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刀剣乱舞

政府から近侍を同伴させて審神者会議へ出席せよとの命が下った。
そのついでと言ってはなんだが、せっかく二人で現世に行くのだから羽を伸ばして来たら良いという提案もあり、直帰はせずに鶴丸と旅館で一泊することとなった。
たまの贅沢ならばバチも当たるまいと、少し奮発して。
食事も豪華に懐石料理のフルコース。
部屋には客室専用の広々とした露天風呂までついている。
それを見てにやりと口端を上げた鶴丸を、わたしは見逃さなかった。

「本丸の賑やかな風呂も良いが、ゆったり入るのも悪くは無いなぁ」

結局あれこれ言いくるめられて、わたしは今並んで鶴丸と露天風呂に入っている。
お湯が乳白色で本当に助かった。
鼓動がいつもより早いのは、身体が温まったせいにしておいて欲しい。

「なぁ……」

本丸ではみんなの手前、主と呼ぶのに。
二人だけの時だけは名前で呼んでくれるのは彼なりの考慮。
お湯の中で自然と手が重なった。
それはひとつの合図で。

「……うん」

応えるように、小さく頷く。
すると鶴丸は満足そうに微笑んで、そっと唇を重ねてきた。
初めは触れるだけ。
それが次第にゆっくりと、深さと甘さを増していく。
頭がふわふわしてゆくのは、温泉のせいなのか、はたまた。

「……つる、まる……」
「今日は邪魔も入らないだろうからな。手加減してやれるかはわからん」

そう前置きをしておきながら、わたしの身体を撫でる手はどこも優しい。
まるで愛おしいと言う代わりのようだ。

「……うん」

二度目の、肯定。
それが何を指すかは、もう彼も分かっているはず。
今夜だけは、今だけは。
ただただ二人の時間が永遠であれと願った。
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