クレッシェンドな恋をもう一度
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駅からさほど遠くないホテルがたまたま一つだけ空室があり、
雰囲気も決して悪くはなかったのでそこに落ち着くことにした。
入ってすぐの所にあるクイーンサイズのベッドがいかにもすぎて生々しくてつい、お互いに笑ってしまった。
別にそういうつもりで入ったわけではないが、
少しくらいは雰囲気に酔ったことにして荷物を下ろした彼女の肩を抱き寄せてキスをした。
「……ん……ぅ……」
抵抗とまではいかないものの、もう少し身じろぎくらいはされると思っていた。
いや、してほしかった、という方が正しいかもしれない。
そうすればまだ途中でやめることもできただろう。
「し……ちろ、さん……?」
熱に浮かされた潤んだ瞳と、足りない酸素を補おうとするように浅くなった呼吸。
途切れ途切れにこぼれる嬌声もひどく扇情的で、思わずごくりと喉が鳴った。
「……千颯……」
無意識に彼女の名前を口にすると、何かが頭の中でぷつりと切れたような気がした。
糊の利いたシーツにひよりを押し倒して、抱きしめるように背中へと腕を回す。
そしてそっと、彼女のワンピースのファスナーに手をかけた。
さすがにはっとした表情でこちらを見てくる。
これがどういう意味なのか、わからないほどお互いに子どもじゃない。
「……やめるなら、今のうちだけど。」
なんとか振り絞ったその言葉に、千颯はゆっくりと首を横に振った。
つまり、肯定。
ありがとう、と彼女の頭をそっと撫でてから、再び唇を重ねた。
○●○
彼女と二人で並ぶ姿など、あの頃の俺には絶対に想像出来なかった。
重たい瞼をゆっくりと持ち上げると、かすかに差し込む月の光だけが俺たちを照らしている。
ふわふわと今にも夢の中に落ちてしまいそうな彼女の手に自分のそれをそっと重ねる。
そんなふりをして、布団の中でほんの少しのサプライズ。
「え?なに?」
不思議そうに手を引き抜いた途端、彼女は頭にクエスチョンマークをたくさん浮かべて自身の右手とこちらを交互に見てくる。
「え?これ、どういう、こと?」
驚かせようと思って黙っていたことを、ようやくネタばらしする。
彼女に贈ったのは細身のシルバーにワンポイントで誕生石が埋め込まれたシンプルなリング。
今はまだきちんとしたものではないけれど、精一杯の気持ち形にしたつもりだ。
「なんだか……夢でも見てるみたい……」
幸せと驚きでいっぱいだと瞳を潤ませる彼女を、今一度抱き寄せる。
「夢じゃないよ。」
「うん……ありがと」
「今度は絶対に……間違えたりしないから。」
手放したことをこんなに後悔したことはなかった。
だからこそ、こうしてまたこの温もりを抱きしめられることに感謝したい。
「千颯……愛してる。」
愛おしいその名を呼んで、そっと唇を重ねた。
いつか必ず、神様の前で本物を贈ろうと誓って。
雰囲気も決して悪くはなかったのでそこに落ち着くことにした。
入ってすぐの所にあるクイーンサイズのベッドがいかにもすぎて生々しくてつい、お互いに笑ってしまった。
別にそういうつもりで入ったわけではないが、
少しくらいは雰囲気に酔ったことにして荷物を下ろした彼女の肩を抱き寄せてキスをした。
「……ん……ぅ……」
抵抗とまではいかないものの、もう少し身じろぎくらいはされると思っていた。
いや、してほしかった、という方が正しいかもしれない。
そうすればまだ途中でやめることもできただろう。
「し……ちろ、さん……?」
熱に浮かされた潤んだ瞳と、足りない酸素を補おうとするように浅くなった呼吸。
途切れ途切れにこぼれる嬌声もひどく扇情的で、思わずごくりと喉が鳴った。
「……千颯……」
無意識に彼女の名前を口にすると、何かが頭の中でぷつりと切れたような気がした。
糊の利いたシーツにひよりを押し倒して、抱きしめるように背中へと腕を回す。
そしてそっと、彼女のワンピースのファスナーに手をかけた。
さすがにはっとした表情でこちらを見てくる。
これがどういう意味なのか、わからないほどお互いに子どもじゃない。
「……やめるなら、今のうちだけど。」
なんとか振り絞ったその言葉に、千颯はゆっくりと首を横に振った。
つまり、肯定。
ありがとう、と彼女の頭をそっと撫でてから、再び唇を重ねた。
○●○
彼女と二人で並ぶ姿など、あの頃の俺には絶対に想像出来なかった。
重たい瞼をゆっくりと持ち上げると、かすかに差し込む月の光だけが俺たちを照らしている。
ふわふわと今にも夢の中に落ちてしまいそうな彼女の手に自分のそれをそっと重ねる。
そんなふりをして、布団の中でほんの少しのサプライズ。
「え?なに?」
不思議そうに手を引き抜いた途端、彼女は頭にクエスチョンマークをたくさん浮かべて自身の右手とこちらを交互に見てくる。
「え?これ、どういう、こと?」
驚かせようと思って黙っていたことを、ようやくネタばらしする。
彼女に贈ったのは細身のシルバーにワンポイントで誕生石が埋め込まれたシンプルなリング。
今はまだきちんとしたものではないけれど、精一杯の気持ち形にしたつもりだ。
「なんだか……夢でも見てるみたい……」
幸せと驚きでいっぱいだと瞳を潤ませる彼女を、今一度抱き寄せる。
「夢じゃないよ。」
「うん……ありがと」
「今度は絶対に……間違えたりしないから。」
手放したことをこんなに後悔したことはなかった。
だからこそ、こうしてまたこの温もりを抱きしめられることに感謝したい。
「千颯……愛してる。」
愛おしいその名を呼んで、そっと唇を重ねた。
いつか必ず、神様の前で本物を贈ろうと誓って。
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