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Blue Moon

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「なんだったんだよ気持ちワリィ」
「…気まぐれだ」

子供が体を起こした。

「もう、生きんのめんどかったから、あのままだって良かったのに」
「あ”?」
「あんたが探してた医者っておれの保護者なわけ。この島の治安見たろ。ガキ一人で生きてけるほど甘くねェんだわ。死ぬよりつらい思いすんの分かってんなら、ここで死ぬのも良いって思ったとこだったのによ」
「…テメェ…医者にそれ言うのがどういうことか分かってんだろうな…」
「そりゃガキの頃から医者のもとで育ってれば分かんねぇ訳ねえだろ」
「オペ後でなけりゃバラしてたとこだ」
「そうか、命拾いしたわ」

蒼白な顔色は変わんねぇが、声に力が戻っている。

「おれが執刀した以上お前はおれの患者だ。こんな劣悪な環境に置いておくことはできない」
「…は?」
「”ROOM”」

サークルを広げる。
一瞬でおれと子供は船内に戻ってきていた。

「あァ、そういやあんた、能力者だったな」
「知ってたのか」
「その保護者が、あんたを…気にかけてた。…”すべての医師が、憧れる能力を持った奴だ”…って」

言葉と共に子供の瞼は徐々に瞼が下がっていく。

「…なァ、あんたさ」
「なんだ」
「おれのことどうする?」
「…」
「…まあ、生き延びちまったから、…しんどくても仕方ねぇよな…」

医師を親に持つ子供。
聞けば”痛みの移動”という特徴から虫垂炎と自己診断したという。
そのまま放置すれば腹膜炎になり、炎症が全体に広がれば死に至ると理解した上でそれを待っていたと。
一定の医学知識があることが伺えた。

「お前の保護者は一人であれだけの症例数を執刀してたのか?」
「…まあね」
「麻酔と器具出しと前立ちがいたはずだ」
「おれ」
「…あ?」
「ぜんぶおれ。足元のペダルで麻酔調節しながら片手で切開部押さえてもう片方の手で器具出してた」
「…本当か」
「嘘言ってどうすんだよ」

こりゃあ、とんでもねぇ拾い物をしちまったかもな。

「お前が思っているような扱いはしない」
「…マジ?」
「この船の個室を与えてやる。好きに使え。基本的には自由に過ごして構わない。ただし、オペ時は麻酔と器具出しを任せる。むろん夜中でも拒否権はねぇ」
「あァ、そう言うのには慣れてる」
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