本編
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ローは何も言わずに隣に腰を下ろす。
暑いのは苦手なはずなのに、と関係ない考えが頭をよぎる。
ローは何も言わない。
私も何も言わなかった。
この一ヶ月、ローのことしか考えていなかった。
ただでさえ安定していない時期に、一人にしてきてしまった罪悪感。
でも、それより自分が可愛い私は、自分の心が壊れない方法を取った。
あのまま一緒にいたら、頑丈じゃない私の心は再起不能になっていただろう。
大きく息を吐きだす音が聞こえた。
「…お前は、どうしたい」
「…どうって?」
ローの灰色の瞳がこちらを向く。
感情が見えなかった。
どことなく“恐怖”を湛えているような気がした。
「俺の、恋人になりたいか」
恋。
それはあの日、コラさんの家で死んだはずの感情だ。
ローの“恐怖”が、少しわかった気がした。
恋人になったら、別れが選べるようになる。
幼なじみには疎遠はあっても、きっと別れはないだろう。
「…私は、ローの幼なじみだよ」
ローの体の中で、何かの感情が一気に渦巻くのが分かった。
手が伸びてくるのが分かって、とっさに身を引いた。
見上げると傷ついたような顔をしていた。
「幼なじみならしないはずのことも、あると思う」
私なりの、線引き。
「それなら、幼なじみとして、…」
「…?」
「幼なじみとして、お前を抱きしめてもいいか」
見たことがないくらい心細い表情のローに、思わずうなづいた。
緩やかな動きで、私の体は、ローの長い腕に収まった。
「…よく、ここがわかったね」
「お前宛のクレジット明細で、飛行機のチケットを取っていたことがわかった」
「…見たの」
「それを見て、クラスのヤツらとリゾートバイトの話をしていたのを思い出して、」
…何か月前の一コマよそれ。
「金額から沖縄に当たりを付けて、ペンギンたちにも探させた」
「…ええ」
「おととい、ゲストハウスの写真にお前が映ってるのが見つかった」
唐突に、ローの体が震えているのに気づく。
「…帰ってきてくれ、ニナ」
「…」
「お前がいないと、俺は…」
こんな状態の時に、一人にしてごめん。
そう思いながら、ローの体に手を回す。
「帰ろっか、ロー」
暑いのは苦手なはずなのに、と関係ない考えが頭をよぎる。
ローは何も言わない。
私も何も言わなかった。
この一ヶ月、ローのことしか考えていなかった。
ただでさえ安定していない時期に、一人にしてきてしまった罪悪感。
でも、それより自分が可愛い私は、自分の心が壊れない方法を取った。
あのまま一緒にいたら、頑丈じゃない私の心は再起不能になっていただろう。
大きく息を吐きだす音が聞こえた。
「…お前は、どうしたい」
「…どうって?」
ローの灰色の瞳がこちらを向く。
感情が見えなかった。
どことなく“恐怖”を湛えているような気がした。
「俺の、恋人になりたいか」
恋。
それはあの日、コラさんの家で死んだはずの感情だ。
ローの“恐怖”が、少しわかった気がした。
恋人になったら、別れが選べるようになる。
幼なじみには疎遠はあっても、きっと別れはないだろう。
「…私は、ローの幼なじみだよ」
ローの体の中で、何かの感情が一気に渦巻くのが分かった。
手が伸びてくるのが分かって、とっさに身を引いた。
見上げると傷ついたような顔をしていた。
「幼なじみならしないはずのことも、あると思う」
私なりの、線引き。
「それなら、幼なじみとして、…」
「…?」
「幼なじみとして、お前を抱きしめてもいいか」
見たことがないくらい心細い表情のローに、思わずうなづいた。
緩やかな動きで、私の体は、ローの長い腕に収まった。
「…よく、ここがわかったね」
「お前宛のクレジット明細で、飛行機のチケットを取っていたことがわかった」
「…見たの」
「それを見て、クラスのヤツらとリゾートバイトの話をしていたのを思い出して、」
…何か月前の一コマよそれ。
「金額から沖縄に当たりを付けて、ペンギンたちにも探させた」
「…ええ」
「おととい、ゲストハウスの写真にお前が映ってるのが見つかった」
唐突に、ローの体が震えているのに気づく。
「…帰ってきてくれ、ニナ」
「…」
「お前がいないと、俺は…」
こんな状態の時に、一人にしてごめん。
そう思いながら、ローの体に手を回す。
「帰ろっか、ロー」