ヒカルの碁
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毎週金曜日の夜。
棋院から帰る頃には玄関のドアに紙袋がぶら下がっているのが当たり前になった。
女モノのショップの袋に入った、数冊のノート。
プロ試験もあと半年と迫り、手合いで授業を休みがちになってきたオレのために、千颯が要点をまとめた授業のノートを持ってきてくれている。
「お、あるある。」
今日も紙袋を確認して、無意識のうちに表情が緩んだ。
大事に受け取って、母親へのただいまもそこそこに自分の部屋へ駆け込む。
カバンを床に放り投げて、袋の中身を広げた。
普通にノートをコピーしてくれるだけでも十分なのに、自分の勉強にもなるからとわざわざオレのためだけに作ってくれている。
本当に、千颯には頭が上がらない。
どこが大事!とか、ここは絶対覚える!とか。
読むだけでも声が聞こえてくるみたいだ。
それも楽しみだけど、もう一つある。
『お疲れ様さま。今週はちょっと難しいから頑張って。
碁の方は調子はどう?勝ててる?』
何の変哲もない付箋に書かれたメモ。
それはオレが1番嫌いな数学のノートに貼ってある。
嫌いだけど、千颯からの言葉があれば少しはやる気になるからとリクエストした。
それをぺりっと剥がして、別の付箋に返事を書く。
『今日は負けた。ツメが甘かった。
次は絶対勝つよ』
面と向かっていないせいか、いい事も悪いことも素直に言葉に出来る。
オレからのは日本史のノートに貼る。
何でかはわからないけど、そうして欲しいと千颯からのリクエスト。
同じ理由だったらいいのにと思うのはオレだけかな。
こうやって毎回短いやりとりを交わすのがいつの間にか恒例になった。
今まで千颯にもらったメモは全部残してある。
調子の良いときはさらに波に乗るために。
調子悪い時は元気をもらうために。
「・・・さて、やるか!」
深呼吸をひとつしてから、机に向かう。
勉強はまだ好きになれないけど、やりたくないとは言えない。
千颯の努力を無駄にしないためにも。
棋院から帰る頃には玄関のドアに紙袋がぶら下がっているのが当たり前になった。
女モノのショップの袋に入った、数冊のノート。
プロ試験もあと半年と迫り、手合いで授業を休みがちになってきたオレのために、千颯が要点をまとめた授業のノートを持ってきてくれている。
「お、あるある。」
今日も紙袋を確認して、無意識のうちに表情が緩んだ。
大事に受け取って、母親へのただいまもそこそこに自分の部屋へ駆け込む。
カバンを床に放り投げて、袋の中身を広げた。
普通にノートをコピーしてくれるだけでも十分なのに、自分の勉強にもなるからとわざわざオレのためだけに作ってくれている。
本当に、千颯には頭が上がらない。
どこが大事!とか、ここは絶対覚える!とか。
読むだけでも声が聞こえてくるみたいだ。
それも楽しみだけど、もう一つある。
『お疲れ様さま。今週はちょっと難しいから頑張って。
碁の方は調子はどう?勝ててる?』
何の変哲もない付箋に書かれたメモ。
それはオレが1番嫌いな数学のノートに貼ってある。
嫌いだけど、千颯からの言葉があれば少しはやる気になるからとリクエストした。
それをぺりっと剥がして、別の付箋に返事を書く。
『今日は負けた。ツメが甘かった。
次は絶対勝つよ』
面と向かっていないせいか、いい事も悪いことも素直に言葉に出来る。
オレからのは日本史のノートに貼る。
何でかはわからないけど、そうして欲しいと千颯からのリクエスト。
同じ理由だったらいいのにと思うのはオレだけかな。
こうやって毎回短いやりとりを交わすのがいつの間にか恒例になった。
今まで千颯にもらったメモは全部残してある。
調子の良いときはさらに波に乗るために。
調子悪い時は元気をもらうために。
「・・・さて、やるか!」
深呼吸をひとつしてから、机に向かう。
勉強はまだ好きになれないけど、やりたくないとは言えない。
千颯の努力を無駄にしないためにも。