ヒカルの碁
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「お前にとってオレは・・・なに?」
といつもの様に碁盤を挟んで向かいあっていたら、ぱちんぱちんと打つ合いの手のように和谷はぽつりと落とした。
「え?なにって・・・」
彼との関係は、言葉にすると案外難しい。
1番信頼できる友だちであり。
盤上では師匠と弟子であり。
それから、まだ名前のない気持ちがひとつある。
どう答えるべきか逡巡していると、まっすぐ的へ向かう矢のような視線で射抜かれた。
「・・・なに。」
最善の場所に切り込む一手を打つ。
容赦のないそれに、首から上を一刀両断された心地になる。
鋭い眼差しに思わずごくりと息を飲んだ。
「ただの、友だち?」
彼の想いが、言葉が、氷の刃のように突き刺さる。
頷くのも首を降るのも違う気がして、ただじっと拳を膝の上で握りしめることしかできない。
沈黙は、肯定。
そう受け取ったらしい和谷は、ふっと表情を緩めて小さく息をついた。
「オレ、もうお前の友だちやめるよ。」
顔を強ばらせたのは今度はわたしの方。
予想外すぎるひと言は衝撃が強すぎた。
反射的に涙がぽろぽろと流れる。
はっとしてそれを拭い、隠すように慌てて立ち上がってその場から逃げようと試みた。
「・・・待てって!」
腕を強く掴まれて態勢をぐらりと崩し、気がつけば彼の腕の中にまっすぐ飛び込んでいた。
しっかりと抱きしめられていて、いくらじたばたしてみたところで解放してはもらえない。
「・・・なに勘違いしてんのかしんねーけど。お前が思ってるようなことじゃないぞ。」
「・・・え・・・?」
さらに強くなる腕の力は、逃がすまいとしているのにどこか優しくて。
頭の中の混乱はさらに加速していく。
「・・・オレ、お前が好きだよ。」
友だちとしてじゃなく、ちゃんと恋愛の意味で。
耳元で囁くように紡がれた声は少し震えていた。
同時に、わたしの中でずっと名前をつけられずにいたあの感情に答えが出た。
ーあぁ、わたしも好きだったんだ。
彼の手に自分のそれをそっと重ねてみる。
心を寄り添わせるように。
この気持ちを、恋というんだね。
といつもの様に碁盤を挟んで向かいあっていたら、ぱちんぱちんと打つ合いの手のように和谷はぽつりと落とした。
「え?なにって・・・」
彼との関係は、言葉にすると案外難しい。
1番信頼できる友だちであり。
盤上では師匠と弟子であり。
それから、まだ名前のない気持ちがひとつある。
どう答えるべきか逡巡していると、まっすぐ的へ向かう矢のような視線で射抜かれた。
「・・・なに。」
最善の場所に切り込む一手を打つ。
容赦のないそれに、首から上を一刀両断された心地になる。
鋭い眼差しに思わずごくりと息を飲んだ。
「ただの、友だち?」
彼の想いが、言葉が、氷の刃のように突き刺さる。
頷くのも首を降るのも違う気がして、ただじっと拳を膝の上で握りしめることしかできない。
沈黙は、肯定。
そう受け取ったらしい和谷は、ふっと表情を緩めて小さく息をついた。
「オレ、もうお前の友だちやめるよ。」
顔を強ばらせたのは今度はわたしの方。
予想外すぎるひと言は衝撃が強すぎた。
反射的に涙がぽろぽろと流れる。
はっとしてそれを拭い、隠すように慌てて立ち上がってその場から逃げようと試みた。
「・・・待てって!」
腕を強く掴まれて態勢をぐらりと崩し、気がつけば彼の腕の中にまっすぐ飛び込んでいた。
しっかりと抱きしめられていて、いくらじたばたしてみたところで解放してはもらえない。
「・・・なに勘違いしてんのかしんねーけど。お前が思ってるようなことじゃないぞ。」
「・・・え・・・?」
さらに強くなる腕の力は、逃がすまいとしているのにどこか優しくて。
頭の中の混乱はさらに加速していく。
「・・・オレ、お前が好きだよ。」
友だちとしてじゃなく、ちゃんと恋愛の意味で。
耳元で囁くように紡がれた声は少し震えていた。
同時に、わたしの中でずっと名前をつけられずにいたあの感情に答えが出た。
ーあぁ、わたしも好きだったんだ。
彼の手に自分のそれをそっと重ねてみる。
心を寄り添わせるように。
この気持ちを、恋というんだね。