番外編
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フラロビハウスの前庭で花の手入れをしていると。
「リオ姉」
女性の、それにしては勇ましい声が後ろから掛けられた。
「来てたんだね、フローラ」
「あァ、さっき着いたばっかよ」
「長旅ご苦労さま」
「いーや?こちらこそ、いつもありがとな」
「ふふ、もう当たり前になっちゃったわ」
「オヤジまだあんな感じかよ」
「そうね。今家で昼寝してる」
「…まァ、仕方ないっちゃ仕方ないか」
「そりゃあ、」
少し言葉を切った。自分が何を言おうとしたかを見失ったからだ。
「長年連れ添った奥さんを無くしたんだから」
「…にしてはこんなに早く後妻に恵まれてよー」
「後妻って」
「兄さんも言ってたぜ、あの鉄塊のどこにそんな魅力があるんだって」
「言うようになったね、サムソンも」
一般に他人の子供は成長が早いと言う。
ただ、私にとってこの二人はそれには該当しなかった。
*
サムソンが生まれた時、ロビンは36歳で、フランキーもロビンもまだ船の上だった。出産後、思ったより回復が遅かったロビンに変わり、初めはフランキーが子供の世話をしようと躍起になっていた、のだが。
「…おれが抱き上げてもよォ…ロビンが抱き上げてもよォ…全然泣き止まねんだよ…」
生まれた小さな赤ん坊は、それはよく泣く子だった。広い船とは言え、子供の夜泣きは一味の睡眠時間を如実に奪う。睡眠不足はそのまま戦闘力低下に繋がった。つまりみんなグロッキーだったのだ。
その筆頭であるフランキーは、トラ男くんのような隈を拵えて溜息をついた。
「ガキってのはこんなに泣くもんなのか」
「うーんそうだな、まだ眠るのが上手じゃないとは思うけど」
「…貸して」
チョッパーのフォローを遮って赤ん坊を抱き上げる。右手に固定して自分ごと2・3度軽く揺する。ものの1分もしないうちに赤ん坊は静かになった。
「…ウソだろ」
以前は友人の子供の世話を頻繁にしていた。友人曰く、ママはミルクの匂いがするから子供が興奮して泣いてしまうのだという。パパは平気なことが多いと言うが、…まあ抱かれ心地が関係するのだろう。
「抱っこ係の拝命かな」
毎晩、火が付いたように泣き始めるサムソンを抱えて展望室に登った。
当時私の身体は20歳になっていて、夜更かしに強くなっていたのもあり、寝ずの番を途中交代して一晩中彼をあやし、皆が起きてくるころに寝る毎日だった。
完全な昼夜逆転生活だったが、最も体力がある時期だったからか、苦ではなかった。
「リオ姉」
女性の、それにしては勇ましい声が後ろから掛けられた。
「来てたんだね、フローラ」
「あァ、さっき着いたばっかよ」
「長旅ご苦労さま」
「いーや?こちらこそ、いつもありがとな」
「ふふ、もう当たり前になっちゃったわ」
「オヤジまだあんな感じかよ」
「そうね。今家で昼寝してる」
「…まァ、仕方ないっちゃ仕方ないか」
「そりゃあ、」
少し言葉を切った。自分が何を言おうとしたかを見失ったからだ。
「長年連れ添った奥さんを無くしたんだから」
「…にしてはこんなに早く後妻に恵まれてよー」
「後妻って」
「兄さんも言ってたぜ、あの鉄塊のどこにそんな魅力があるんだって」
「言うようになったね、サムソンも」
一般に他人の子供は成長が早いと言う。
ただ、私にとってこの二人はそれには該当しなかった。
*
サムソンが生まれた時、ロビンは36歳で、フランキーもロビンもまだ船の上だった。出産後、思ったより回復が遅かったロビンに変わり、初めはフランキーが子供の世話をしようと躍起になっていた、のだが。
「…おれが抱き上げてもよォ…ロビンが抱き上げてもよォ…全然泣き止まねんだよ…」
生まれた小さな赤ん坊は、それはよく泣く子だった。広い船とは言え、子供の夜泣きは一味の睡眠時間を如実に奪う。睡眠不足はそのまま戦闘力低下に繋がった。つまりみんなグロッキーだったのだ。
その筆頭であるフランキーは、トラ男くんのような隈を拵えて溜息をついた。
「ガキってのはこんなに泣くもんなのか」
「うーんそうだな、まだ眠るのが上手じゃないとは思うけど」
「…貸して」
チョッパーのフォローを遮って赤ん坊を抱き上げる。右手に固定して自分ごと2・3度軽く揺する。ものの1分もしないうちに赤ん坊は静かになった。
「…ウソだろ」
以前は友人の子供の世話を頻繁にしていた。友人曰く、ママはミルクの匂いがするから子供が興奮して泣いてしまうのだという。パパは平気なことが多いと言うが、…まあ抱かれ心地が関係するのだろう。
「抱っこ係の拝命かな」
毎晩、火が付いたように泣き始めるサムソンを抱えて展望室に登った。
当時私の身体は20歳になっていて、夜更かしに強くなっていたのもあり、寝ずの番を途中交代して一晩中彼をあやし、皆が起きてくるころに寝る毎日だった。
完全な昼夜逆転生活だったが、最も体力がある時期だったからか、苦ではなかった。