短いお話をあなたに
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最近チョッパーの様子がおかしい。
数ヶ月前、長い片想いに決着をつける覚悟をようやく固めて告白した。
盛大に振られる、と言うより全く伝わらないことを予想していたのに、慌てに慌てたチョッパーから「なんでおれの気持ちわかったんだ!?」と言われた時は私も頭が真っ白になって、それを物陰から見ていた数人のクルーは一斉に吹き出していたらしい。
そんなこんなで恋人同士になれた。はずだったのに。
「なんか…変なんだよなぁ」
「変って?」
「私に気づくといつも獣型になるの」
「あら」
「…確かに最近獣型をよく見るわね」
またその変わり方が不自然極まりない。
例えば薬の調合をしてて、私が通りがかった瞬間に獣型になるとか。
ひづめじゃ調合しにくいはずなのに、わざわざ。
「…なんかしちゃったかなぁ私」
「直接聞いてみたらいいんじゃない?」
「ちょうど医務室にいたわよ」
「…うーん」
気乗りしないまま医務室に足を運び、扉の覗き窓から見ると、人獣型のチョッパーが医学書を読んでいるところだった。
深呼吸してドアノブを回すのと、チョッパーが振り返ったのが同時。
そして、私が部屋に足を踏み入れるより早くチョッパーは獣型に変わった。
…なんか、ここまで来ると。
まるで避けられてるみたいで、悲しいかも。
と思った途端に涙が膨れ上がって、止める間もなくこぼれ落ちてしまった。
自分で思っているより気にしていたみたい。
「っ、どうした!?どっか痛いのか!?」
「…うぅ」
駆け寄ってきてくれるチョッパーはやっぱり四足歩行。
告白する前はこういう時、人獣型で背中をさすってくれたり人型で頭を撫でてくれたりしたのに。
「それとも具合悪いのか!?吐き気がするとか!?」
「…ちがうよ」
少しの間ぐずぐず泣いてチョッパーをおろおろさせた後、診察台に座って話を切り出した。
「…チョッパーが」
「うん」
「最近私をみるたびに獣型になるから」
「…う”」
「私なんかしちゃったかなって思って」
「いや、別にお前は何もしてないぞ!」
「…じゃあ、なんで?」
鼻を啜りながら聞くと、チョッパーはまたしばらくおろおろして、覚悟を決めたように話し出した。
「…人獣型は、お前らかわいいって言うだろ。でもおれ男なんだからかわいいじゃなくかっこいいって言われてェんだ」
「…うん」
「でもこの間サンジに、”レディを怖がらせちゃいけねぇぞ”って言われて、人型はまたバケモノっぽくなっちまったし、怖いかなっておもって」
「…」
…こんな理由までチョッパーらしいなんて。
「チョッパー」
ちょっとずつ下がって床に縫い付けられていた視線をあげて欲しくて名前を呼んだ。
くりんとした瞳がこっちを見る。
「人獣型のとき、確かにかわいいって言ったことあるけど、それはね、”好き”って意味だったんだよ」
「え!?そうなのか!?」
「それから、私チョッパーの人型は怖いとは思わない。っていうか、モンスターポイントとかだって怖いなんて思ったことない」
手を伸ばしてチョッパーの頬に触れる。
いつだって暖かい毛並みに安心して、なんだか久しぶりに触ったなぁと思った。
「全部チョッパーだもん。私はチョッパーの優しいところとか、人を直すために一生懸命なところとか、実は女の子を守ろうとしてくれるところとか、まっすぐなところが好きなんだから。だけど、目が会うたびに獣型になられると、なんか避けられてるみたいに感じちゃって悲しかった」
「…そっか。…ごめんな」
良かった。私がなにかしちゃった訳じゃなかった。
でも安心したらちょっとイタズラしたくなってきちゃった。
「うん。それに…獣型だと抱きつきにくいし」
「っ抱き…っ!?」
「抱きしめてもらう時は人型の方が安心するし、抱きしめる時は人獣型の方がやりやすい」
つぶらな瞳を白黒させるチョッパーにちょっとやり過ぎかなと思いつつ、それでも追求は緩めない。
だって私、動揺するチョッパーも結構好きなんだから。
「…久しぶりに獣型以外のチョッパーに会いたいなぁ」
動揺が限界を越えたのか逆に静かになったチョッパーの顔を覗き込みながら、次にどっちの姿になってくれるのか、私はワクワクしながら待つことにしたのだった。
数ヶ月前、長い片想いに決着をつける覚悟をようやく固めて告白した。
盛大に振られる、と言うより全く伝わらないことを予想していたのに、慌てに慌てたチョッパーから「なんでおれの気持ちわかったんだ!?」と言われた時は私も頭が真っ白になって、それを物陰から見ていた数人のクルーは一斉に吹き出していたらしい。
そんなこんなで恋人同士になれた。はずだったのに。
「なんか…変なんだよなぁ」
「変って?」
「私に気づくといつも獣型になるの」
「あら」
「…確かに最近獣型をよく見るわね」
またその変わり方が不自然極まりない。
例えば薬の調合をしてて、私が通りがかった瞬間に獣型になるとか。
ひづめじゃ調合しにくいはずなのに、わざわざ。
「…なんかしちゃったかなぁ私」
「直接聞いてみたらいいんじゃない?」
「ちょうど医務室にいたわよ」
「…うーん」
気乗りしないまま医務室に足を運び、扉の覗き窓から見ると、人獣型のチョッパーが医学書を読んでいるところだった。
深呼吸してドアノブを回すのと、チョッパーが振り返ったのが同時。
そして、私が部屋に足を踏み入れるより早くチョッパーは獣型に変わった。
…なんか、ここまで来ると。
まるで避けられてるみたいで、悲しいかも。
と思った途端に涙が膨れ上がって、止める間もなくこぼれ落ちてしまった。
自分で思っているより気にしていたみたい。
「っ、どうした!?どっか痛いのか!?」
「…うぅ」
駆け寄ってきてくれるチョッパーはやっぱり四足歩行。
告白する前はこういう時、人獣型で背中をさすってくれたり人型で頭を撫でてくれたりしたのに。
「それとも具合悪いのか!?吐き気がするとか!?」
「…ちがうよ」
少しの間ぐずぐず泣いてチョッパーをおろおろさせた後、診察台に座って話を切り出した。
「…チョッパーが」
「うん」
「最近私をみるたびに獣型になるから」
「…う”」
「私なんかしちゃったかなって思って」
「いや、別にお前は何もしてないぞ!」
「…じゃあ、なんで?」
鼻を啜りながら聞くと、チョッパーはまたしばらくおろおろして、覚悟を決めたように話し出した。
「…人獣型は、お前らかわいいって言うだろ。でもおれ男なんだからかわいいじゃなくかっこいいって言われてェんだ」
「…うん」
「でもこの間サンジに、”レディを怖がらせちゃいけねぇぞ”って言われて、人型はまたバケモノっぽくなっちまったし、怖いかなっておもって」
「…」
…こんな理由までチョッパーらしいなんて。
「チョッパー」
ちょっとずつ下がって床に縫い付けられていた視線をあげて欲しくて名前を呼んだ。
くりんとした瞳がこっちを見る。
「人獣型のとき、確かにかわいいって言ったことあるけど、それはね、”好き”って意味だったんだよ」
「え!?そうなのか!?」
「それから、私チョッパーの人型は怖いとは思わない。っていうか、モンスターポイントとかだって怖いなんて思ったことない」
手を伸ばしてチョッパーの頬に触れる。
いつだって暖かい毛並みに安心して、なんだか久しぶりに触ったなぁと思った。
「全部チョッパーだもん。私はチョッパーの優しいところとか、人を直すために一生懸命なところとか、実は女の子を守ろうとしてくれるところとか、まっすぐなところが好きなんだから。だけど、目が会うたびに獣型になられると、なんか避けられてるみたいに感じちゃって悲しかった」
「…そっか。…ごめんな」
良かった。私がなにかしちゃった訳じゃなかった。
でも安心したらちょっとイタズラしたくなってきちゃった。
「うん。それに…獣型だと抱きつきにくいし」
「っ抱き…っ!?」
「抱きしめてもらう時は人型の方が安心するし、抱きしめる時は人獣型の方がやりやすい」
つぶらな瞳を白黒させるチョッパーにちょっとやり過ぎかなと思いつつ、それでも追求は緩めない。
だって私、動揺するチョッパーも結構好きなんだから。
「…久しぶりに獣型以外のチョッパーに会いたいなぁ」
動揺が限界を越えたのか逆に静かになったチョッパーの顔を覗き込みながら、次にどっちの姿になってくれるのか、私はワクワクしながら待つことにしたのだった。
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