本編
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帰国してすぐに新しい勤務先に挨拶に行った。
「先生ほどの優秀な方が、うちの病院を選んでくださって嬉しいです」
「こちらこそ、日本に戻ってきてクローズドICUでお仕事できるのは光栄です」
部長と改めて握手を交わす。
「改めて来週からよろしくお願いします。」
「はい、一緒に働ける日を心待ちにしていますよ」
教えられた職員玄関に向かって進む。
新しい匂いのする病院だ。ただ、増築を繰り返したらしく中身は迷路のようだけど。
どうやらなにかを間違ったらしく、警備室があると思った所には男性のロッカー室。
中から人が出てくる気配がして慌てて回れ右をする。
誰だコイツ、とか思われては幸先が悪い。
ドアが開く音を背中で聞きながら、不自然にならないペースでその場から遠ざかる。
後ろから男性の足音が近づいてきた。
抜かしやすいように左の壁に寄った瞬間、右腕を掴まれて飛び上がる。
振り返ると、そこには。
「…ニナ」
*
嘘だろ。
目に映した瞬間に心拍数が一気に上昇した。
髪型が変わった。体つきが変わった。それ以外は何も変わっちゃいない。
何度、夢に見たか分からない。
大またで近づいて、腕をつかんだ。
見間違えるはずがないと思っていて、それでも違ったらどうしようと思っていた。
頭二つ分下にある顔がこちらを向く。
確かめるためだけに名前を呼んだ。
「…!」
落ちそうなほど目を見開いて俺を見つめる。
「ニナ」
もう一度、名前を呼んだ。確かめたかったのかもしれない。
「…、ロー?」
口の中で転がすように俺の名を呼ぶ、お前の声を。
「先生ほどの優秀な方が、うちの病院を選んでくださって嬉しいです」
「こちらこそ、日本に戻ってきてクローズドICUでお仕事できるのは光栄です」
部長と改めて握手を交わす。
「改めて来週からよろしくお願いします。」
「はい、一緒に働ける日を心待ちにしていますよ」
教えられた職員玄関に向かって進む。
新しい匂いのする病院だ。ただ、増築を繰り返したらしく中身は迷路のようだけど。
どうやらなにかを間違ったらしく、警備室があると思った所には男性のロッカー室。
中から人が出てくる気配がして慌てて回れ右をする。
誰だコイツ、とか思われては幸先が悪い。
ドアが開く音を背中で聞きながら、不自然にならないペースでその場から遠ざかる。
後ろから男性の足音が近づいてきた。
抜かしやすいように左の壁に寄った瞬間、右腕を掴まれて飛び上がる。
振り返ると、そこには。
「…ニナ」
*
嘘だろ。
目に映した瞬間に心拍数が一気に上昇した。
髪型が変わった。体つきが変わった。それ以外は何も変わっちゃいない。
何度、夢に見たか分からない。
大またで近づいて、腕をつかんだ。
見間違えるはずがないと思っていて、それでも違ったらどうしようと思っていた。
頭二つ分下にある顔がこちらを向く。
確かめるためだけに名前を呼んだ。
「…!」
落ちそうなほど目を見開いて俺を見つめる。
「ニナ」
もう一度、名前を呼んだ。確かめたかったのかもしれない。
「…、ロー?」
口の中で転がすように俺の名を呼ぶ、お前の声を。