ヒカルの碁
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「げっ…」
「またお前かよ…」
お互いに顔を見合わせて渋い顔。
年に数回行われる席替えは、男女問わず楽しみにしている一大イベントなのに。
私の隣は今回もまた、和谷義高。
もうこれで3回連続だ。いい加減勘弁してほしい。
席替えの方法は毎回担任の采配によってさまざまだけれど、今日は男女関係なくシャッフルされたくじ引きだったはずだ。
ある程度選択できる方式ならともかく、隣になる確率はそう高くないはずなのに。
「なんであんたばっかり…」
「それはこっちのセリフだっつーの」
がたがたと机を移動しながらぶつくさ文句を言い合う。
席替えの意味がないとか、他の人が良かったとか。
クラスの女の子で何人かは和谷の隣を密かに狙っているという子も知ってるのだから、そういう子に譲ってあげればいいのに。
どうにもそんな気にはなれなかった。
大して仲良くない子だから、譲りたくなかったのかもしれない。
「また数ヶ月はお前の隣かー」
「何よ、なんか文句ある?」
どうせあんたは言うほど学校来ないじゃない。
という言葉は喉まで出かかって、ぎりぎりで飲み込んだ。
それはつまり会える回数には限りがあるということで、何故か一抹の淋しさが込み上げてきた。
「文句じゃねーよ。またよろしくな、お隣さん。」
悪戯っ子みたいに笑うその顔がやけに眩しくて、つい心が動かされただなんて絶対に認めない。
きっと気のせいだ、そうに違いない。
精一杯言い聞かせて、平静を装った。