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番外編

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「…先月、フランキーがW7へ行っていたわ」
「アイスバーグさんを偲ぶ会でしょ。話には聞いた」
「あなたにも会ったと言っていたけれど」
「ちょうど航路が重なったからね」

アイスバーグさんの7回忌には、今なお市民から愛される彼を示すかのように、会場に入りきらないほどの弔問客が駆けつけたというから驚きだ。
帰り道で会ったフランキーは、少し小さくなったように思えた。

一味の中でもブルックとジンベエが一足先にこの世を去った。
それ以外の皆は、冒険を続ける者、家庭を持つ者、自分の道を極める者、後進を育成する者と様々だ。
それでも毎年、麦わら一味解散の日に全員が集まり、先立った2人を弔うこと、サンジの料理で宴会をすることは、欠かすことなく行われる年中行事だった。
来月に迫ったその行事をロビンも考えていたのだろう。
目が伏せられた。


「…今年は私、行けそうにないから」

薄々勘付いていたものの、本人から言われると、胸に迫るものがある。

「みんなに、よろしくね」
「…それなんだけどね、ロビン」
「それからもう一つ、お願いがあるの」
「…なあに?」

珍しく私の言葉を遮って続けたロビンの言葉に息を呑んで、先を促した。

「フランキーのこと、よろしくね」

私に向ける、力強い瞳から目が逸らせなかった。
じわり、と涙がこみ上げる。
頷きたくない。だってそれは、ロビンがいなくなることを受け入れることだから。
でも。

「…わかった。任せて」

私はいつだって、ロビンの“お願い”を断れないのだ。
それはどんな時も、誰かの幸せを願うものだから。

「でもね、一つ目は、自分で伝えて?」
「…え?」

遠くからたくさんの足音が近づいてくる。

「あんた!ロビンの前では暴れるんじゃないわよ!」
「いやあ最近よー、暴れようと思ってもギア3までしか入らなくなっちまってよー」
「ってかまだあんな技使ってんのかよ!どんな体してんだお前!」

ロビンの目にもうっすら涙が浮かんだ。

「おーうロビン!久しぶりだな!」
「喜べ!このキャプテーンウソップ様が来たぞ!」
「お邪魔するわよ、ロビン」
「ロビンちゃーん!!今日も何てお美しいんだー!!」
「アホか」
「おいてめェ、毎度言うが人の嫁を口説いてんじゃねェよ」
「ロビン、具合どうだ?あとで診察させてくれよな」

「みんな…」

ふふっと顔を見合わせて笑う。

「先月フランキーと会った時に、ロビンが今年は行かないつもりだって聞いたから」
「それならおれ達から押しかけちまおう!ってことになったんだよ」
「ニシシ、水くせえぞロビン!」
「そうだぞ!」
「ブルックのMV掛けましょう、持ってきたの」
「ナミさんなんて気が利くんだ!」

年々「いつも」に対しての安心が強くなっていると、不平等に歳を重ねた仲間たちを見て思う。
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