終わりと始まりの夏
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「エースは事務の子とどうなの」
「どうって?」
「一時期うわさ立ってたじゃん」
「あーなんかタイプじゃなかったし、気づいたらあっちも彼氏持ちになってた」
「へー、ちょっともったいない気がするけど」
「まーでもタイプじゃない奴に時間食うのもな」
「たしかに、それあるよね」
エースがごろん、とこちらを向く。
「なんで別れたんだよ」
「それ聞く?」
「お前から振ったと見た」
「ご名答」
「浮気かなんかか?」
「や、存在が負担になったっていうか…」
「…存在が負担?」
「会うのを負担に感じるくらいには恋が醒めたんだと思う」
「なるほどな」
「恋が醒めないうちは忙しくても会う労力は惜しまないでしょ」
「あァ」
「その労力が惜しくなったから潮時かなって思って」
「お前、けっこう現実的だな」
「うーん、もしかしたらそこまで好きじゃなかったのかもね」
「…もう結構経ってんの?」
「や、2ヶ月前くらい」
横顔に視線を感じる。
ただ、なんとなく今は真正面から向き合うべきじゃないと思った。
しばらくの沈黙の後、話題を変える。
「雲がきれいだね」
「…あァ」
「今回はのんびりすることを第一優先にしようと思う」
「おう、そのつもりだ」
「いっつもはあちこち回っちゃうんだけどね」
「…じゃあ俺が教えてやるよ」
込められた気配に驚いて、うっかり目を合わせてしまった。
「のんびりの仕方をな」
やっとこっち向いた、とでも言いたげな満面の笑みを向けられる。
これから7日間、この太陽の元でこの笑顔を向けられ続けるのかな。
動揺しないように心の準備をしておこう、と思った。
*
プールの後、それぞれ部屋で昼寝してホテル内のバイキングで夕食を取って、
寝ようかなと思ったあたりで「部屋で飲まねぇ?」とお誘いがあった。
少し考えていると、エースがふにゃっと眉を下げて笑った。
「大丈夫だ、なんもしねえから」
「うーん、そういう話っていうか」
「お前、別れてから半年は次の彼氏作んねえんだろ?」
「…私それ言ったことあったっけ」
「2年目の時の飲み会で聞いた」
「すごい記憶力」
「興味あることは覚えてるからな」
…どういう意味だろう。
「とにかく、ごちゃごちゃ考えねぇで、楽しく飲もうぜ。ここ沖縄だし」
めちゃくちゃな理由付けだけど、まあいいかと思わされる。
この場所に流れるおおらかな空気のせいだろうか。
「そっか、そうだね、沖縄だし」
「どうって?」
「一時期うわさ立ってたじゃん」
「あーなんかタイプじゃなかったし、気づいたらあっちも彼氏持ちになってた」
「へー、ちょっともったいない気がするけど」
「まーでもタイプじゃない奴に時間食うのもな」
「たしかに、それあるよね」
エースがごろん、とこちらを向く。
「なんで別れたんだよ」
「それ聞く?」
「お前から振ったと見た」
「ご名答」
「浮気かなんかか?」
「や、存在が負担になったっていうか…」
「…存在が負担?」
「会うのを負担に感じるくらいには恋が醒めたんだと思う」
「なるほどな」
「恋が醒めないうちは忙しくても会う労力は惜しまないでしょ」
「あァ」
「その労力が惜しくなったから潮時かなって思って」
「お前、けっこう現実的だな」
「うーん、もしかしたらそこまで好きじゃなかったのかもね」
「…もう結構経ってんの?」
「や、2ヶ月前くらい」
横顔に視線を感じる。
ただ、なんとなく今は真正面から向き合うべきじゃないと思った。
しばらくの沈黙の後、話題を変える。
「雲がきれいだね」
「…あァ」
「今回はのんびりすることを第一優先にしようと思う」
「おう、そのつもりだ」
「いっつもはあちこち回っちゃうんだけどね」
「…じゃあ俺が教えてやるよ」
込められた気配に驚いて、うっかり目を合わせてしまった。
「のんびりの仕方をな」
やっとこっち向いた、とでも言いたげな満面の笑みを向けられる。
これから7日間、この太陽の元でこの笑顔を向けられ続けるのかな。
動揺しないように心の準備をしておこう、と思った。
*
プールの後、それぞれ部屋で昼寝してホテル内のバイキングで夕食を取って、
寝ようかなと思ったあたりで「部屋で飲まねぇ?」とお誘いがあった。
少し考えていると、エースがふにゃっと眉を下げて笑った。
「大丈夫だ、なんもしねえから」
「うーん、そういう話っていうか」
「お前、別れてから半年は次の彼氏作んねえんだろ?」
「…私それ言ったことあったっけ」
「2年目の時の飲み会で聞いた」
「すごい記憶力」
「興味あることは覚えてるからな」
…どういう意味だろう。
「とにかく、ごちゃごちゃ考えねぇで、楽しく飲もうぜ。ここ沖縄だし」
めちゃくちゃな理由付けだけど、まあいいかと思わされる。
この場所に流れるおおらかな空気のせいだろうか。
「そっか、そうだね、沖縄だし」