本編
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「…待って、彼女は?」
「彼女じゃねぇしすぐ切れる」
「それきっちりしてからの方がいいと思う」
「…なんなんだテメェは。なりてぇんじゃねぇのかよ」
「うん、なりたい。ちゃんとなりたい」
ニナの目がまっすぐにおれを見た。
「ちゃんとローが私を好きになってくれてから、恋人になりたい」
別人みてぇだな、と思った。
おれの顔色を窺いながら後ろを着いてきた中学の頃を思い出す。
たった3年見ねぇうちにイイ女になりやがって。
ゾクっと狩猟本能が疼いた。
怒りが情熱に切り替わる。
狩りの計画を立てるよりも先に、言葉が口をついて出る。
「…お前の言う”ちゃんと”がどんなもんかは知らねぇが、」
肩に手を回す。
耳に口を近づけて、触れるか触れないかのギリギリのところで囁いた。
「おれはずっと昔から、お前に囚われてる」
ビク、とニナの肩が揺れた。
「これを恋と言うなら、おれはお前以外に恋したことがねェ」
勝ち誇った気分で顔を離した。
真っ赤になっているだろうと思ったニナの顔は、意外にもそうではなかった。
ただ無心におれの言葉の真偽を確かめるような、屈託のない目。
急に顔面が熱を持つ。
今言ったことが本心だったことに、口に出してから気づいたからだ。
文字通り目と鼻の先にあるニナの顔を直視できねェ。
しばらく狼狽するおれを至近距離で見ていたニナが、口を開く気配がした。
「ねぇロー、」
声に透明感がある、と昔ペンギンが言っていたのを不意に思い出した。
「私も同じだよ」
耐えきれなくなってニナに縋りついた。
腕の中で押し潰すように抱きしめる。
こいつ、こんなに柔らかかったのか。
こんなに小さかったのか。
あの頃は気付いていなかった。
自分の都合だけをぶつけ続けたあの日々を今更償いたくなった。
いや、償うじゃねェ。
今からそうして行けばいい。
「…せいぜい大切にしてやるからありがたく思え」
「…うん」
「彼女じゃねぇしすぐ切れる」
「それきっちりしてからの方がいいと思う」
「…なんなんだテメェは。なりてぇんじゃねぇのかよ」
「うん、なりたい。ちゃんとなりたい」
ニナの目がまっすぐにおれを見た。
「ちゃんとローが私を好きになってくれてから、恋人になりたい」
別人みてぇだな、と思った。
おれの顔色を窺いながら後ろを着いてきた中学の頃を思い出す。
たった3年見ねぇうちにイイ女になりやがって。
ゾクっと狩猟本能が疼いた。
怒りが情熱に切り替わる。
狩りの計画を立てるよりも先に、言葉が口をついて出る。
「…お前の言う”ちゃんと”がどんなもんかは知らねぇが、」
肩に手を回す。
耳に口を近づけて、触れるか触れないかのギリギリのところで囁いた。
「おれはずっと昔から、お前に囚われてる」
ビク、とニナの肩が揺れた。
「これを恋と言うなら、おれはお前以外に恋したことがねェ」
勝ち誇った気分で顔を離した。
真っ赤になっているだろうと思ったニナの顔は、意外にもそうではなかった。
ただ無心におれの言葉の真偽を確かめるような、屈託のない目。
急に顔面が熱を持つ。
今言ったことが本心だったことに、口に出してから気づいたからだ。
文字通り目と鼻の先にあるニナの顔を直視できねェ。
しばらく狼狽するおれを至近距離で見ていたニナが、口を開く気配がした。
「ねぇロー、」
声に透明感がある、と昔ペンギンが言っていたのを不意に思い出した。
「私も同じだよ」
耐えきれなくなってニナに縋りついた。
腕の中で押し潰すように抱きしめる。
こいつ、こんなに柔らかかったのか。
こんなに小さかったのか。
あの頃は気付いていなかった。
自分の都合だけをぶつけ続けたあの日々を今更償いたくなった。
いや、償うじゃねェ。
今からそうして行けばいい。
「…せいぜい大切にしてやるからありがたく思え」
「…うん」