本編
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ニナがこっちに残ると言い出した。
たった15歳の子供が一人で暮らすのは想像を絶する大変さだろうと思った。
ましてや、女なのに。
「もしよければ、うちでニナを預かりましょうか」
気付くとニナの母親にそう言っていた。
言った瞬間、拒絶されると後悔したが、意外にもニナの母親は賛成した。
「コラソンくんとローくんが一緒なら安心ね!」と。
原稿がひと段落ついてリビングに向かうと、ソファに寝転がるニナ。
「あ、コラさんおつかれさまー」
「おう、ニナもな」
「なんか飲む?」
「じゃあミントティーもらおうか」
「はーい」
湯を沸かす後姿をしみじみ眺める。
子供を守るつもりで預かったが、その子供に助けられていることも多々あると気づいた。
思い返せば彼女が小さい頃から、邪魔されているようでずっと癒されてきたように思う。
「ローは?」
「…女の子とお出かけ」
「…そうか」
半身振り向いたニナの、僅かばかり寂しげな横顔に潜む感情を拾おうと注視する。
恋というには穏やかすぎて、愛というには確かすぎて。
小さい頃からの友達が離れてしまった寂しさ、だけでも片づけられないような機微。
「なあニナ」
「んー?」
「なんで、こっち残ろうって決めたんだ?」
「…うーん」
ティーポットを傾けるニナが、一瞬絵画に見えた。
「やりたいことって何かなって考えた」
「あァ」
「あんまりなかったんだよね」
「…そうか」
「でも、ひとつ思ったのは、約束を守りたいなって」
「約束?」
「うん。ローと、お医者さんになるって約束したから」
「…」
「それを守るには、こっちでそのための勉強をする方がいいと思ったの」
ニナ、それ、すごいことだぞ。
親と離れて一人で暮らすってことを、まだ年端も行かないお前が決めたんだ。
たかが幼なじみのために。
「それに、コラさんとローの夜ご飯、だれが作るの?」
二言目には人のための言葉が出てくるお前に、オレが、ローが、何度救われたか、お前はきっとわかっていないよな。
たった15歳の子供が一人で暮らすのは想像を絶する大変さだろうと思った。
ましてや、女なのに。
「もしよければ、うちでニナを預かりましょうか」
気付くとニナの母親にそう言っていた。
言った瞬間、拒絶されると後悔したが、意外にもニナの母親は賛成した。
「コラソンくんとローくんが一緒なら安心ね!」と。
原稿がひと段落ついてリビングに向かうと、ソファに寝転がるニナ。
「あ、コラさんおつかれさまー」
「おう、ニナもな」
「なんか飲む?」
「じゃあミントティーもらおうか」
「はーい」
湯を沸かす後姿をしみじみ眺める。
子供を守るつもりで預かったが、その子供に助けられていることも多々あると気づいた。
思い返せば彼女が小さい頃から、邪魔されているようでずっと癒されてきたように思う。
「ローは?」
「…女の子とお出かけ」
「…そうか」
半身振り向いたニナの、僅かばかり寂しげな横顔に潜む感情を拾おうと注視する。
恋というには穏やかすぎて、愛というには確かすぎて。
小さい頃からの友達が離れてしまった寂しさ、だけでも片づけられないような機微。
「なあニナ」
「んー?」
「なんで、こっち残ろうって決めたんだ?」
「…うーん」
ティーポットを傾けるニナが、一瞬絵画に見えた。
「やりたいことって何かなって考えた」
「あァ」
「あんまりなかったんだよね」
「…そうか」
「でも、ひとつ思ったのは、約束を守りたいなって」
「約束?」
「うん。ローと、お医者さんになるって約束したから」
「…」
「それを守るには、こっちでそのための勉強をする方がいいと思ったの」
ニナ、それ、すごいことだぞ。
親と離れて一人で暮らすってことを、まだ年端も行かないお前が決めたんだ。
たかが幼なじみのために。
「それに、コラさんとローの夜ご飯、だれが作るの?」
二言目には人のための言葉が出てくるお前に、オレが、ローが、何度救われたか、お前はきっとわかっていないよな。