Blue Moon
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「興味ねぇもん」
「えっお前マジかよ!」
「なんだなんだ?」
「いや、こいつがよー」
「シャチ、寄港の準備しろって言われてなかったか?」
どこぞの冬島でキャプテンが拾って来たガキはイツキと名乗り、船ではベルーガと呼ばれるようになった。
ベルーガはシロイルカの別名で、あいつの不健康なほど白い肌からその名になったらしい。
そこそこしっかり者で生意気な、まぁよくいるガキだったが、医療知識と技術は本物で、この船に乗ってから助手として全手術に関わるようになった。
スタスタと去って行く背中は、初めて会ったときの子供らしいシルエットから、随分ヒョロヒョロした印象が強くなった。
「で?何の話だ?」
「ベルーガのやつ女買ったことねェんだって」
「そりゃまだガキだろうが。12だっけ?」
「それだけじゃねぇんだよ、興味もねェらしい」
「あー…そういうのに全く興味がないか…」
「もしくは、女以外に興味があるか」
海賊をはじめ船乗りの多くは男だ。自由に女を買える陸の男より、そっちに目覚める割合は多いと聞く。
「…どうだろうな。あいつ、欲とか恋とかなんだそれって感じじゃね?」
「あーそれは言えてる」
✳
「やだァ、シャチくんたら」
「いいじゃんいいじゃん」
酒と香水と女の匂い。
「ペンギン、おれ出てるわ」
「おう、お前にはまだ早かったか」
社会勉強だとベルーガを連れてきたものの、女の酌で飲むような店には馴染めなかったらしい。
去っていく背中を見ていた娼婦の一人が立ち上がった。
「あたしあの子頂いても?」
「あ、別にいいけど」
「そう」
長い金の巻き髪と、強調された尻のラインが目に付く後姿を眺めていると、隣に座った女に腕を引っ張られた。
「ペンギンさん、マーガレット狙いだったのー?」
「ひどーいあたしたちはー?」
「あァいや違うんだ。あの姉さんに恥かかせちまうんじゃねェかと思ってな」
「恥かかせるって?」
「さっきのやつ、男女のあれこれに疎いからよ」
「あーまだかわいかったもんね?」
「そうそう、坊やって感じで」
「なんだあいつ結構人気か?」
「やだー実際に一緒に過ごすならやっぱり大人の男の人よねぇ?」
「そうそう。でもマーガレットはほら、かわいい子好きだから」
「案外明日には大人になっちゃってたりするかもよ?あの子!」
「えっお前マジかよ!」
「なんだなんだ?」
「いや、こいつがよー」
「シャチ、寄港の準備しろって言われてなかったか?」
どこぞの冬島でキャプテンが拾って来たガキはイツキと名乗り、船ではベルーガと呼ばれるようになった。
ベルーガはシロイルカの別名で、あいつの不健康なほど白い肌からその名になったらしい。
そこそこしっかり者で生意気な、まぁよくいるガキだったが、医療知識と技術は本物で、この船に乗ってから助手として全手術に関わるようになった。
スタスタと去って行く背中は、初めて会ったときの子供らしいシルエットから、随分ヒョロヒョロした印象が強くなった。
「で?何の話だ?」
「ベルーガのやつ女買ったことねェんだって」
「そりゃまだガキだろうが。12だっけ?」
「それだけじゃねぇんだよ、興味もねェらしい」
「あー…そういうのに全く興味がないか…」
「もしくは、女以外に興味があるか」
海賊をはじめ船乗りの多くは男だ。自由に女を買える陸の男より、そっちに目覚める割合は多いと聞く。
「…どうだろうな。あいつ、欲とか恋とかなんだそれって感じじゃね?」
「あーそれは言えてる」
✳
「やだァ、シャチくんたら」
「いいじゃんいいじゃん」
酒と香水と女の匂い。
「ペンギン、おれ出てるわ」
「おう、お前にはまだ早かったか」
社会勉強だとベルーガを連れてきたものの、女の酌で飲むような店には馴染めなかったらしい。
去っていく背中を見ていた娼婦の一人が立ち上がった。
「あたしあの子頂いても?」
「あ、別にいいけど」
「そう」
長い金の巻き髪と、強調された尻のラインが目に付く後姿を眺めていると、隣に座った女に腕を引っ張られた。
「ペンギンさん、マーガレット狙いだったのー?」
「ひどーいあたしたちはー?」
「あァいや違うんだ。あの姉さんに恥かかせちまうんじゃねェかと思ってな」
「恥かかせるって?」
「さっきのやつ、男女のあれこれに疎いからよ」
「あーまだかわいかったもんね?」
「そうそう、坊やって感じで」
「なんだあいつ結構人気か?」
「やだー実際に一緒に過ごすならやっぱり大人の男の人よねぇ?」
「そうそう。でもマーガレットはほら、かわいい子好きだから」
「案外明日には大人になっちゃってたりするかもよ?あの子!」