引越し、5月
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「…ねえ何でこれで行けると思ったの」
「いやーニナいるしよ」
「私が何人いると思ってたの」
エースは大学のサークル同期だ。100人規模の大集団の中で、常にテンションの高いエースとインドア派の私が仲良くなったのは、ひとえに家が近かったからだ。大学の斡旋する学生マンションの1階にエース、3階に私が住んでいる。エースの部屋は頻繁に宅飲みの会場にされていて、酔い潰れた女子が私の部屋に運ばれて来たり、エースの部屋に入りきらなかったサークル仲間がここで飲み始めたり。おかげで、高校の時とは比べ物にならないくらい社交性が上がって、その点についてはエースに感謝している。
卒業間近のこの時期、エースは卒業旅行に飛び回っていて、約一ヶ月まともに家に帰っていなかったらしい。旅行先からSOSが送られてきて、荷造り中の食事を全部奢ってもらう条件で渋々手を打った。
片づけが出来ない人だとは思っていたけどここまでとは。
でも嘆いていても荷物は片付かない。
「…仕方ない、やりますか」
「何からしたらいいんだ?」
「もうここまで時間ないと順序とか考えてられないから、ひとまず目についたものダンボールに入れて行こう」
*
いつの間にか床で寝ていたエースを叩き起こす。
「エース、ベッドで寝て。その辺片付けたい」
「…おう…お前もキリいいとこで戻れよ」
「私は徹夜コース」
「…なんで?」
「私の部屋もう運び出し終わってるから、今スーツケースしかないの」
「は?」
「戻っても布団もないから今日は徹夜のつもりで」
「は!?」
「…うん」
「なんでだよ!?…あ、おれのせいか」
「まあそうね」
「…スミマセン」
「眠くなったら床で寝るし」
「バカ、宅飲みじゃねえんだから」
「わかった、眠くなったらエース起こしてベッド奪うから気にしないで」
「それがいい。そうしろ」
2時頃まで片付けをしていた記憶はある。
ハッと意識が浮上したのは背中と膝の下に手が差し入れられる瞬間だった。
「、わっ」
「起きたか」
「ん…?」
「床で寝るなって言っただろうが」
「…ああ、うん…」
ドサリとベッドに降ろされた。
後ろにエースが横たわる。
「…ん?」
「寝ろ」
一瞬疑問が浮かんだけれど睡魔には勝てず瞼を閉じた。
「いやーニナいるしよ」
「私が何人いると思ってたの」
エースは大学のサークル同期だ。100人規模の大集団の中で、常にテンションの高いエースとインドア派の私が仲良くなったのは、ひとえに家が近かったからだ。大学の斡旋する学生マンションの1階にエース、3階に私が住んでいる。エースの部屋は頻繁に宅飲みの会場にされていて、酔い潰れた女子が私の部屋に運ばれて来たり、エースの部屋に入りきらなかったサークル仲間がここで飲み始めたり。おかげで、高校の時とは比べ物にならないくらい社交性が上がって、その点についてはエースに感謝している。
卒業間近のこの時期、エースは卒業旅行に飛び回っていて、約一ヶ月まともに家に帰っていなかったらしい。旅行先からSOSが送られてきて、荷造り中の食事を全部奢ってもらう条件で渋々手を打った。
片づけが出来ない人だとは思っていたけどここまでとは。
でも嘆いていても荷物は片付かない。
「…仕方ない、やりますか」
「何からしたらいいんだ?」
「もうここまで時間ないと順序とか考えてられないから、ひとまず目についたものダンボールに入れて行こう」
*
いつの間にか床で寝ていたエースを叩き起こす。
「エース、ベッドで寝て。その辺片付けたい」
「…おう…お前もキリいいとこで戻れよ」
「私は徹夜コース」
「…なんで?」
「私の部屋もう運び出し終わってるから、今スーツケースしかないの」
「は?」
「戻っても布団もないから今日は徹夜のつもりで」
「は!?」
「…うん」
「なんでだよ!?…あ、おれのせいか」
「まあそうね」
「…スミマセン」
「眠くなったら床で寝るし」
「バカ、宅飲みじゃねえんだから」
「わかった、眠くなったらエース起こしてベッド奪うから気にしないで」
「それがいい。そうしろ」
2時頃まで片付けをしていた記憶はある。
ハッと意識が浮上したのは背中と膝の下に手が差し入れられる瞬間だった。
「、わっ」
「起きたか」
「ん…?」
「床で寝るなって言っただろうが」
「…ああ、うん…」
ドサリとベッドに降ろされた。
後ろにエースが横たわる。
「…ん?」
「寝ろ」
一瞬疑問が浮かんだけれど睡魔には勝てず瞼を閉じた。
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