ヒカルの碁
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手合いの後は、いつもこうだ。
何十手も先の展開を頭で何パターンも想像して、相手の出方に応じて即座に対応する。
それを何時間も繰り返しているのだから、終局になればオーバーヒートしてしまう。
それが強い相手であれば、なおのこと。
顕著なのは進藤との手合いの時だけれど、今日はそうではない。
とはいえ、格上の相手だったのでいつも以上に疲労感は強かった。
(明日が丸一日休みでよかった……)
ほっと胸を撫で下ろすが、そういえば彼女が家に来ていることを思い出して、落胆の息を吐いた。
せっかく会えるのに、こんな疲れた顔を見せるのは忍びないな、と。
思えば先週は関西棋院に出向いていたせいでほとんど東京にはいなかったし、その前はリーグ戦があったからまともに顔を合わせる時間などなかった。
千颯に会うのはいつ以来だろう。
下手するともうひと月くらいは会っていないかもしれない。
(……早く帰ろう)
重たい身体に鞭を打って、何とか駅へと向かう足を速めた。
彼女の顔を見れば、きっとこの疲れも一瞬で吹き飛んでしまうだろうから。
***
「ただいま」
玄関のドアを開けると、ぱたぱたと軽快なスリッパの音と共におかえりなさいと千颯が顔を出す。
あぁ、本当に帰ってきたんだなと一気に安堵感に包まれる。
エプロン姿のところを見る限り、ボクのために夕食を準備していてくれたのだろう。
自分ではそんなに上手くないと謙遜するけれど、贔屓目なしに彼女の手料理は美味しい。
「お風呂も沸いてるけど、先に入る?それとも……」
その先を遮って、玄関まで出迎えてくれた千颯を思いっきり抱きしめた。
突然のことに、ボクの腕の中で固まっているのが少し可笑しい。
「キミをこうして抱く方が先、かな?」
冗談めいて笑みを作ると、彼女は頬を紅潮させる。
そして恥ずかしいのか、すぐボクの胸元に顔を埋めてしまう。
見られたくないと思っての行動だろうけど、逆効果だということはいつになったら理解するのだろうか。
肩のラインをなぞるようにそっと唇を落としてやれば、触れる度に身体が反応して震える。
堪えきれずに僅かに溢れる声も、次第に艶めいてくる。
「……ちょ、っと……アキラ、くん……」
「だめ、もう少しこのままでいて」
ここがまだ玄関だということも構わず、ボクは千颯を貪った。
彼女がふと顔をあげた瞬間を逃すまいと、狙ったように唇を重ねる。
押し付けた、と言う方が正しいかもしれない。
思考回路は完全に制御機能を失ってしまえば、あとは本能のままに流されるだけだ。
千颯が酸欠でかくんと膝を折るまで、問答無用とばかりにキスの嵐を降らせた。
「……アキ、ラ……くん……」
「これで終わりだと思ったのかい?」
全身の力が抜けて、ボクに寄りかかってくる彼女を横抱きにして、そのまま寝室へと運んだ。
どうやらこの熱が冷めるまでは、離してやれそうにない。
何十手も先の展開を頭で何パターンも想像して、相手の出方に応じて即座に対応する。
それを何時間も繰り返しているのだから、終局になればオーバーヒートしてしまう。
それが強い相手であれば、なおのこと。
顕著なのは進藤との手合いの時だけれど、今日はそうではない。
とはいえ、格上の相手だったのでいつも以上に疲労感は強かった。
(明日が丸一日休みでよかった……)
ほっと胸を撫で下ろすが、そういえば彼女が家に来ていることを思い出して、落胆の息を吐いた。
せっかく会えるのに、こんな疲れた顔を見せるのは忍びないな、と。
思えば先週は関西棋院に出向いていたせいでほとんど東京にはいなかったし、その前はリーグ戦があったからまともに顔を合わせる時間などなかった。
千颯に会うのはいつ以来だろう。
下手するともうひと月くらいは会っていないかもしれない。
(……早く帰ろう)
重たい身体に鞭を打って、何とか駅へと向かう足を速めた。
彼女の顔を見れば、きっとこの疲れも一瞬で吹き飛んでしまうだろうから。
***
「ただいま」
玄関のドアを開けると、ぱたぱたと軽快なスリッパの音と共におかえりなさいと千颯が顔を出す。
あぁ、本当に帰ってきたんだなと一気に安堵感に包まれる。
エプロン姿のところを見る限り、ボクのために夕食を準備していてくれたのだろう。
自分ではそんなに上手くないと謙遜するけれど、贔屓目なしに彼女の手料理は美味しい。
「お風呂も沸いてるけど、先に入る?それとも……」
その先を遮って、玄関まで出迎えてくれた千颯を思いっきり抱きしめた。
突然のことに、ボクの腕の中で固まっているのが少し可笑しい。
「キミをこうして抱く方が先、かな?」
冗談めいて笑みを作ると、彼女は頬を紅潮させる。
そして恥ずかしいのか、すぐボクの胸元に顔を埋めてしまう。
見られたくないと思っての行動だろうけど、逆効果だということはいつになったら理解するのだろうか。
肩のラインをなぞるようにそっと唇を落としてやれば、触れる度に身体が反応して震える。
堪えきれずに僅かに溢れる声も、次第に艶めいてくる。
「……ちょ、っと……アキラ、くん……」
「だめ、もう少しこのままでいて」
ここがまだ玄関だということも構わず、ボクは千颯を貪った。
彼女がふと顔をあげた瞬間を逃すまいと、狙ったように唇を重ねる。
押し付けた、と言う方が正しいかもしれない。
思考回路は完全に制御機能を失ってしまえば、あとは本能のままに流されるだけだ。
千颯が酸欠でかくんと膝を折るまで、問答無用とばかりにキスの嵐を降らせた。
「……アキ、ラ……くん……」
「これで終わりだと思ったのかい?」
全身の力が抜けて、ボクに寄りかかってくる彼女を横抱きにして、そのまま寝室へと運んだ。
どうやらこの熱が冷めるまでは、離してやれそうにない。