第三章
夢小説設定
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青くなったルフィがオーズをぶっ飛ばした。
同時にわらわらとローラ海賊団がみんなを避難させ始めた。
人型のチョッパーに苦戦していた私も声を上げる。
「ありがとうございます!こっちにも一人!!」
「あんたもこいつらの仲間か?」
「はい!!お願いします!!」
1人だと少ししか動かすことができなかったから、助かった。
運ばれるみんなにホッと息をついて、求婚のローラがウソップとナミに事情を説明するのを遠くに眺める。
不意に、ゾッと寒気を感じて視線を上げる。
まだ残る屋敷の上からこちらを見下ろす、
「…バーソロミュー…くま…」
私のつぶやきは誰の耳にも届かなかったらしい。
本人以外には。
無感情な視線が降ってきたと思った瞬間、すぐ後ろから平坦な声がした。
「お前は何者だ?」
ゆっくり振り返った。
皆が近くにいなくてよかった、と思いながら。
「あなたは、バーソロミュー・くま」
「そうだ」
「ゲッコー・モリアにご用だったように見えましたけど」
「お前には関係ない」
「…それもそうですね」
「手配書は出ていないが、お前も麦わらの一味か?」
「…」
そうだ、と言ったらこの場で捕らえられたり、殺されたりするのだろうか。
「もし肯定しても、今、お前らに対しての命令は出ていない」
私の心を察したようにくまが言う。
「…私は、卑怯ですね」
「…?」
「自分から仲間にしてと言ったのに、
身の安全が保障されないと、口に出すこともできないなんて」
自嘲が浮かんだ。
「おっしゃる通り、私は麦わらの一味です」
「…そうか。覚えておこう」
何をする気か知らないが、皆が目的を遂げるまで、この人を足止めしておきたい。
「これは、私の独り言ですが」
「…」
「元七武海の一人、クロコダイル氏のポストがずっと欠番でしたよね。
あなたはそのポストが埋まったことをモリアに知らせに来たのではないかと考えます」
「…ほう」
ここは静止画で見た部分。
「ただ、それだけであればもう帰途に就いてもおかしくない。
つまり、それ以外に目的があるのではないかと」
「…何が言いたい」
「もし、私が世界政府だったら、もしくはあなただったら…、七武海という組織そのものが権力の象徴および抑止力となっている点を考慮すると、同じ海賊に七武海が連続して敗北するという事態を避けたいのではないかと」
「…なるほど」
「それならモリアに手を貸すのではないかと思いますが、そうでないことを考えると」
「…」
「もしモリアが敗北した際に、その目撃者を消すためにここにいるのでは?」
くまの目がスッと細くなった。
「…それが真実だったとして、お前はどうする」
「…そうですね。私はあなたを戦って止めることはできませんから、どうしたらあなたが退いてくれるのか、これから考えます」
「フッ、そうか」
くまが後ろを向いたから顔までは見えなかったけれど、今、
…笑った?
「戦う術を持たず、どうやって仲間を守るのか、見せてもらおう」
その言葉を最後にくまの姿は消えた。
力が抜けてその場にへたりと座り込んだ。
気が付くと、オーズが倒れていて、モリアが大きく膨れ上がっていた。
目の前に展開するモノクロ画。
そうか、あれは1000体分の影を宿したモリア。
「がんばれ、ルフィ、みんな」
応援することしかできない私は、どうやってみんなを守ればいいんだろう。