今すぐ会いたい。
もっと声が聞きたい。
それらの言葉を今日も飲み込んで、一人布団に潜り込む。
なにしてるのかな。
誰といるのかな。
鳴らないスマホを握りしめて、ため息をこぼす。
最後に声を聞いたのはいつだっけ。
会ったのは、もう覚えてない。
電話もメールも、会いたいって言うのはいつもわたしからで。
わたしのこと、本当にまだ好きでいてくれてるの？

「そんなの当たり前じゃないか」

聞けば慎一郎さんはそうやって笑って抱きしめてくれるけれど、曖昧でわからない。
愛してるって言葉だけじゃ全然足りない。
もっとたくさん、彼からの愛の言葉が欲しい。
何度だって言って欲しいし、その言葉はわたしだけに向けたものじゃなきゃ嫌。

「・・・わたしばっかり、慎一郎さんのこと好きみたい・・・」

同じ気持ちでいて欲しいだけなのに。
でもきっとそれはわたしだけで、空回りしてる。
次会えるのは、いつ？
友だちばっかり優先しないでよ。
絵文字ひとつない素っ気ない返事しかくれなくて。
わたしなんて必要ないみたい。
どうしてそんなに平気でいられるの？
このままじゃ、別れた方がマシじゃない？
喉まで出かかったけれど、肯定されるのが怖くて絶対に言えない。

「・・・もう・・・やだ・・・」

虚しくひとりごちて、顔を沈めた枕を今日も濡らす。
飲み込めずにずっと喉の奥に引っかかったままの鉛玉は、どうやったら取り出せるんだろう。
助けてといくら叫んでも、慎一郎さんには届かない。

ぐしゃりとパジャマの胸元を掴んで、会いたいを嗚咽に変えた。