番外編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
陽気に始まった宴は夜まで続いた。
フランキーとロビンが早めにベッドに引き上げてからも、静かに。
いつの間にかルフィとチョッパーは眠りに就き、ゾロは窓際で月見酒、サンジは皿洗いを始め、私はナミとウソップと話していた。
「なあ、リオは最近何してんだよ?」
「うーん、皆の所回ったり、歌うたってお金貰ったり、かな」
「あんた新聞で見たわよー?チケット即日完売なんですって?」
「そうみたいね。おかげでけっこうのんびり暮らせてるよ」
「月に何回くらいやってんだ?」
「うーんと…3カ月に1ステージすれば、まあ食べてはいけるかな」
「それって、月1回にすれば3倍稼げるってことじゃない!?」
「それだとみんなの所へ回るのが難しくなるから…」
唐突に奥の扉が開く。寝室へ続く廊下の入口だ。
「おいリオ」
「あれ?フランキー?」
「ちょっといいか」
「…うん」
手招きされるままに月明かりの廊下に足を踏み入れる。
「ロビンの様子がおかしい」
「え…」
「チョッパーを呼ぼうとしたら、お前がいいってよ」
扉を開ける。
ロビンは昼と変わって、浅く早い呼吸を繰り返しながら横たわっていた。
「…リオ…」
「ロビン?どうしたの?」
「もう、そろそろ、みたい…」
息を呑む。
何が、と聞く代わりに、ベッドの横に膝をつき彼女の手を握った。
彼女が新しい命を産み出した時と、それはよく似ていた。
「昼間、言った、こと…」
「うん」
「…お願いね…」
「わかった」
「サムソンと…フローラも…」
「うん」
「気に、かけて…くれると、嬉しいわ…」
「もちろん」
お互いの瞳に涙がにじむ。
フランキーが、子供たちに連絡を取ってくると部屋を飛び出していった。
「…あのひと…ああだから…」
「うん」
「でも…リオが…いると、思うと…安心だわ」
零れ落ちそうになっていた涙を拭って言葉を続けた。
「ロビン、私ね、12歳からこの世界を生き始めて、良かったと思う」
「…?」
「そうやって、みんなに安心してもらえるなら」
「…ありがとう…」
「うん」
「あなたに…出逢えて、良かった…」
「私も、ロビンに出逢えて、良かった」
ドカドカとみんなの足音が部屋に向かってくる。
皆がいる今日で良かったという考えと、私達が揃ったことでそれを呼び寄せてしまったのか、という考えが、同時に頭に去来した。
けれど、頭を振ってその二つを打ち消す。
今に集中しないと。二度と戻って来ないのだから。
ロビンはこの後、全員に感謝を伝え、意識がないながらも二人の子供の到着を待って、花びらが水面に触れるようにそっと命を終えた。
フランキーとロビンが早めにベッドに引き上げてからも、静かに。
いつの間にかルフィとチョッパーは眠りに就き、ゾロは窓際で月見酒、サンジは皿洗いを始め、私はナミとウソップと話していた。
「なあ、リオは最近何してんだよ?」
「うーん、皆の所回ったり、歌うたってお金貰ったり、かな」
「あんた新聞で見たわよー?チケット即日完売なんですって?」
「そうみたいね。おかげでけっこうのんびり暮らせてるよ」
「月に何回くらいやってんだ?」
「うーんと…3カ月に1ステージすれば、まあ食べてはいけるかな」
「それって、月1回にすれば3倍稼げるってことじゃない!?」
「それだとみんなの所へ回るのが難しくなるから…」
唐突に奥の扉が開く。寝室へ続く廊下の入口だ。
「おいリオ」
「あれ?フランキー?」
「ちょっといいか」
「…うん」
手招きされるままに月明かりの廊下に足を踏み入れる。
「ロビンの様子がおかしい」
「え…」
「チョッパーを呼ぼうとしたら、お前がいいってよ」
扉を開ける。
ロビンは昼と変わって、浅く早い呼吸を繰り返しながら横たわっていた。
「…リオ…」
「ロビン?どうしたの?」
「もう、そろそろ、みたい…」
息を呑む。
何が、と聞く代わりに、ベッドの横に膝をつき彼女の手を握った。
彼女が新しい命を産み出した時と、それはよく似ていた。
「昼間、言った、こと…」
「うん」
「…お願いね…」
「わかった」
「サムソンと…フローラも…」
「うん」
「気に、かけて…くれると、嬉しいわ…」
「もちろん」
お互いの瞳に涙がにじむ。
フランキーが、子供たちに連絡を取ってくると部屋を飛び出していった。
「…あのひと…ああだから…」
「うん」
「でも…リオが…いると、思うと…安心だわ」
零れ落ちそうになっていた涙を拭って言葉を続けた。
「ロビン、私ね、12歳からこの世界を生き始めて、良かったと思う」
「…?」
「そうやって、みんなに安心してもらえるなら」
「…ありがとう…」
「うん」
「あなたに…出逢えて、良かった…」
「私も、ロビンに出逢えて、良かった」
ドカドカとみんなの足音が部屋に向かってくる。
皆がいる今日で良かったという考えと、私達が揃ったことでそれを呼び寄せてしまったのか、という考えが、同時に頭に去来した。
けれど、頭を振ってその二つを打ち消す。
今に集中しないと。二度と戻って来ないのだから。
ロビンはこの後、全員に感謝を伝え、意識がないながらも二人の子供の到着を待って、花びらが水面に触れるようにそっと命を終えた。