第七章
夢小説設定
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ロビンに紹介された本が難しくて、本人に解説を求めた。
私の理解度に合わせた説明に、地頭がいいってこういうことかと思い知る。
「ロビンは説明が上手ね。読むだけじゃ全然わからなかったわ」
「誰にとっても、見たことがないものを理解するのは難しいわ。近いものを知っていれば推察することはできるけれど…」
「ああ、確かに。私、この世界では見た目以上に経験値が低いから」
不意にロビンの視線が足元に向き、頬にまつ毛の影が落ちた。
なんだろう、今日のロビンはいつもと違う。
まるで感傷的になっているみたいだ。
「…でも、あなたは私の知らないことを知っているわ」
「え?」
「一人の人を愛するということ」
「…」
「私は誰かを愛したことが無いから」
「…ロビン」
こちらを見ていた瞳が水面に向けられる。
「ねえ、リオの考えを聞かせて」
「…うん」
「恋と愛はどう違うのかしら」
これはまた難解な質問。
沈黙が支配する。
黙っていれば撤回してくれるかと思ったけど、紅茶をすすりながらロビンはいつまでも私の答えを待つつもりみたいだった。
しばらく考えて、ゆっくり口を開いた。
「…恋は…、そうね、怒りに似てる」
「怒り?」
「急に湧いて、飲み込まれたら制御するのが難しいところとか。愛は、むしろ暮らしに似てる。積み重ねを怠けるといつの間にか修復不可能になるから」
「LOVEとLIVEかしら」
「ほんとだ…!そうね。愛してる、って、あまり言ったことはないかな。あなたとの日々が長く続くように努力しますって宣誓するようなことだから。それは、言うよりも先に積み重ねるべきことだと思ってたし」
「…積み重ねること、ね。それって」
ロビンの声が急に柔らかくなった。
「あなたがこの船にいるために能力を磨くことと、同じかしら?」
絶句した。
じゃあ私は、
「私がこの船のみんなを愛してることに…なる?」
「ええ、なるわね」
「…それなら」
ロビンはうそつきだ。
「ロビンだって、同じでしょ?」
いつも穏やかな目が、丸く見開かれた。
おぼつかない揺れ方で伏せられたあと、視線は静かに手元に止まった。
「…そうかしらね」
「そうだと思うよ」
ふふ、とささやかに笑い合う。
私達は、暮らしていく。
この日々がいつまでも続くように祈りながら。
私の理解度に合わせた説明に、地頭がいいってこういうことかと思い知る。
「ロビンは説明が上手ね。読むだけじゃ全然わからなかったわ」
「誰にとっても、見たことがないものを理解するのは難しいわ。近いものを知っていれば推察することはできるけれど…」
「ああ、確かに。私、この世界では見た目以上に経験値が低いから」
不意にロビンの視線が足元に向き、頬にまつ毛の影が落ちた。
なんだろう、今日のロビンはいつもと違う。
まるで感傷的になっているみたいだ。
「…でも、あなたは私の知らないことを知っているわ」
「え?」
「一人の人を愛するということ」
「…」
「私は誰かを愛したことが無いから」
「…ロビン」
こちらを見ていた瞳が水面に向けられる。
「ねえ、リオの考えを聞かせて」
「…うん」
「恋と愛はどう違うのかしら」
これはまた難解な質問。
沈黙が支配する。
黙っていれば撤回してくれるかと思ったけど、紅茶をすすりながらロビンはいつまでも私の答えを待つつもりみたいだった。
しばらく考えて、ゆっくり口を開いた。
「…恋は…、そうね、怒りに似てる」
「怒り?」
「急に湧いて、飲み込まれたら制御するのが難しいところとか。愛は、むしろ暮らしに似てる。積み重ねを怠けるといつの間にか修復不可能になるから」
「LOVEとLIVEかしら」
「ほんとだ…!そうね。愛してる、って、あまり言ったことはないかな。あなたとの日々が長く続くように努力しますって宣誓するようなことだから。それは、言うよりも先に積み重ねるべきことだと思ってたし」
「…積み重ねること、ね。それって」
ロビンの声が急に柔らかくなった。
「あなたがこの船にいるために能力を磨くことと、同じかしら?」
絶句した。
じゃあ私は、
「私がこの船のみんなを愛してることに…なる?」
「ええ、なるわね」
「…それなら」
ロビンはうそつきだ。
「ロビンだって、同じでしょ?」
いつも穏やかな目が、丸く見開かれた。
おぼつかない揺れ方で伏せられたあと、視線は静かに手元に止まった。
「…そうかしらね」
「そうだと思うよ」
ふふ、とささやかに笑い合う。
私達は、暮らしていく。
この日々がいつまでも続くように祈りながら。
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