短いお話をあなたに
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ねえ、私もそっち側行きたい」
「そっち側って?」
「キッチンの中」
「…あァ」
前から思ってた。
いつもあなたが作ってくれる側、私は受け取る側。
おいしいって笑顔を返すのも素敵だけど、一緒に作ってこの味付け上手くいったねとかちょっと失敗しちゃったねって言い合えたらどんなにいいだろうって。
あなたは私の手が傷つくこと心配するかもしれないけど。
それくらいでへこたれる私じゃないんだから。
「…じゃあ、明日の朝はパンケーキを焼こうか」
子供の初めての料理みたい、なめられたものね。
でも甘やかされるのも嫌いじゃない。
「いいね、ジャムも手作り?」
「それはおれが今日のうちに作っておくよ」
「ダメ。私も一緒に作るから」
甘いのだけじゃダメかな、じゃあベーコンエッグも添えようか、いいね、スープもいるかい、あった方がいいのかなぁ、でもおなか一杯になっちゃいそう。
ふだん彼の頭の中でだけ行われている計画に加われるのが楽しい。
「でもどうしたんだい急に。キッチンに立ってみたいだなんて」
急にでもないのよ。前から思ってた。
「…向かい合っているのも素敵だけど」
「うん」
「2人で同じ方向を見るのも素敵じゃないかなと思って」
「…それって…」
あなたは頭の回転が速いから、その先にある意味まで想像してしまうんでしょう?
「同じ方向を見てみて、しっくり来なければ今まで通りでもいいし」
「…そうか」
「そうよ」
複雑な顔するけど、私だって考えてない訳じゃないのよ。この先のこと。
「でも、しっくり来たとしても」
「うん」
「時々は私の方も見てね」
一瞬目を丸くした彼は、わかりやすく表情を変えて私の手を取る。
「もちろんさ。いくら離そうとしたって、おれの目はいつもきみに釘付けだ」
「…ふふ、ありがとう」
ラブモードに入らなくてもこういう甘ったるい言葉が出てくるようになったのはいつからだったかしら。
私が同じ方向を向きたいと願うようになったのもきっとその頃からだわ。
「じゃあ、さっそくジャム作っとこうか。イチゴ持ってきてくれるかい?」
「うん!」
「そっち側って?」
「キッチンの中」
「…あァ」
前から思ってた。
いつもあなたが作ってくれる側、私は受け取る側。
おいしいって笑顔を返すのも素敵だけど、一緒に作ってこの味付け上手くいったねとかちょっと失敗しちゃったねって言い合えたらどんなにいいだろうって。
あなたは私の手が傷つくこと心配するかもしれないけど。
それくらいでへこたれる私じゃないんだから。
「…じゃあ、明日の朝はパンケーキを焼こうか」
子供の初めての料理みたい、なめられたものね。
でも甘やかされるのも嫌いじゃない。
「いいね、ジャムも手作り?」
「それはおれが今日のうちに作っておくよ」
「ダメ。私も一緒に作るから」
甘いのだけじゃダメかな、じゃあベーコンエッグも添えようか、いいね、スープもいるかい、あった方がいいのかなぁ、でもおなか一杯になっちゃいそう。
ふだん彼の頭の中でだけ行われている計画に加われるのが楽しい。
「でもどうしたんだい急に。キッチンに立ってみたいだなんて」
急にでもないのよ。前から思ってた。
「…向かい合っているのも素敵だけど」
「うん」
「2人で同じ方向を見るのも素敵じゃないかなと思って」
「…それって…」
あなたは頭の回転が速いから、その先にある意味まで想像してしまうんでしょう?
「同じ方向を見てみて、しっくり来なければ今まで通りでもいいし」
「…そうか」
「そうよ」
複雑な顔するけど、私だって考えてない訳じゃないのよ。この先のこと。
「でも、しっくり来たとしても」
「うん」
「時々は私の方も見てね」
一瞬目を丸くした彼は、わかりやすく表情を変えて私の手を取る。
「もちろんさ。いくら離そうとしたって、おれの目はいつもきみに釘付けだ」
「…ふふ、ありがとう」
ラブモードに入らなくてもこういう甘ったるい言葉が出てくるようになったのはいつからだったかしら。
私が同じ方向を向きたいと願うようになったのもきっとその頃からだわ。
「じゃあ、さっそくジャム作っとこうか。イチゴ持ってきてくれるかい?」
「うん!」
4/8ページ