短いお話をあなたに
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「素敵な式だったねー!」
「ああ。ウソップの野郎あんなにかわいいお嬢さんと結婚しやがって…!!」
「ほんと、カヤさんキレイだった」
まだ二人の笑顔が目に浮かぶ。
ウソップ、なんだかんだ言って優しいし良い奴だから、きっとカヤさんは幸せ者だ。
こんな時はロマンチックな場所を遠回りしようってサンジくんが言い出して、イルミネーションが反射する川縁を歩いている。
「うらやましいなー…」
「…ニナちゃんも結婚に憧れがあるのかい?」
「うん!周りにも増えて来たし!!」
でも、周りのみんなは学生の時から付き合ってるとか、社会人一年目で付き合いだしたとか、もうかなり長い付き合いで結婚を決めた人ばかりだ。
「でも私がこれから結婚するとなると、まず相手を探して好きになるところから始まるのよね」
「…そうなの?」
「うん。結婚したがってる人が見つかっても、お互いに気に入らなきゃ結婚にはならないし。気に入ったところで経済的に問題があったり、家族に事情があったり、どうしても割り切れない欠点があったりしたら、やっぱり結婚にはならないし」
「…」
世知辛いなあ、婚活市場。ボーっとしてたらどんどん市場価値が下がるのよって、職場のお姉さまに言われたばっかりだ。
「ねえ、ニナちゃん」
「なに?」
「そのお友達は、結構前から知っている人と結婚するんだろ?」
「あ、うん。学生の時からの彼氏とか、社会人一年目の同期とか」
「俺らが出会ったのっていつだっけ?」
「バイト始めた年だから…18歳の時かな?」
「そうだよな。それから4年間、ずっとうちの店でバイトしてくれたし、それ以降も店に来てくれたりみんなで飲んだりで月に3回は会ってる。ってことは、お友達と彼氏さん以上に、おれとニナちゃんの方が早く出会って長い期間一緒にいる」
「…そうだね…?」
なんだろうこれ。話が見えない。
「ニナちゃん。どうして君は、結婚相手と新しく出会うつもりでいるんだい?きみのことが大好きで、かわいくて仕方なくて、お互いのことをよく知り合ってるおれがいるのに」
わかった。いつものメロリンモードだ。
そう思って顔を上げると、目に入ったのは思ったより静かな表情のサンジくんだった。
静かというより、少し怒ってるような…いや、拗ねてる?
「…えっと、サンジくん?」
「ニナちゃんは、おれのこと気に入ってくれてる?」
「あ、うん。もちろん」
「おれの懐事情は…まあ店次第だけど、今のところ安定して黒字経営できてる」
「うん。すごいと思う」
「家族に事情はめちゃめちゃあるけど、前に話した通り、あっちとはもう縁は切ってる」
「…その時のサンジくん、頑張ったよね」
「ニナちゃんから見て、どうしても割り切れない欠点はありそうかい?」
「…すべての女の子にメロリンしちゃうとこ…?」
サンジくんがぐっと言葉に詰まった。
「でも」
考えたことがなかっただけで、改めて言われると、その選択肢はとても魅力的に思えた。
「私のことをずっと特別な一番にしてくれるなら、…割り切れるかも」
なんとなく気恥ずかしくて、パッと目を見開いたサンジくんから目を背ける。
そんな私の手を取って、サンジくんは地面に跪いた。
「ニナちゃん」
名前を呼ばれてサンジくんを見る。
見たことがないくらい真剣な顔。
「おれと、結婚してくれませんか」
希望していたことが一気に叶うと、人は言葉を失うらしい。
私はしばらくの間、バカみたいに突っ立ったままサンジくんの顔を見つめて、ようやく言葉を絞り出した。
「…じゃあ、恋人から、お願いします」
「ああ。ウソップの野郎あんなにかわいいお嬢さんと結婚しやがって…!!」
「ほんと、カヤさんキレイだった」
まだ二人の笑顔が目に浮かぶ。
ウソップ、なんだかんだ言って優しいし良い奴だから、きっとカヤさんは幸せ者だ。
こんな時はロマンチックな場所を遠回りしようってサンジくんが言い出して、イルミネーションが反射する川縁を歩いている。
「うらやましいなー…」
「…ニナちゃんも結婚に憧れがあるのかい?」
「うん!周りにも増えて来たし!!」
でも、周りのみんなは学生の時から付き合ってるとか、社会人一年目で付き合いだしたとか、もうかなり長い付き合いで結婚を決めた人ばかりだ。
「でも私がこれから結婚するとなると、まず相手を探して好きになるところから始まるのよね」
「…そうなの?」
「うん。結婚したがってる人が見つかっても、お互いに気に入らなきゃ結婚にはならないし。気に入ったところで経済的に問題があったり、家族に事情があったり、どうしても割り切れない欠点があったりしたら、やっぱり結婚にはならないし」
「…」
世知辛いなあ、婚活市場。ボーっとしてたらどんどん市場価値が下がるのよって、職場のお姉さまに言われたばっかりだ。
「ねえ、ニナちゃん」
「なに?」
「そのお友達は、結構前から知っている人と結婚するんだろ?」
「あ、うん。学生の時からの彼氏とか、社会人一年目の同期とか」
「俺らが出会ったのっていつだっけ?」
「バイト始めた年だから…18歳の時かな?」
「そうだよな。それから4年間、ずっとうちの店でバイトしてくれたし、それ以降も店に来てくれたりみんなで飲んだりで月に3回は会ってる。ってことは、お友達と彼氏さん以上に、おれとニナちゃんの方が早く出会って長い期間一緒にいる」
「…そうだね…?」
なんだろうこれ。話が見えない。
「ニナちゃん。どうして君は、結婚相手と新しく出会うつもりでいるんだい?きみのことが大好きで、かわいくて仕方なくて、お互いのことをよく知り合ってるおれがいるのに」
わかった。いつものメロリンモードだ。
そう思って顔を上げると、目に入ったのは思ったより静かな表情のサンジくんだった。
静かというより、少し怒ってるような…いや、拗ねてる?
「…えっと、サンジくん?」
「ニナちゃんは、おれのこと気に入ってくれてる?」
「あ、うん。もちろん」
「おれの懐事情は…まあ店次第だけど、今のところ安定して黒字経営できてる」
「うん。すごいと思う」
「家族に事情はめちゃめちゃあるけど、前に話した通り、あっちとはもう縁は切ってる」
「…その時のサンジくん、頑張ったよね」
「ニナちゃんから見て、どうしても割り切れない欠点はありそうかい?」
「…すべての女の子にメロリンしちゃうとこ…?」
サンジくんがぐっと言葉に詰まった。
「でも」
考えたことがなかっただけで、改めて言われると、その選択肢はとても魅力的に思えた。
「私のことをずっと特別な一番にしてくれるなら、…割り切れるかも」
なんとなく気恥ずかしくて、パッと目を見開いたサンジくんから目を背ける。
そんな私の手を取って、サンジくんは地面に跪いた。
「ニナちゃん」
名前を呼ばれてサンジくんを見る。
見たことがないくらい真剣な顔。
「おれと、結婚してくれませんか」
希望していたことが一気に叶うと、人は言葉を失うらしい。
私はしばらくの間、バカみたいに突っ立ったままサンジくんの顔を見つめて、ようやく言葉を絞り出した。
「…じゃあ、恋人から、お願いします」
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