本編
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彼氏ができた。
体力勝負の救急を選んだ人だけあって、最初の印象は「北斗の拳のラオウだ…」
後期研修の同期で、一緒に死線を超えた記憶がもとでこうなったのかもしれない。
珍しく一緒に出掛けたレストランで、トラブルが起きた。
デザートも食べ終わって、コーヒーに口を付けていると、
キッドが私の斜め後ろを見て驚いた顔をした後、何かを睨みつける顔になった。
視線の先を辿ると、人を殺せそうな顔から驚きの表情に変わる、幼なじみの顔が見えた。
「ニナ!?」
「ロー!?」
「あ?」
キッドが驚いて私を見る。
私はむしろローとキッドに面識があったことに驚いていた。
「ニナ、なんでお前」
「…え、二人知り合いなの?」
「学生の時にアイスホッケーの試合で」「こいつ他校のアイホの主将でよ」
同時に話し始めた二人を交互に見る。
二人は殺気を存分に放ちながら睨み合って、また私に視線を戻した。
「二人ともアイスホッケー部で、試合とかで面識があったのね?」
「あァ」「そうだ」
これはあれだな、通算成績でもめる流れだから勝敗に着いては言及しないでおこう。
「こいつボディーチェックが悪質でよ」
「ハッ、取られたことねぇよ。腑抜けにはそう見えるのかもしれねぇけどな」
「あ“?パワーで押すことしか能のない奴に腑抜け呼ばわりされる筋合いはねェ」
「なんだとコラ」
「はいそこまで!!ここ美味しくご飯食べるところだから!!」
「ってかニナ、なんでお前コイツと飯食ってんだよ」
「後期研修の「コイツがオレの女だからだ」
ああ、もう。
これ以上はお店に迷惑をかけると判断して、二人の腕をつかんで外へ引っ張り出す。
ウエイターさんに「少ししたら戻ります!」と声をかけた。
頭上から地を這う声がふたつ。
「「おいニナ、テメェどういうことだ」」
ローの方は「オレの女」について、
キッドの方は「研修同期」と言いかけたことについての叱責だろう。
通行人が怯えた顔でこちらを見る。
でも何年もこの強面の人たちに囲まれてきた私にとってはそれほど怖い事態ではない。
ローが私に詰め寄ろうとするところにキッドが割って入る。
そうか。そういう構図になるのか。
「ロー」
キッドの肩越しにローに声をかける。
灰色の瞳が、学生時代を過ごした雪国の凍てつく空を思い出させた。
「私いまこの人と付き合ってるの。後期研修の同期で」
「…あ“?テメェ、」
「ストップ」
ヒートアップしかけるローを手で制する。
「あとでしっかり聞く。30秒ちょうだい」
キッドの腕を引いて向かい合う。
「キッド、前に幼なじみの話したの憶えてる?」
「…あァ」
「その幼なじみが、ローなの」
「…なッ!?」
付き合う前に居酒屋で話したはずだ。
一緒に住んでたことも、その幼なじみに影響されて医者になったことも。
私の人生を変えた人、と、言ったような気がする。
「たかが数カ月付き合っただけのヤツとは重みが違うんだよ」
「…それはどうだろうな」
「どういう意味だ」
「昔がなんだ?今ニナが選んでるのはオレだ」
人を殺せそうな殺気を放ちながら言い合う二人を見ながら考える。
できればどちらも傷つけずに終えたいのだけど、無理だろうなあ。
「ロー、誰と一緒に来たの?」
「今それは関係ねぇだろ」
「ダメ。一言断ってから来て」
「…チッ」
体力勝負の救急を選んだ人だけあって、最初の印象は「北斗の拳のラオウだ…」
後期研修の同期で、一緒に死線を超えた記憶がもとでこうなったのかもしれない。
珍しく一緒に出掛けたレストランで、トラブルが起きた。
デザートも食べ終わって、コーヒーに口を付けていると、
キッドが私の斜め後ろを見て驚いた顔をした後、何かを睨みつける顔になった。
視線の先を辿ると、人を殺せそうな顔から驚きの表情に変わる、幼なじみの顔が見えた。
「ニナ!?」
「ロー!?」
「あ?」
キッドが驚いて私を見る。
私はむしろローとキッドに面識があったことに驚いていた。
「ニナ、なんでお前」
「…え、二人知り合いなの?」
「学生の時にアイスホッケーの試合で」「こいつ他校のアイホの主将でよ」
同時に話し始めた二人を交互に見る。
二人は殺気を存分に放ちながら睨み合って、また私に視線を戻した。
「二人ともアイスホッケー部で、試合とかで面識があったのね?」
「あァ」「そうだ」
これはあれだな、通算成績でもめる流れだから勝敗に着いては言及しないでおこう。
「こいつボディーチェックが悪質でよ」
「ハッ、取られたことねぇよ。腑抜けにはそう見えるのかもしれねぇけどな」
「あ“?パワーで押すことしか能のない奴に腑抜け呼ばわりされる筋合いはねェ」
「なんだとコラ」
「はいそこまで!!ここ美味しくご飯食べるところだから!!」
「ってかニナ、なんでお前コイツと飯食ってんだよ」
「後期研修の「コイツがオレの女だからだ」
ああ、もう。
これ以上はお店に迷惑をかけると判断して、二人の腕をつかんで外へ引っ張り出す。
ウエイターさんに「少ししたら戻ります!」と声をかけた。
頭上から地を這う声がふたつ。
「「おいニナ、テメェどういうことだ」」
ローの方は「オレの女」について、
キッドの方は「研修同期」と言いかけたことについての叱責だろう。
通行人が怯えた顔でこちらを見る。
でも何年もこの強面の人たちに囲まれてきた私にとってはそれほど怖い事態ではない。
ローが私に詰め寄ろうとするところにキッドが割って入る。
そうか。そういう構図になるのか。
「ロー」
キッドの肩越しにローに声をかける。
灰色の瞳が、学生時代を過ごした雪国の凍てつく空を思い出させた。
「私いまこの人と付き合ってるの。後期研修の同期で」
「…あ“?テメェ、」
「ストップ」
ヒートアップしかけるローを手で制する。
「あとでしっかり聞く。30秒ちょうだい」
キッドの腕を引いて向かい合う。
「キッド、前に幼なじみの話したの憶えてる?」
「…あァ」
「その幼なじみが、ローなの」
「…なッ!?」
付き合う前に居酒屋で話したはずだ。
一緒に住んでたことも、その幼なじみに影響されて医者になったことも。
私の人生を変えた人、と、言ったような気がする。
「たかが数カ月付き合っただけのヤツとは重みが違うんだよ」
「…それはどうだろうな」
「どういう意味だ」
「昔がなんだ?今ニナが選んでるのはオレだ」
人を殺せそうな殺気を放ちながら言い合う二人を見ながら考える。
できればどちらも傷つけずに終えたいのだけど、無理だろうなあ。
「ロー、誰と一緒に来たの?」
「今それは関係ねぇだろ」
「ダメ。一言断ってから来て」
「…チッ」