本編
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「ロー!」
うっすらと目が開く。
さっきまでうわ言のように家族を呼んでいたのを、本人は覚えているんだろうか。
「だいじょうぶ?」
きっとまた、あの時の夢。
攻撃するようなスピードで手が伸びてきて、すくめた首が引き寄せられた。
厚い胸板に押し付けられて、顔を上げる。
不安定に揺れる瞳と目が合って、首筋を支えていた手が私をずり上げる。
子猫を掴むように軽々と引き上げられて、唇を奪われた。
どのくらいそうしていただろう。不意に唇から解放された。
服をすがるようにつかんでいる自分が恨めしくなる。
ぐるん、と世界が反転して、ローの肩越しに天井が見えた。
起こしに来て毎回こうなるのだから、私は望んで来ているようなものじゃないだろうか。
暗い感情が胃に溜まる。
だけど、どうしても、あの夢の中にこの人を一人置いておくことはできないのだった。
「っい…っ」
首筋を噛まれた。けっこう本気で痛い。
それだけの不安とか、孤独のようなものがあるんだ、と理解しようとする。
胸に顔をうずめて力を抜いたローが、小さな子供に見えた。
ぎゅう、と抱きしめて、髪の毛を撫でる。
いつも、このまま眠ってしまうのではないかと思うほど、全身を預けてくる。
体格差がある分、全体重を乗せられると苦しいけど、いつもできるだけ受け入れていた。
でもある瞬間、必ずローは動き出して、ガツガツと私を食べるように追い詰めてくる。
経験値が高いだけあって、私一人を骨抜きにすることくらい容易いようだ。
追い詰められて、何が何だか分からなくなって、
サイズのミスマッチに毎回新鮮に恐怖を感じて、今日が終わる。
この一部始終を終えた後のローは、夢は見ない。
*
体が跳ねる感覚で意識が浮上して、最初に目に映ったのは茶色の天井だった。
いつものようにベッドメイクと掃除を終えて、ゴロゴロしているうちに夢を見たみたいだ。
この辺のゲストハウスでは珍しく、鍵がかかる個室を与えられている。
もう勉強も飽きた。
たまには息抜きに、ビーチサンダルをつっかけて海岸を目指す。
今の時間、スタッフさんたちはサーフィンをしているけど、私は海を見ている方が好き。
後ろから、サク、と砂を踏む音が聞こえた。
ヘルパー仲間のユーリくんかな、と思って振り返ったら、そこにいたのは、
「…ロー」
置いてきたはずの幼なじみだった。
うっすらと目が開く。
さっきまでうわ言のように家族を呼んでいたのを、本人は覚えているんだろうか。
「だいじょうぶ?」
きっとまた、あの時の夢。
攻撃するようなスピードで手が伸びてきて、すくめた首が引き寄せられた。
厚い胸板に押し付けられて、顔を上げる。
不安定に揺れる瞳と目が合って、首筋を支えていた手が私をずり上げる。
子猫を掴むように軽々と引き上げられて、唇を奪われた。
どのくらいそうしていただろう。不意に唇から解放された。
服をすがるようにつかんでいる自分が恨めしくなる。
ぐるん、と世界が反転して、ローの肩越しに天井が見えた。
起こしに来て毎回こうなるのだから、私は望んで来ているようなものじゃないだろうか。
暗い感情が胃に溜まる。
だけど、どうしても、あの夢の中にこの人を一人置いておくことはできないのだった。
「っい…っ」
首筋を噛まれた。けっこう本気で痛い。
それだけの不安とか、孤独のようなものがあるんだ、と理解しようとする。
胸に顔をうずめて力を抜いたローが、小さな子供に見えた。
ぎゅう、と抱きしめて、髪の毛を撫でる。
いつも、このまま眠ってしまうのではないかと思うほど、全身を預けてくる。
体格差がある分、全体重を乗せられると苦しいけど、いつもできるだけ受け入れていた。
でもある瞬間、必ずローは動き出して、ガツガツと私を食べるように追い詰めてくる。
経験値が高いだけあって、私一人を骨抜きにすることくらい容易いようだ。
追い詰められて、何が何だか分からなくなって、
サイズのミスマッチに毎回新鮮に恐怖を感じて、今日が終わる。
この一部始終を終えた後のローは、夢は見ない。
*
体が跳ねる感覚で意識が浮上して、最初に目に映ったのは茶色の天井だった。
いつものようにベッドメイクと掃除を終えて、ゴロゴロしているうちに夢を見たみたいだ。
この辺のゲストハウスでは珍しく、鍵がかかる個室を与えられている。
もう勉強も飽きた。
たまには息抜きに、ビーチサンダルをつっかけて海岸を目指す。
今の時間、スタッフさんたちはサーフィンをしているけど、私は海を見ている方が好き。
後ろから、サク、と砂を踏む音が聞こえた。
ヘルパー仲間のユーリくんかな、と思って振り返ったら、そこにいたのは、
「…ロー」
置いてきたはずの幼なじみだった。