本編
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最近ローがちょっと変だ。
前までは許してくれていたようなことで、すぐ怒る。
小さなことで大爆笑したり、ちょっとしたことで傷ついて走り去ったりして、
もともとは感情をあまり出さない子のはずなのに、何だかずっとハイなのだ。
それから。
「オイ、トラファルガー、ちょっとツラ貸せや」
「ああ”?」
「オレの女がテメェに泣かされたって泣きついてきたんだけどよォ」
こういうことが起きるようになった。
ローは強い。
でも、勝ったとしても無傷で帰ってくることは珍しい。
だから、巻き込まれないくらいの距離を保ちながら、ローの喧嘩を見守るようになった。
あと、巻き込まれても大丈夫なように、ボクシングを始めた。
この前コラさんに「パンチの強さより逃げ足の速さが大切だ」と言われたので、
陸上部に途中入部しようか考えてる。
「ロー、」
鋭い目がこっちを見る。
「さすが瞬殺だね」
「…」
「かえろっか」
「…見てんじゃねえって言ってんだろ」
「…ごめん」
くるりと回れ右をしてローのサブバッグを拾う。
意外におとなしく隣に並んだローを見上げた。
*
ローたちのお家におじゃまして、救急箱を開ける。
ケガの手当ては私の仕事。
「しみたらゴメンね」
消毒液で右手側から一つずつ傷口を濡らしていく。
「オマエは」
「…ん?」
「なんでいつもいるんだよ」
「うーん」
「先帰れって言ってんだろ」
「…ローが心配だから」
瞬間、空気が張りつめる。あ、やっちゃった。
「心配だと?オレが負けるとでも思ってんのかよ。そもそもオマエがいなけりゃオレは好きに暴れられるのに、着いて来やがって足手まといなんだよ!!毎日毎日呼んでもねえのに人の家にズカズカ上がりこみやがって。オマエみたいのがいるとオレは」
「ロー、やめろ!」
コラさんの声にローが動きを止める。
でも次の瞬間、ローの右手は私の胸ぐらをつかんでいた。
「二度と、オレに近寄るんじゃねェ」
声が、地獄の底から響いてきたかと思った。
氷のような目。
ああそうか。
わたしはこの人に、たったいま完全に嫌われた。
前までは許してくれていたようなことで、すぐ怒る。
小さなことで大爆笑したり、ちょっとしたことで傷ついて走り去ったりして、
もともとは感情をあまり出さない子のはずなのに、何だかずっとハイなのだ。
それから。
「オイ、トラファルガー、ちょっとツラ貸せや」
「ああ”?」
「オレの女がテメェに泣かされたって泣きついてきたんだけどよォ」
こういうことが起きるようになった。
ローは強い。
でも、勝ったとしても無傷で帰ってくることは珍しい。
だから、巻き込まれないくらいの距離を保ちながら、ローの喧嘩を見守るようになった。
あと、巻き込まれても大丈夫なように、ボクシングを始めた。
この前コラさんに「パンチの強さより逃げ足の速さが大切だ」と言われたので、
陸上部に途中入部しようか考えてる。
「ロー、」
鋭い目がこっちを見る。
「さすが瞬殺だね」
「…」
「かえろっか」
「…見てんじゃねえって言ってんだろ」
「…ごめん」
くるりと回れ右をしてローのサブバッグを拾う。
意外におとなしく隣に並んだローを見上げた。
*
ローたちのお家におじゃまして、救急箱を開ける。
ケガの手当ては私の仕事。
「しみたらゴメンね」
消毒液で右手側から一つずつ傷口を濡らしていく。
「オマエは」
「…ん?」
「なんでいつもいるんだよ」
「うーん」
「先帰れって言ってんだろ」
「…ローが心配だから」
瞬間、空気が張りつめる。あ、やっちゃった。
「心配だと?オレが負けるとでも思ってんのかよ。そもそもオマエがいなけりゃオレは好きに暴れられるのに、着いて来やがって足手まといなんだよ!!毎日毎日呼んでもねえのに人の家にズカズカ上がりこみやがって。オマエみたいのがいるとオレは」
「ロー、やめろ!」
コラさんの声にローが動きを止める。
でも次の瞬間、ローの右手は私の胸ぐらをつかんでいた。
「二度と、オレに近寄るんじゃねェ」
声が、地獄の底から響いてきたかと思った。
氷のような目。
ああそうか。
わたしはこの人に、たったいま完全に嫌われた。