終わりと始まりの夏
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土曜日。
シホの家まで迎えに行くと、すでに外に出て待ってた。
ゆるめのTシャツ、デニムのショートパンツ、スニーカー。頭にはピンクのキャップ、グレーパーカー。
こいつ、アウトドア経験値高めだな。
わかる奴にはわかる、機能性と男目線のバランスを上手くとった格好。
「おはよー」
「おう」
「今日は誰が来るの?」
「あとマルコとサッチとイゾウ」
「楽しみだね」
「あいつらもう買い出し行ってるから、ピックアップしに行くぞ」
「りょーかいです」
買い出し連中を拾って、現地に着いてちょうどいい場所が確保できた。
サッチの実力で食い物の味は安定しているし、俺の手に掛かればどんな天気でも火が起きないなんてことはない。
テントやタープも設置して、準備は上々。
ふとシホを目で探すと、マルコに話しかけてるのが見えた。
「いつもゴミってどうしてます?」
「その辺に置きっぱなしだよい。たまに風で飛んだりするけどねい」
「最後に分別するんですか?」
「まあ瓶カンとそれ以外って感じだよい」
「もしよかったらこの段ボールに袋掛けて瓶とカン捨てるのってどうです?」
「あァ、いい案だよい、試してみようかねい」
肉がじゃんじゃん焼けていく。
ニコニコと肉を口に運ぶシホ。
「シホちゃん、ほらこれも食べな」
「ありがとうございます!」
「イゾウが人の面倒見てるなんてな」
「レアだよい」
前にアウトドアが得意、という女子が一緒だった時は、「あたしの流儀」を押し付けてきて空気が悪くなったりした。
その点シホは、何よりもうまそうに肉を食う。これ最重要。
俺らが肉焼くのに命かけてるときは手を出してこない。
そろそろ焼くものが無くなりそうってタイミングで追加の具材を持ってくる。
その辺に散らかるゴミを自然にゴミ袋にまとめている。
肉も焼き終わって俺らが遊び出すと、撤収しやすいように荷物を整理したりしている。
端的に言うと、すごく“いい働き”をする奴だった。
水で遊んでたサッチが寄ってくる。
「エースくぅん」
「なんだ気持ち悪い」
「シホちゃんめっちゃいいじゃん、来週も誘おうよ」
「…そうだな、聞いてみる」
シホのおかげかいつもの半分の時間で撤収が完了する。
「来週もやるけど、シホも来るか?」
「え、いいの?行きたい!」
「やっほー!またシホちゃんとBBQできるぜ!」
野郎どもを順に家に送り届けて、最後にシホの家へ向かう。
「今日はありがとな」
「こっちこそ楽しかったよ、誘ってくれてありがと」
「やーシホがいてくれてめっちゃ助かった」
「そう?普通じゃない?」
「いや全然。前に取引先の女子誘った時は全然ダメでよ」
「ダメ?なにが?」
「まず白い服とかハイヒールで来るし」
「…何しに来たのそれ」
「男漁りだろ」
「…ああ」
「で、いざ肉焼きだしたら何も手伝わねぇし」
「…接待?」
「いやほんとホストじゃねえんだからって」
「うんうん」
「あげく虫に騒いだり疲れただの寒いだの文句言いだして」
「…大変だったね」
「それでしばらく女子誘ってなかったんだわ」
「…それでか」
納得したような顔のシホ。
「こんなにカッコいいお兄さんたちのBBQに女子が食いつかないわけないのに、
なんで男ばっかりでやってるのか疑問だったんだよね」
「…まあ、その方が気楽ってのもあるんだけどな」
「お仲間に入れていただいて光栄です」
その週から夏の間は毎週、シホを含めたメンツでBBQを満喫することになった。
シホの家まで迎えに行くと、すでに外に出て待ってた。
ゆるめのTシャツ、デニムのショートパンツ、スニーカー。頭にはピンクのキャップ、グレーパーカー。
こいつ、アウトドア経験値高めだな。
わかる奴にはわかる、機能性と男目線のバランスを上手くとった格好。
「おはよー」
「おう」
「今日は誰が来るの?」
「あとマルコとサッチとイゾウ」
「楽しみだね」
「あいつらもう買い出し行ってるから、ピックアップしに行くぞ」
「りょーかいです」
買い出し連中を拾って、現地に着いてちょうどいい場所が確保できた。
サッチの実力で食い物の味は安定しているし、俺の手に掛かればどんな天気でも火が起きないなんてことはない。
テントやタープも設置して、準備は上々。
ふとシホを目で探すと、マルコに話しかけてるのが見えた。
「いつもゴミってどうしてます?」
「その辺に置きっぱなしだよい。たまに風で飛んだりするけどねい」
「最後に分別するんですか?」
「まあ瓶カンとそれ以外って感じだよい」
「もしよかったらこの段ボールに袋掛けて瓶とカン捨てるのってどうです?」
「あァ、いい案だよい、試してみようかねい」
肉がじゃんじゃん焼けていく。
ニコニコと肉を口に運ぶシホ。
「シホちゃん、ほらこれも食べな」
「ありがとうございます!」
「イゾウが人の面倒見てるなんてな」
「レアだよい」
前にアウトドアが得意、という女子が一緒だった時は、「あたしの流儀」を押し付けてきて空気が悪くなったりした。
その点シホは、何よりもうまそうに肉を食う。これ最重要。
俺らが肉焼くのに命かけてるときは手を出してこない。
そろそろ焼くものが無くなりそうってタイミングで追加の具材を持ってくる。
その辺に散らかるゴミを自然にゴミ袋にまとめている。
肉も焼き終わって俺らが遊び出すと、撤収しやすいように荷物を整理したりしている。
端的に言うと、すごく“いい働き”をする奴だった。
水で遊んでたサッチが寄ってくる。
「エースくぅん」
「なんだ気持ち悪い」
「シホちゃんめっちゃいいじゃん、来週も誘おうよ」
「…そうだな、聞いてみる」
シホのおかげかいつもの半分の時間で撤収が完了する。
「来週もやるけど、シホも来るか?」
「え、いいの?行きたい!」
「やっほー!またシホちゃんとBBQできるぜ!」
野郎どもを順に家に送り届けて、最後にシホの家へ向かう。
「今日はありがとな」
「こっちこそ楽しかったよ、誘ってくれてありがと」
「やーシホがいてくれてめっちゃ助かった」
「そう?普通じゃない?」
「いや全然。前に取引先の女子誘った時は全然ダメでよ」
「ダメ?なにが?」
「まず白い服とかハイヒールで来るし」
「…何しに来たのそれ」
「男漁りだろ」
「…ああ」
「で、いざ肉焼きだしたら何も手伝わねぇし」
「…接待?」
「いやほんとホストじゃねえんだからって」
「うんうん」
「あげく虫に騒いだり疲れただの寒いだの文句言いだして」
「…大変だったね」
「それでしばらく女子誘ってなかったんだわ」
「…それでか」
納得したような顔のシホ。
「こんなにカッコいいお兄さんたちのBBQに女子が食いつかないわけないのに、
なんで男ばっかりでやってるのか疑問だったんだよね」
「…まあ、その方が気楽ってのもあるんだけどな」
「お仲間に入れていただいて光栄です」
その週から夏の間は毎週、シホを含めたメンツでBBQを満喫することになった。