ヒカルの碁
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なんでもない放課後。
換気のために教室の窓を開けたら、中庭から賑やかな男子の声が聞こえてきた。
視線をそちらに落とすと、うちのクラスと隣のクラスが入り乱れてバスケをしていた。
(・・・楽しそう)
思わず眺めてしまったのはきっと、和谷の姿がそこにあったから。
前まではちょくちょく休みがちだったのに、最近はよく見かけるようになっていた。
囲碁・・・のプロ試験を受けていたんだっけ。
夏休み明けには終わりましたと担任に報告しているところを職員室で見かけた気がする。
先生もすごく喜んでいたから記憶の片隅に残っていた。
別段仲が良かったわけではないから、おめでとうの一言も言えてない。
(・・・あ、またゴール外した)
中庭ではしゃぐ彼は何度シュートを打ってもリングに阻まれたり明後日の方向に放ったりしていて、お世辞にもかっこいいとは言えない姿を晒している。
でも、目が離せない。
何故か和谷だけがきらきら輝いて見える。
そんなときふと、目が合ってしまった。
きっと彼はなんとはなしに上を見上げただけ。
たまたまそこにわたしがいただけ。
なのに鼓動がきゅんっと弾けて、思わずその場にしゃがみこんで姿を隠した。
やばい、絶対怪しまれてる。
気づかないでと願う反面、気づいて欲しいとも思う。
抱えた膝に、ぽつりと涙がこぼれた。
「・・・もう、遅いよ・・・」
今更込み上げる恋心。
だけどそれは今日を限りに手放さなければならない。
だって明日はもう、卒業式。
(もっと早く・・・言えばよかった・・・)
1度溢れた涙は、決壊したダムのようにいつまでも止まらない。
明日になれば、わたしたちは違う世界へ歩み始めるのだから。
今だけは、貴方を想うことだけ許してください。
換気のために教室の窓を開けたら、中庭から賑やかな男子の声が聞こえてきた。
視線をそちらに落とすと、うちのクラスと隣のクラスが入り乱れてバスケをしていた。
(・・・楽しそう)
思わず眺めてしまったのはきっと、和谷の姿がそこにあったから。
前まではちょくちょく休みがちだったのに、最近はよく見かけるようになっていた。
囲碁・・・のプロ試験を受けていたんだっけ。
夏休み明けには終わりましたと担任に報告しているところを職員室で見かけた気がする。
先生もすごく喜んでいたから記憶の片隅に残っていた。
別段仲が良かったわけではないから、おめでとうの一言も言えてない。
(・・・あ、またゴール外した)
中庭ではしゃぐ彼は何度シュートを打ってもリングに阻まれたり明後日の方向に放ったりしていて、お世辞にもかっこいいとは言えない姿を晒している。
でも、目が離せない。
何故か和谷だけがきらきら輝いて見える。
そんなときふと、目が合ってしまった。
きっと彼はなんとはなしに上を見上げただけ。
たまたまそこにわたしがいただけ。
なのに鼓動がきゅんっと弾けて、思わずその場にしゃがみこんで姿を隠した。
やばい、絶対怪しまれてる。
気づかないでと願う反面、気づいて欲しいとも思う。
抱えた膝に、ぽつりと涙がこぼれた。
「・・・もう、遅いよ・・・」
今更込み上げる恋心。
だけどそれは今日を限りに手放さなければならない。
だって明日はもう、卒業式。
(もっと早く・・・言えばよかった・・・)
1度溢れた涙は、決壊したダムのようにいつまでも止まらない。
明日になれば、わたしたちは違う世界へ歩み始めるのだから。
今だけは、貴方を想うことだけ許してください。