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物書きリハビリ中

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2021/11/03 00:00
サンジ
「っロビンちゅわーん!!本日のスペシャルドリンクです」
「ありがとうサンジ」

あのコミカルな動きでひとしきりロビンを褒め称えたあと、私のところに歩いてくる足取りは至って普通。

「リオちゃん、喉乾いたろ。サンジ特製スペシャルドリンクをどうぞ」
「ありがと」

ひとくち含んで爽やかな甘さに顔が綻ぶ。
ロビンやナミのとは少し味を変えてあるらしいことに気づいたのはごく最近だった。
そんな細やかさに素直に感心する。

「うん、おいしい!」
「そっかァ、よかった」

にっこり、本当に嬉しそうに笑うサンジに私も眉を下げた。
キッチンに戻っていくサンジを視線で見送り、ふと別の視線に気づく。

「トラ男くん?どうかした?」
「黒足屋はニコ屋やナミ屋相手には知能が下がったみてェになるが、お前には違うんだな」
「…知能…まぁそうかもね」

ちらりと私を窺うような視線を向けたトラ男くんの言いたいことを、なんとなく想像する。
おまえだけ女扱いされてねェぞ、って意味と取るのは被害妄想が過ぎるだろうか。

「私は…あんな風に接されても困惑するだけだからなぁ」
「…そうか」

それにメロリンする理由がない。外見は14歳の子供、中身はロビンより年上の元既婚者。
いくらサンジでもそこまで節操なしじゃないだろう。
ナミやロビンに対しての接し方よりも、ウソップやチョッパーに対してに近いそれをむしろ私は気に入っている。



咲かせていた耳を散らし、また飲み物に口をつけた。
彼女は女扱いされていない訳ではないと、サンジの様子を見て思う。
明らかに大切にしているし、慈しんでもいる。おそらく私やナミに対してよりずっと。

彼女が飲み物を飲んだあとの笑顔。
あんな柔らかな表情を向けられたことはないし、ナミに向けているのも見たことがない。
リオの見かけの幼さにほだされている訳でもなさそうだ。

でもそれがなんなのか、おそらくサンジ自身も気づいていない。

ルフィが海賊王になるのとサンジが気づくのはどちらが早いかしら。
明日の天気を予想するくらいの他愛もない気持ちでそんなことを考えながら、読みかけの本に目を落とした。

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