにも言わなくても抱きしめ返してくれる。
そんな小さなことも嬉しくて、こっちまで泣きそうになる。
「俺、お前の音楽が大好きだ。だから、これからもずっとお前の……春歌の曲を歌いたい。」
「……わたしも、です!ずっと、翔くんの曲、作りたいです!」
どちらからともなく視線がぶつかれば、自然と二人で笑顔になる。
「もちろん、春歌のことも大好きだっ!」
ぎゅーっと抱きしめる腕に力を込める。
今この瞬間があるのは、きっと彼女のおかげだ。
春歌が起こしてくれた奇跡。
だから俺は誓うよ。
この心音が鳴り響く最後の時まで。
ずっと歌い続けるし、愛し続けるって。
もちろん、お前の隣で。
それにやっと自分なりに納得のいく歌詞をつけて、今度は俺の方から、完成したぞと渡す。
「譜割りとか確認しときたいから、ちょっと弾いてもらってもいいか?」
「はい!もちろんです!」
満面の笑みで頷いてくれて、新しいおもちゃをもらった子どもみたいな落ち着きのなさで、ピアノの前に座る。
そして、一音一音を愛おしそうに奏で始める。
俺のために書いてくれたこの曲。
今までにもそれはたくさんあるけれど。
今回のは特別な一曲にしたかった。
だって、俺と春歌が恋人という関係になって初めて出来た曲だから。
これまでの思い出も、心も全部歌詞に込めた。
「……春歌?」
最後のサビに入るところで、ぷつんのピアノが途切れた。
なにか良くないところがあったのかと、譜面から彼女に視線移すと、思いもしない光景がそこにあった。
「え!?は、春歌?!お、おい!」
鍵盤に手を置いたまま、その場で彼女は涙を流していた。
「翔、くん……」
脳内キャパシティーをはるかに超えた反応に、どうしていいかわからない。
「……しょう、くん……!」
「ど、どした?」
「……とっても、とっても素敵です……!」
素敵な曲にしてくださってありがとうごさいます、なんて涙を頬に伝わせたまま彼女は一番の笑顔を見せた。
「……ばーか。お前のおかげだっつーの。」
それがたまらく愛おしくなって、そのままぎゅっと抱きしめた。
なにも言わなくても抱きしめ返してくれる。
そんな小さなことも嬉しくて、こっちまで泣きそうになる。
「俺、お前の音楽が大好きだ。だから、これからもずっとお前の……春歌の曲を歌いたい。」
「……わたしも、です!ずっと、翔くんの曲、作りたいです!」
どちらからともなく視線がぶつかれば、自然と二人で笑顔になる。
「もちろん、春歌のことも大好きだっ!」
ぎゅーっと抱きしめる腕に力を込める。
今この瞬間があるのは、きっと彼女のおかげだ。
春歌が起こしてくれた奇跡。
だから俺は誓うよ。
この心音が鳴り響く最後の時まで。
ずっと歌い続けるし、愛し続けるって。
もちろん、お前の隣で。
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