第五章
夢小説設定
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1人でこの大きさの船を扱うのはとても難しい。
持ち主の海賊団は30人ほどの規模だったようだ。
凪の時も、強風の時も進めなくなるので、普通の航海より時間がかかっている気がする。
シャボンディ諸島での待ち合わせは3日後だった。
でも、みんながそこから3日3晩飛ばされているはずだから、
約束通りに集合できる人はおそらくいない。
ひとまず、私がやるべきことは、
「…できるだけ早く、シャボンディ諸島にたどり着くこと…」
ともすると折れそうになる気合を入れなおして、また進行方向を確認する。
「進行方向、異常なし!」
甲板に腰を下ろしてまた航海日誌に目を落とした。
<次々と船員が命を落としていく。何もできない自分が悔しい>
<おれの身体にも斑点が出た。自分だけは最後の砦と思っていたのに>
<アンドリューが死んだ。おれは一人になった。動けるうちにアンドリューを葬ろう>
大変だったんだねえ、船長さん。それにしても…
「…おなかすいた…」
ポシェットに入れていたビスケットは6日かけて全て食べてしまった。
船内の食べものは感染源の可能性があるから食べられない。
<カエサルの持ち物を整理したら、生前は絶対に見せてくれなかった宝箱が出てきた。
そういえば彼は死の間際、これを誰かに託そうとしていたようだった。
中を見ると悪魔の実だった。もっと早く見ればよかったと後悔した。
おれはすでに能力者だから、この実を食べることはできない。
誰かが生きている時に食べさせていたら、何か事態が好転していたかもしれない>
「…悪魔の実…!?」
船長室に戻って部屋を見回した。
両手に乗るくらいの宝箱が本棚の一角にあるのが目に留まる。
急に心臓が高鳴った。
ゆっくり棚に近づいて、宝箱を机に置いた。
蓋を開ける。
「…ビンゴ…!」
皮全体に渦巻き模様がある、黄色いマンゴーのような果物が入っていた。
「…たしかおいしくないんだったよね…」
でも、これを食べたら戦う力が手に入る。
先の見えない航海。
海賊船に乗っているのにただ守られるだけの自分。
なにより、力があれば避けられたかもしれない別れ。
食べないって選択肢は、無い。
持ち主の海賊団は30人ほどの規模だったようだ。
凪の時も、強風の時も進めなくなるので、普通の航海より時間がかかっている気がする。
シャボンディ諸島での待ち合わせは3日後だった。
でも、みんながそこから3日3晩飛ばされているはずだから、
約束通りに集合できる人はおそらくいない。
ひとまず、私がやるべきことは、
「…できるだけ早く、シャボンディ諸島にたどり着くこと…」
ともすると折れそうになる気合を入れなおして、また進行方向を確認する。
「進行方向、異常なし!」
甲板に腰を下ろしてまた航海日誌に目を落とした。
<次々と船員が命を落としていく。何もできない自分が悔しい>
<おれの身体にも斑点が出た。自分だけは最後の砦と思っていたのに>
<アンドリューが死んだ。おれは一人になった。動けるうちにアンドリューを葬ろう>
大変だったんだねえ、船長さん。それにしても…
「…おなかすいた…」
ポシェットに入れていたビスケットは6日かけて全て食べてしまった。
船内の食べものは感染源の可能性があるから食べられない。
<カエサルの持ち物を整理したら、生前は絶対に見せてくれなかった宝箱が出てきた。
そういえば彼は死の間際、これを誰かに託そうとしていたようだった。
中を見ると悪魔の実だった。もっと早く見ればよかったと後悔した。
おれはすでに能力者だから、この実を食べることはできない。
誰かが生きている時に食べさせていたら、何か事態が好転していたかもしれない>
「…悪魔の実…!?」
船長室に戻って部屋を見回した。
両手に乗るくらいの宝箱が本棚の一角にあるのが目に留まる。
急に心臓が高鳴った。
ゆっくり棚に近づいて、宝箱を机に置いた。
蓋を開ける。
「…ビンゴ…!」
皮全体に渦巻き模様がある、黄色いマンゴーのような果物が入っていた。
「…たしかおいしくないんだったよね…」
でも、これを食べたら戦う力が手に入る。
先の見えない航海。
海賊船に乗っているのにただ守られるだけの自分。
なにより、力があれば避けられたかもしれない別れ。
食べないって選択肢は、無い。