第三章
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
リオが駆け寄ってくる。
駆け寄って来た勢いそのままに首筋に手刀を落とした。
小せえ体が地面に崩れ落ちる。
「なにをやっている」
「…約束は、おれ一人でしたはずだ。こいつは関係ねえ」
「…死ぬ覚悟があるのか、はたまた生き延びる自信があるのか…」
「さァな」
*
声が、聞こえる。
私の知っているゾロは、苦しんでいるところや辛いところを、あまり人に見せない。
ましてや、信頼が十分でない人にはきっと。
私が隣に行くことを嫌ったから、私を気絶させたんだと思う。
「…ゾロ…」
遠くから聞こえる絶叫が胸を塞ぐ。
喉の奥に胃酸がせり上がって吐いた。
ケホ、と咳き込む。
「…死なないで…!」
*
マリモが血まみれで立っていた場所から少し離れたところに、リオちゃんが倒れていた。
青白い顔に涙の跡。
外傷もないのに衰弱していると、チョッパーが首をかしげていた。
そして、目を覚ましてからずっと、思いつめた顔でゾロの隣を離れなかった。
「あいつ、まともに戦闘に参加したの今回が初めてだもんな」
ウソップがリオちゃんを見ながら言う。
「まあ、確かに今回の戦いは激しかったし…塞ぎ込んでも当然か」
自分を納得させるようにそう言うと、ウソップは宴に紛れて行った。
「なあ、リオちゃん」
「…なに?」
「…あ、いや…」
リオちゃんは、マリモが苦痛を受けている間、ずっと起きていたんじゃないだろうか。
確信めいた思い付きが頭をよぎる。
「なんか取ってこようか?」
「大丈夫。たくさん食べたから」
控えめに笑うリオちゃんの心に溜まっているものを肩代わりすることはできない。
代わりに、小さい頭に手を置いた。
「マリモ、早く目を覚ますといいな」
「…うん」
*
左手に何かが乗っていた。
視線だけを動かすと黒い頭が目に入った。
…リオか。
肩がぴくっと跳ねて頭が上がる。
「ゾロ…?」
リオが跳ね起きておれの顔を覗き込んだ。
目にみるみる涙が溜まる。
「っ、チョッパー呼んでくる、」
そう言って踵を返したリオの腕を掴もうと手を動かした。
―ゴキッ
「い゛っ、」
「え、ゾロ!?」
関節から嫌な音がする。
「大丈夫?痛い!?」
駆け寄ってくるリオを、動きにくい腕で引き寄せた。
肩に重みが加わり軋むような痛みを感じる。
ああ、生きてんのか、おれ。
「…ゾロ?」
「…黙ってろ」
肩の上でリオが身じろぎをした。
あったけえな、こいつ。
リオの手が包帯を掴んだ。
「生きてて良かった、ゾロ」
駆け寄って来た勢いそのままに首筋に手刀を落とした。
小せえ体が地面に崩れ落ちる。
「なにをやっている」
「…約束は、おれ一人でしたはずだ。こいつは関係ねえ」
「…死ぬ覚悟があるのか、はたまた生き延びる自信があるのか…」
「さァな」
*
声が、聞こえる。
私の知っているゾロは、苦しんでいるところや辛いところを、あまり人に見せない。
ましてや、信頼が十分でない人にはきっと。
私が隣に行くことを嫌ったから、私を気絶させたんだと思う。
「…ゾロ…」
遠くから聞こえる絶叫が胸を塞ぐ。
喉の奥に胃酸がせり上がって吐いた。
ケホ、と咳き込む。
「…死なないで…!」
*
マリモが血まみれで立っていた場所から少し離れたところに、リオちゃんが倒れていた。
青白い顔に涙の跡。
外傷もないのに衰弱していると、チョッパーが首をかしげていた。
そして、目を覚ましてからずっと、思いつめた顔でゾロの隣を離れなかった。
「あいつ、まともに戦闘に参加したの今回が初めてだもんな」
ウソップがリオちゃんを見ながら言う。
「まあ、確かに今回の戦いは激しかったし…塞ぎ込んでも当然か」
自分を納得させるようにそう言うと、ウソップは宴に紛れて行った。
「なあ、リオちゃん」
「…なに?」
「…あ、いや…」
リオちゃんは、マリモが苦痛を受けている間、ずっと起きていたんじゃないだろうか。
確信めいた思い付きが頭をよぎる。
「なんか取ってこようか?」
「大丈夫。たくさん食べたから」
控えめに笑うリオちゃんの心に溜まっているものを肩代わりすることはできない。
代わりに、小さい頭に手を置いた。
「マリモ、早く目を覚ますといいな」
「…うん」
*
左手に何かが乗っていた。
視線だけを動かすと黒い頭が目に入った。
…リオか。
肩がぴくっと跳ねて頭が上がる。
「ゾロ…?」
リオが跳ね起きておれの顔を覗き込んだ。
目にみるみる涙が溜まる。
「っ、チョッパー呼んでくる、」
そう言って踵を返したリオの腕を掴もうと手を動かした。
―ゴキッ
「い゛っ、」
「え、ゾロ!?」
関節から嫌な音がする。
「大丈夫?痛い!?」
駆け寄ってくるリオを、動きにくい腕で引き寄せた。
肩に重みが加わり軋むような痛みを感じる。
ああ、生きてんのか、おれ。
「…ゾロ?」
「…黙ってろ」
肩の上でリオが身じろぎをした。
あったけえな、こいつ。
リオの手が包帯を掴んだ。
「生きてて良かった、ゾロ」
9/9ページ