ヒカルの碁
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『あー、やっぱりかぁ』
電話口の向こうで和谷くんが大きなため息をつく。
そしてお決まりのように、あんまり気を落とすなよと慰めてくれる。
「まぁ、初めてじゃないしね」
『そのうち・・・・・・帰ってくるはずだからさ』
「うん。ありがとう」
通話を切って、わたしもふうと息をつく。
慎一郎さんが家に帰ってこなくなって、もう一週間。
今までも何度かこういうことはあったけれど、ここまで長期間なのは初めてだ。
さすがに心配になって、和谷くんに連絡をしてしまった。
それでも最近スランプ気味だったということしかわからなくて、
結局は待つことしかできない。
今日も独りぼっちで食卓につき、手を合わせる。
やっぱり一人で食べるご飯は味がしない。
適当に済ませて、さっさと布団に入ってしまおう。
そんな生活を続けて、十日が過ぎた頃。
仕事から帰ると、部屋の電気がついていた。
それに、玄関には見慣れた男物の靴が一足。
「ただい、ま・・・・・・」
声をかけると、何事もなかったような顔をした慎一郎さんがひょっこり出て来た。
「おかえり。今日は随分早く帰って来られたんだな」
玄関先で労うようにぎゅっと抱きしめられる。
今までどこにいたの?
ちゃんとご飯食べてた?
なんでいつも何も相談してくれないの?
本当ならぶつけたい文句もたくさんあったはずなのに。
優しい笑顔と大好きな温もりに包まれたら、全部どうでもよくなってしまった。
おまけに愛してると言わんばかりの甘いキスなんて、本当にずるい。
何もかも、許してしまう。
「ちょうどご飯もできてるから、一緒に食べよう」
「え?慎一郎さんが作ったの?」
「まさか」
出来合いのものだけど、と屈託なく笑う姿にすっかり毒気を抜かれてしまって、こちらまで表情が緩んでしまう。
それに、食卓にはわたしの大好物ばかりが並んでいるのだから。
久しぶりに向き合って座り、同時に手を合わせた。
「いただきます」
たったそれだけのことなのに、幸せだなんて。
大袈裟すぎるのかもしれないけれど。
でも、仕方がない。
そんな貴方を愛しているのだから。
電話口の向こうで和谷くんが大きなため息をつく。
そしてお決まりのように、あんまり気を落とすなよと慰めてくれる。
「まぁ、初めてじゃないしね」
『そのうち・・・・・・帰ってくるはずだからさ』
「うん。ありがとう」
通話を切って、わたしもふうと息をつく。
慎一郎さんが家に帰ってこなくなって、もう一週間。
今までも何度かこういうことはあったけれど、ここまで長期間なのは初めてだ。
さすがに心配になって、和谷くんに連絡をしてしまった。
それでも最近スランプ気味だったということしかわからなくて、
結局は待つことしかできない。
今日も独りぼっちで食卓につき、手を合わせる。
やっぱり一人で食べるご飯は味がしない。
適当に済ませて、さっさと布団に入ってしまおう。
そんな生活を続けて、十日が過ぎた頃。
仕事から帰ると、部屋の電気がついていた。
それに、玄関には見慣れた男物の靴が一足。
「ただい、ま・・・・・・」
声をかけると、何事もなかったような顔をした慎一郎さんがひょっこり出て来た。
「おかえり。今日は随分早く帰って来られたんだな」
玄関先で労うようにぎゅっと抱きしめられる。
今までどこにいたの?
ちゃんとご飯食べてた?
なんでいつも何も相談してくれないの?
本当ならぶつけたい文句もたくさんあったはずなのに。
優しい笑顔と大好きな温もりに包まれたら、全部どうでもよくなってしまった。
おまけに愛してると言わんばかりの甘いキスなんて、本当にずるい。
何もかも、許してしまう。
「ちょうどご飯もできてるから、一緒に食べよう」
「え?慎一郎さんが作ったの?」
「まさか」
出来合いのものだけど、と屈託なく笑う姿にすっかり毒気を抜かれてしまって、こちらまで表情が緩んでしまう。
それに、食卓にはわたしの大好物ばかりが並んでいるのだから。
久しぶりに向き合って座り、同時に手を合わせた。
「いただきます」
たったそれだけのことなのに、幸せだなんて。
大袈裟すぎるのかもしれないけれど。
でも、仕方がない。
そんな貴方を愛しているのだから。