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刀剣乱舞

「ねぇ、光忠。これどう思う?」

色とりどりの髪飾りがいくつも載った雑誌を差し出して、彼女はどれが自分に似合うかどうかと聞いてくる。
もちろんどれでも似合うとは思うけど。
そんな前置きをしてから、桜の花びらをあしらった髪留めを指さした。

「君にはこれがいいと思うよ」
「え、ほんと?」
「うん。派手すぎす、地味すぎず。ちょうどいいんじゃないかな」
「そっか……光忠が言うなら……!」

どうやら買うことを決めたらしい。
こんなふうに信用してもらえるのは嬉しい。
きっと数日後にはこの髪留めを纏って、少し気はずかしそうにしている彼女が見られるに違いない。
でも、同時に心の奥がちくりと痛む。
まるで小さな棘でも刺さったように。

「……鶴丸……可愛いって思ってくれるかな……?」
「大丈夫だよ。心配いらないって」

何とか笑顔を作って平静を装う。
この髪留めを着けて、見て欲しいと彼女が願っているのがどうして僕じゃないんだろう。

「それ着けて鶴さんとキミが出かけるときは、うんと可愛くしてあげるから」
「ほんと?!お願いします!」

本当は僕だけのために着飾って欲しいのに。
なんて言葉はごくりと飲み込んだ。
愛しい彼女の幸せのために。
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