第五章
夢小説設定
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海風にさらされて夢から覚めた。
体を起こす。
見渡す限り地面しかない。
「…みんな…?」
三日三晩、空を飛んだ。
ここはきっと、シャボンディ諸島からかなり遠い場所なんだろう。
海岸沿いに歩いて行くと、遠くに船、その近くに横たわる人影。
「あ、ブルック!!!」
全速力で駆け寄った。
あ、れ…髪が茶色い…?
なんだ、ただの白骨化死体か。
「ッキャアアアアアアァ!!」
よく見るとその傍にはたくさんの土盛りと十字架。
「え、これって…」
海岸に佇む船に目を上げる。
海賊船だ…。
下げられたままの縄ばしごを登る。
船内は思ったより荒れていなかった。
船長室と書かれた部屋のドアを開ける。
机には航海日誌とログポースが置いたままになっていた。
少し祈りをささげたあと、日誌を開く。
そこには、感染症に襲われ死にゆく海賊団の最後の戦いが綴られていた。
<発症した者は体中に黒い斑点ができ、全身がまるでヒョウ柄になったようだ。
斑点の箇所には激痛が走るようで、咳と高熱が出て苦しんでいる>
<隔離しようにも感染人数が船員の8割を超えた。
いっそ感染していない者を隔離したほうが早いのではないかと思う>
<今症状のない者もすでに感染済みの可能性が高いとのこと。
その判断をした船医もついに発症した。同時に初の死者が出た>
<ようやく島に着いた。だがこの島には何もない。木も草も生えていない。
人もいないのでどのくらいでログが溜まるか分からない。すぐに溜まって欲しい。
戦闘員のルドルフをはじめ以下の9人を土葬。
…
この島には花が咲いておらず供えられる物がなにもない>
淡々と綴られる絶望の日々に、読み進めるのが辛くなる。
大幅に日誌を飛ばし、最後のページに目を通した。
日付は今日から約一ヶ月前だった。
<この航海日誌を見つけた人へ。
もし可能なら、北の海の○○という島に住むメイという女性にこの手紙を届けて欲しい。
必ず帰るという約束を果たせなかった。
おれ自身は好きなように海に出て冒険をしたが、待たせている彼女には謝罪しかない>
<こんなタイミングでログが溜まったようだ。何もかもが遅すぎる>
<目がかすんできた。ついにその時が来たようだ。最後はせめて船員の横で眠りたい。
この終わり方は不本意だが、なかなか楽しい人生だった>
航海日誌を閉じて船を降りた。
先ほどの白骨化死体の横に、置いてあったスコップで穴を掘った。
手袋をはめて、遺骨をひとつひとつ穴の中に安置する。
上から土をかけて手を合わせた。
最後までお疲れさまでした。どうぞ安らかに眠ってください。
申し訳ありませんが、船とログポースを使わせていただきます。
お手紙はできるだけ確実に届くようにしますので、少し待っていてください。
そう心の中で祈って目を開ける。
何日くらいの航海になるのか、全く想像がつかないから、
準備ができ次第、早いうちにここを出よう。
出発は明朝。
体を起こす。
見渡す限り地面しかない。
「…みんな…?」
三日三晩、空を飛んだ。
ここはきっと、シャボンディ諸島からかなり遠い場所なんだろう。
海岸沿いに歩いて行くと、遠くに船、その近くに横たわる人影。
「あ、ブルック!!!」
全速力で駆け寄った。
あ、れ…髪が茶色い…?
なんだ、ただの白骨化死体か。
「ッキャアアアアアアァ!!」
よく見るとその傍にはたくさんの土盛りと十字架。
「え、これって…」
海岸に佇む船に目を上げる。
海賊船だ…。
下げられたままの縄ばしごを登る。
船内は思ったより荒れていなかった。
船長室と書かれた部屋のドアを開ける。
机には航海日誌とログポースが置いたままになっていた。
少し祈りをささげたあと、日誌を開く。
そこには、感染症に襲われ死にゆく海賊団の最後の戦いが綴られていた。
<発症した者は体中に黒い斑点ができ、全身がまるでヒョウ柄になったようだ。
斑点の箇所には激痛が走るようで、咳と高熱が出て苦しんでいる>
<隔離しようにも感染人数が船員の8割を超えた。
いっそ感染していない者を隔離したほうが早いのではないかと思う>
<今症状のない者もすでに感染済みの可能性が高いとのこと。
その判断をした船医もついに発症した。同時に初の死者が出た>
<ようやく島に着いた。だがこの島には何もない。木も草も生えていない。
人もいないのでどのくらいでログが溜まるか分からない。すぐに溜まって欲しい。
戦闘員のルドルフをはじめ以下の9人を土葬。
…
この島には花が咲いておらず供えられる物がなにもない>
淡々と綴られる絶望の日々に、読み進めるのが辛くなる。
大幅に日誌を飛ばし、最後のページに目を通した。
日付は今日から約一ヶ月前だった。
<この航海日誌を見つけた人へ。
もし可能なら、北の海の○○という島に住むメイという女性にこの手紙を届けて欲しい。
必ず帰るという約束を果たせなかった。
おれ自身は好きなように海に出て冒険をしたが、待たせている彼女には謝罪しかない>
<こんなタイミングでログが溜まったようだ。何もかもが遅すぎる>
<目がかすんできた。ついにその時が来たようだ。最後はせめて船員の横で眠りたい。
この終わり方は不本意だが、なかなか楽しい人生だった>
航海日誌を閉じて船を降りた。
先ほどの白骨化死体の横に、置いてあったスコップで穴を掘った。
手袋をはめて、遺骨をひとつひとつ穴の中に安置する。
上から土をかけて手を合わせた。
最後までお疲れさまでした。どうぞ安らかに眠ってください。
申し訳ありませんが、船とログポースを使わせていただきます。
お手紙はできるだけ確実に届くようにしますので、少し待っていてください。
そう心の中で祈って目を開ける。
何日くらいの航海になるのか、全く想像がつかないから、
準備ができ次第、早いうちにここを出よう。
出発は明朝。
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