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物書きリハビリ中

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2021/11/02 00:00
サンジ
「リオちゃんに皿洗いなんてさせられねェよ」
「私がしたいって言ってるのに?」
「いやでも、これはおれの仕事だし」
「サンジの仕事は料理でしょ」
「うんまぁ、料理の延長っていうか」
「私の仕事は掃除よ?むしろこっちの方が近いと思わない?」
「…参ったなァ」

どこまでも食い下がる私にサンジが頭を掻く。
レディファーストが骨まで染み付いている彼を困らせたい訳ではないが譲る気もなかった。
少し態度を軟化させて頬杖をつく。

「サニーは広いし、みんなそれぞれ役割が決まってるじゃない」
「あァ」
「だから、誰かと作業するってすごく珍しいでしょう?」
「そうだね」

前の世界にいた頃はよく並んで料理してたなぁ、と思いを馳せる。
私は知っているのだ。誰かと並んで同じ作業をする幸福を。でもこの船でそれが満たされるのは釣りくらいで、釣りは性に合わない。

「誰かと一緒になにかするの、私すごく好きなんだよなぁ」

ちらりと視線を上げて様子を窺えば、サンジは口元を手で覆い顔を背けている所だった。前髪のカーテンで表情はまったく見えないが、今のは効いたみたい。

「ねぇサンジ、一緒にお皿洗いしようよ」

騎士道コックの陥落まで、あと2秒。

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