本編
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目が覚めると病院のベッドの上だった。
メガネの主治医が俺を診察した後、
「よく見ててくれる幼馴染の子がいてくれて良かったね」と言った。
いくつかの検査を受けたオレには病名が付いた。
イライラするのも、体力が減ったのも、勉強がつまんねえのも、不眠も、
全部病気のせいだそうだ。
原因が分かった代わりに、オレには毎日飲むべき薬ができた。
医学書を引くと、寛解の確率は3割、2年以内に寛解しなければ手術適応とあった。
「先に手術するのはダメなんですか」
「君はどうしても手術がしたいんだね」
「1年半で受験なんで」
「…そうか、じゃあ、1年以内に良くならなかったら手術する。それならどうだい?」
「…1年なら、まあ」
カルテに何かを書きながら、思い出したように主治医はこっちを向いた。
「そういえば、幼馴染の子は元気かい」
「…はい。あいつがどうかしましたか」
「いや?トラファルガー君、ちゃんとお礼は言ったの?」
「…お礼?」
「あの子が居なかったら、君の診断はもっと遅れていたかもしれないよ。
僕が君に精密検査しようと思ったのは、あの子がたくさんヒントをくれたからだ。
そうでなければケンカの際の脳震盪と判断したかもしれない。
君の保護者さんも、あの子ほど君を細かく見ていたわけじゃなかったようだしね」
「…そう、なんですか」
「いい着眼点をしていると思ったよ。医者に向いてるかもしれないね」
「…」
あいつが、医者。
もしそうなったら、こっから先、ずっと一緒かもしれない、と思った。
それから、あいつが近くにいなかった時の、動きと色のない世界を想った。
*
「オイ、お前、医者になれ」
「え?…わたし小説家になりたいって、ずっと」
「医者をしながらでも小説は書ける」
「でも、わたしの成績じゃ、」
「大学入るまで4年あるじゃねえか」
「そんな簡単に…」
メガネの主治医が俺を診察した後、
「よく見ててくれる幼馴染の子がいてくれて良かったね」と言った。
いくつかの検査を受けたオレには病名が付いた。
イライラするのも、体力が減ったのも、勉強がつまんねえのも、不眠も、
全部病気のせいだそうだ。
原因が分かった代わりに、オレには毎日飲むべき薬ができた。
医学書を引くと、寛解の確率は3割、2年以内に寛解しなければ手術適応とあった。
「先に手術するのはダメなんですか」
「君はどうしても手術がしたいんだね」
「1年半で受験なんで」
「…そうか、じゃあ、1年以内に良くならなかったら手術する。それならどうだい?」
「…1年なら、まあ」
カルテに何かを書きながら、思い出したように主治医はこっちを向いた。
「そういえば、幼馴染の子は元気かい」
「…はい。あいつがどうかしましたか」
「いや?トラファルガー君、ちゃんとお礼は言ったの?」
「…お礼?」
「あの子が居なかったら、君の診断はもっと遅れていたかもしれないよ。
僕が君に精密検査しようと思ったのは、あの子がたくさんヒントをくれたからだ。
そうでなければケンカの際の脳震盪と判断したかもしれない。
君の保護者さんも、あの子ほど君を細かく見ていたわけじゃなかったようだしね」
「…そう、なんですか」
「いい着眼点をしていると思ったよ。医者に向いてるかもしれないね」
「…」
あいつが、医者。
もしそうなったら、こっから先、ずっと一緒かもしれない、と思った。
それから、あいつが近くにいなかった時の、動きと色のない世界を想った。
*
「オイ、お前、医者になれ」
「え?…わたし小説家になりたいって、ずっと」
「医者をしながらでも小説は書ける」
「でも、わたしの成績じゃ、」
「大学入るまで4年あるじゃねえか」
「そんな簡単に…」