Blue Moon
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外に出て空を見ると満天の星空だった。
無意識に息をついて建物の壁にもたれかかる。
むせかえりそうな匂いが全身に纏わりついてた。
あれを大人の世界というなら一生大人になれる気がしない。
「ねえ、あなた」
後ろから声をかけられた。
振り向くと金色の髪の人が立っていた。
胸元が大きく開いたドレス。寒くないんだろうか。
「私はマーガレット。あなたは?」
親代わりに”名前を聞く時はまず自分から。そうしてこない相手には答えるな”と言われていたことをふと思い出す。
「…イツキ」
「イツキちゃん、ね」
当たり前のように横にもたれかかってタバコを吸い始めるその人を、めんどくさいような気持ちで眺める。
「聞いていいかしら」
「なにを」
「どうしてそんなカッコしているの?」
そんなカッコ、と言われて自分の服に目をやる。
ペンギンのお下がりの白いカッターシャツ、この船に乗って最初の島で買ったカーキのカーゴパンツ。
「別に船乗りとしては普通だろ」
「そういうこと言ってるんじゃないのよ」
「あ?」
その人がこっちを見た。
大きな目の中に星が写り込んでいて、初めてこの人が青い目をしていることを知る。
「女の子でしょう?あなた」
*
鏡越しにぶわりと青い膜が広がるのが見えた。
「え、なんで」
言い終わる前に背後にキャプテンが現れる。
「おいテメェ、イツキに何して、」
それだけ言って固まったキャプテンを尻目にマーガレットがおっとりと言った。
「あら、イイ男ね」
「うん、うちの船長」
「へえ、そんなに若いのに船長さんなんてすごいじゃない」
手にビューラーを持った彼女がキャプテンに向き直る。
「何してるのかって聞いたならご覧の通りよ、あなたの所のイツキちゃんを、女にしてあげてるの」
キャプテンが呆けたようにこっちを見ていた。
さっきの”社会見学”の時のシャチみたいだった。
たかがおれに対してでもこんなふうになるんだな。
見た目ってデカいんだな、潜入とかに使えるかもしれない。
鏡に映った自分を見る。
人生で初めて着た白いワンピース。
髪はふだんのくしゃくしゃじゃなく、つるんと丸い髪型。
ドライヤーって暑いし嫌いだったけど、こういう風に出来るものだってことは知らなかった。
化粧水ってやつを塗りたくられた顔は、なんか上手く言えないけどふだんよりピカピカしてるように見える。
なんていうか。
こういう女子、街で見かけたことあるなって感じだった。
無意識に息をついて建物の壁にもたれかかる。
むせかえりそうな匂いが全身に纏わりついてた。
あれを大人の世界というなら一生大人になれる気がしない。
「ねえ、あなた」
後ろから声をかけられた。
振り向くと金色の髪の人が立っていた。
胸元が大きく開いたドレス。寒くないんだろうか。
「私はマーガレット。あなたは?」
親代わりに”名前を聞く時はまず自分から。そうしてこない相手には答えるな”と言われていたことをふと思い出す。
「…イツキ」
「イツキちゃん、ね」
当たり前のように横にもたれかかってタバコを吸い始めるその人を、めんどくさいような気持ちで眺める。
「聞いていいかしら」
「なにを」
「どうしてそんなカッコしているの?」
そんなカッコ、と言われて自分の服に目をやる。
ペンギンのお下がりの白いカッターシャツ、この船に乗って最初の島で買ったカーキのカーゴパンツ。
「別に船乗りとしては普通だろ」
「そういうこと言ってるんじゃないのよ」
「あ?」
その人がこっちを見た。
大きな目の中に星が写り込んでいて、初めてこの人が青い目をしていることを知る。
「女の子でしょう?あなた」
*
鏡越しにぶわりと青い膜が広がるのが見えた。
「え、なんで」
言い終わる前に背後にキャプテンが現れる。
「おいテメェ、イツキに何して、」
それだけ言って固まったキャプテンを尻目にマーガレットがおっとりと言った。
「あら、イイ男ね」
「うん、うちの船長」
「へえ、そんなに若いのに船長さんなんてすごいじゃない」
手にビューラーを持った彼女がキャプテンに向き直る。
「何してるのかって聞いたならご覧の通りよ、あなたの所のイツキちゃんを、女にしてあげてるの」
キャプテンが呆けたようにこっちを見ていた。
さっきの”社会見学”の時のシャチみたいだった。
たかがおれに対してでもこんなふうになるんだな。
見た目ってデカいんだな、潜入とかに使えるかもしれない。
鏡に映った自分を見る。
人生で初めて着た白いワンピース。
髪はふだんのくしゃくしゃじゃなく、つるんと丸い髪型。
ドライヤーって暑いし嫌いだったけど、こういう風に出来るものだってことは知らなかった。
化粧水ってやつを塗りたくられた顔は、なんか上手く言えないけどふだんよりピカピカしてるように見える。
なんていうか。
こういう女子、街で見かけたことあるなって感じだった。