番外編
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<新しい歌を・番外編>
「あ、バターって室温に戻しとかなきゃいけないのね」
「大丈夫、サンジに頼んであるから」
「さすがリオね」
「お菓子は段取りだよ」
「60度のお湯ってどう作ったらいいかしら」
「うーん…沸騰したお湯と常温の水を同じ量ずつ混ぜたらどう?」
「いいわね」
「そうしましょうか」
医務室の扉の窓に影が差した。
そちらに目をやらずに口を開く。
「今度は誰かしらね」
「まさかのゾロだったりして」
「他の皆は一度は来たものね?」
「覗いたって変わらないっつーの」
「あ、ルフィだ」
「懲りないわねー、さっきあれだけ追い払ったのに」
「楽しみにしてるのよ、きっと」
2月14日。
この世界には本来このイベントはない。
いつだったかの食事の時に、私がぽろっと「その日バレンタインだね」と言ったことが発端で、ナミとロビンと私でこうやってキッチンに立っている。
「でもロビンがお菓子作りしたことないって意外だったなー」
「料理はあるのだけど…お菓子を作る機会もなければ相手も居なかったから」
「リオが得意ってのも意外だったわよ」
「えーひどーい」
「だってあんた見た目がそれだから、料理とかしたことなさそうだし?」
「毎月のように焼いてたわよ、お菓子は」
「料理は?」
「…ノーコメント」
「メレンゲはこのくらいの固さでいいかしら」
「大丈夫!ほんとロビンの腕、助かるわ」
「お安いご用よ」
三人で手分けすると工程は一瞬だった。
オーブンに入れてしまえば、あとは待つだけ。
「紅茶でも淹れましょうか?」
「ロビンの淹れた紅茶…飲む!!」
「あたしもー」
流し台に立った私にナミが眉をしかめた。
「洗い物は残しといてってサンジ君言ってたわよ」
「うーん…なんかそれ、私の美学に反すると言うか…」
スポンジで洗剤を泡立てながら言葉を選ぶ。
「お菓子の洗い物って時間が経つほど洗うの大変になるし…私の中では、ここまで含めてお菓子作りなのよね」
「ふーん…」
「あと、こうやって手を動かしながらお菓子の焼き上がりを待つのも好きだし」
「それはなんとなくわかる」
「紅茶、ここに置いておくわね」
「ありがとロビン」
「リオの分はお皿洗いが終わったら淹れるわね」
「わかった」
カウンターに腰掛けた二人が同時に紅茶を口にする。
かちゃり、ティーカップがソーサーに置かれる音。
「あいつらまだ見てる?」
「今は見えないわね」
「焼き上がりまで待てるかしら」
「待てないとヤケドすることになるけど」
「うふふ、それは可哀想だから」
ゴツ、ぎゃあ、と扉の外から音がした。
「もう少し3人の時間を楽しみましょうか」
ロビンの澄ました微笑みに私とナミは顔を見合わせて笑った。
「あ、バターって室温に戻しとかなきゃいけないのね」
「大丈夫、サンジに頼んであるから」
「さすがリオね」
「お菓子は段取りだよ」
「60度のお湯ってどう作ったらいいかしら」
「うーん…沸騰したお湯と常温の水を同じ量ずつ混ぜたらどう?」
「いいわね」
「そうしましょうか」
医務室の扉の窓に影が差した。
そちらに目をやらずに口を開く。
「今度は誰かしらね」
「まさかのゾロだったりして」
「他の皆は一度は来たものね?」
「覗いたって変わらないっつーの」
「あ、ルフィだ」
「懲りないわねー、さっきあれだけ追い払ったのに」
「楽しみにしてるのよ、きっと」
2月14日。
この世界には本来このイベントはない。
いつだったかの食事の時に、私がぽろっと「その日バレンタインだね」と言ったことが発端で、ナミとロビンと私でこうやってキッチンに立っている。
「でもロビンがお菓子作りしたことないって意外だったなー」
「料理はあるのだけど…お菓子を作る機会もなければ相手も居なかったから」
「リオが得意ってのも意外だったわよ」
「えーひどーい」
「だってあんた見た目がそれだから、料理とかしたことなさそうだし?」
「毎月のように焼いてたわよ、お菓子は」
「料理は?」
「…ノーコメント」
「メレンゲはこのくらいの固さでいいかしら」
「大丈夫!ほんとロビンの腕、助かるわ」
「お安いご用よ」
三人で手分けすると工程は一瞬だった。
オーブンに入れてしまえば、あとは待つだけ。
「紅茶でも淹れましょうか?」
「ロビンの淹れた紅茶…飲む!!」
「あたしもー」
流し台に立った私にナミが眉をしかめた。
「洗い物は残しといてってサンジ君言ってたわよ」
「うーん…なんかそれ、私の美学に反すると言うか…」
スポンジで洗剤を泡立てながら言葉を選ぶ。
「お菓子の洗い物って時間が経つほど洗うの大変になるし…私の中では、ここまで含めてお菓子作りなのよね」
「ふーん…」
「あと、こうやって手を動かしながらお菓子の焼き上がりを待つのも好きだし」
「それはなんとなくわかる」
「紅茶、ここに置いておくわね」
「ありがとロビン」
「リオの分はお皿洗いが終わったら淹れるわね」
「わかった」
カウンターに腰掛けた二人が同時に紅茶を口にする。
かちゃり、ティーカップがソーサーに置かれる音。
「あいつらまだ見てる?」
「今は見えないわね」
「焼き上がりまで待てるかしら」
「待てないとヤケドすることになるけど」
「うふふ、それは可哀想だから」
ゴツ、ぎゃあ、と扉の外から音がした。
「もう少し3人の時間を楽しみましょうか」
ロビンの澄ました微笑みに私とナミは顔を見合わせて笑った。