ヒカルの碁
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
鼻歌を歌いながら、夕食の後片付けをする。
いつもは二人分だから、そう多くはないけれど、今日は多人数だから大量だ。
義高が一人暮らしをするようになってから続いているという、勉強会。
今日のメンバーは伊角さん、進藤くん、冴木さんといういつものメンバーに加えて、少し遅れてきた塔矢くん。
普段は少し広いなぁと思うこの家も、大の大人がこれだけ勢揃いするとさすがに手狭だ。
ただ、賑やかなのはいい。
時折進藤くんと塔矢くんの言い争いが響いているけれど、内容は小学生のケンカで、聞いているこちらとしてはなかなか面白い。
そして、みんなが二十歳を過ぎてからは、勉強会がひと段落すると宴会が始まるのも恒例になっている。
碁盤に向かい合っている時は刃物のように鋭く、真剣な空気に包まれる分、そういった息抜きも必要なのだろう。
なにより”仲間”を大事にする義高らしい。
「雑用ばっかやらせて、悪いな。」
ふと、キッチンにひょっこり義高が顔を覗かせた。
お酒のせいで顔が赤い。
「ううん、全然。あ、もうお酒足りない?まだ何本か冷蔵庫にビールあるよ」
きゅ、と蛇口を締めて振り返ろうとした瞬間。
後ろからふわり、首に腕を回されて抱きしめられた。
完全に酔ってるなと頭では理解しているけれど、不意打ちの衝撃に鼓動は一気に早鐘を打つ。
ほのかに漂うアルコールの香りに酔わされて、ゆっくりとお互いの唇を重ねる。
「ちょ……よし、たか……」
角度を変えて、何度も何度も。
触れるだけのキスだったものが、次第に熱と甘さを帯びてどんどん深くなっていく。
あぁ、水がまだ出しっ放しなのに。
洗い物だって残ってるのに。
ふわふわと思考回路が痺れて何も考えられなくなってゆく。
「だ、め……だよ……こんな、とこ……で……」
「そのわりには、千颯だって随分乗り気じゃん?」
「そん、な……こと……」
ない、と否定しようとしても、息が上がってしまって上手く言葉が声にならない。
どうしよう、立ってるのもそろそろ限界かもしれない。
ふっと一瞬意識が途切れかけたまさにその瞬間。
「なぁ〜和谷〜ビールまだぁ〜?」
進藤くんが良くも悪くも空気を読まずにキッチンへ入ってきた。
「なんだよ進藤、塔矢とのケンカ終わったのか?」
「あれは!塔矢が勝手に突っかかってきただけで!」
さっきまでの甘い空気なんてまるでなかったかのように、義高が上手くわたしを隠しながら冷蔵庫を開け、進藤くんへビールを手渡す。
そして、そのまま宴会を続けている部屋へとあっさり戻っていってしまった。
そのおかげでわたしは事なきを得たけれど。
身体の熱だけは、まだ消えそうにない。
いつもは二人分だから、そう多くはないけれど、今日は多人数だから大量だ。
義高が一人暮らしをするようになってから続いているという、勉強会。
今日のメンバーは伊角さん、進藤くん、冴木さんといういつものメンバーに加えて、少し遅れてきた塔矢くん。
普段は少し広いなぁと思うこの家も、大の大人がこれだけ勢揃いするとさすがに手狭だ。
ただ、賑やかなのはいい。
時折進藤くんと塔矢くんの言い争いが響いているけれど、内容は小学生のケンカで、聞いているこちらとしてはなかなか面白い。
そして、みんなが二十歳を過ぎてからは、勉強会がひと段落すると宴会が始まるのも恒例になっている。
碁盤に向かい合っている時は刃物のように鋭く、真剣な空気に包まれる分、そういった息抜きも必要なのだろう。
なにより”仲間”を大事にする義高らしい。
「雑用ばっかやらせて、悪いな。」
ふと、キッチンにひょっこり義高が顔を覗かせた。
お酒のせいで顔が赤い。
「ううん、全然。あ、もうお酒足りない?まだ何本か冷蔵庫にビールあるよ」
きゅ、と蛇口を締めて振り返ろうとした瞬間。
後ろからふわり、首に腕を回されて抱きしめられた。
完全に酔ってるなと頭では理解しているけれど、不意打ちの衝撃に鼓動は一気に早鐘を打つ。
ほのかに漂うアルコールの香りに酔わされて、ゆっくりとお互いの唇を重ねる。
「ちょ……よし、たか……」
角度を変えて、何度も何度も。
触れるだけのキスだったものが、次第に熱と甘さを帯びてどんどん深くなっていく。
あぁ、水がまだ出しっ放しなのに。
洗い物だって残ってるのに。
ふわふわと思考回路が痺れて何も考えられなくなってゆく。
「だ、め……だよ……こんな、とこ……で……」
「そのわりには、千颯だって随分乗り気じゃん?」
「そん、な……こと……」
ない、と否定しようとしても、息が上がってしまって上手く言葉が声にならない。
どうしよう、立ってるのもそろそろ限界かもしれない。
ふっと一瞬意識が途切れかけたまさにその瞬間。
「なぁ〜和谷〜ビールまだぁ〜?」
進藤くんが良くも悪くも空気を読まずにキッチンへ入ってきた。
「なんだよ進藤、塔矢とのケンカ終わったのか?」
「あれは!塔矢が勝手に突っかかってきただけで!」
さっきまでの甘い空気なんてまるでなかったかのように、義高が上手くわたしを隠しながら冷蔵庫を開け、進藤くんへビールを手渡す。
そして、そのまま宴会を続けている部屋へとあっさり戻っていってしまった。
そのおかげでわたしは事なきを得たけれど。
身体の熱だけは、まだ消えそうにない。