本編
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“あいつこないだ家の前で変質者に遭ったんだってよ”
反射的に両手を離す。
振り返ったイチカの身体が震えていることに今更気づいた。
「ごめん、違う人かと思って…」
「こないだ遭った変質者ってやつか」
「…聞いたの?」
あっけらかんと返された質問に、抑え込んだ怒りが再燃した。
「…聞いたのじゃねえだろ」
「…ゾロ?」
「なんでおれを呼ばなかった!!」
怒鳴った瞬間、イチカの表情が怯えから怒りに変わったのが分かった。
「…そんなの、…私の勝手よね!?」
「テメェおれが今まで、」
「ゾロが私を守ってくれるのは私が弱くて頼りないからでしょ!!」
「…あ゛!?」
「危ない目に遭ったら夜道も一人で帰れなくなるくらい弱いからでしょ!?
でも私は弱いってだけで一緒にいてもらうのもう嫌なの!」
なにかが切れる音がした。
気が付くと腕の中にイチカを閉じ込めていた。
「ただそれだけでここまで来たと思ってんのかよ!!
んなお人好しじゃねえことはお前が一番よく知ってんだろうが!!」
抱きすくめた体は頼りない上に柔らかい。
ちょっと力を入れれば壊れるんじゃねェかと思うぐらいに。
確かにこいつの身体は俺より遥かに頑丈さに欠ける。
だが。
「おれがお前と居たのは、お前を守るためだけじゃねェ」
イチカが顔を上げた。
目に自分しか映っていないことに気づいて堪らない気持ちになる。
このまま押し潰しちまいたいような、触れずに遠くから見守るだけにしたいような。
「例えお前が守る必要がねェぐらい強くても、おれはお前と居たい」
イチカの目が揺れる。
真意を図っている時の顔だ。
今更言うのか。
でも伝わってなかったことがほんの1分前にわかったし、そのせいでこいつはおれから離れようとしている。
今更だからこそ言う必要があるのかもしれない。
「好きだ」
やっと、目から疑念が消えた。
言っちまったんだから、もういいよな。
「ちょっとゾロ、まっ」
全部言わせる前に唇を塞いだ。
反射的に両手を離す。
振り返ったイチカの身体が震えていることに今更気づいた。
「ごめん、違う人かと思って…」
「こないだ遭った変質者ってやつか」
「…聞いたの?」
あっけらかんと返された質問に、抑え込んだ怒りが再燃した。
「…聞いたのじゃねえだろ」
「…ゾロ?」
「なんでおれを呼ばなかった!!」
怒鳴った瞬間、イチカの表情が怯えから怒りに変わったのが分かった。
「…そんなの、…私の勝手よね!?」
「テメェおれが今まで、」
「ゾロが私を守ってくれるのは私が弱くて頼りないからでしょ!!」
「…あ゛!?」
「危ない目に遭ったら夜道も一人で帰れなくなるくらい弱いからでしょ!?
でも私は弱いってだけで一緒にいてもらうのもう嫌なの!」
なにかが切れる音がした。
気が付くと腕の中にイチカを閉じ込めていた。
「ただそれだけでここまで来たと思ってんのかよ!!
んなお人好しじゃねえことはお前が一番よく知ってんだろうが!!」
抱きすくめた体は頼りない上に柔らかい。
ちょっと力を入れれば壊れるんじゃねェかと思うぐらいに。
確かにこいつの身体は俺より遥かに頑丈さに欠ける。
だが。
「おれがお前と居たのは、お前を守るためだけじゃねェ」
イチカが顔を上げた。
目に自分しか映っていないことに気づいて堪らない気持ちになる。
このまま押し潰しちまいたいような、触れずに遠くから見守るだけにしたいような。
「例えお前が守る必要がねェぐらい強くても、おれはお前と居たい」
イチカの目が揺れる。
真意を図っている時の顔だ。
今更言うのか。
でも伝わってなかったことがほんの1分前にわかったし、そのせいでこいつはおれから離れようとしている。
今更だからこそ言う必要があるのかもしれない。
「好きだ」
やっと、目から疑念が消えた。
言っちまったんだから、もういいよな。
「ちょっとゾロ、まっ」
全部言わせる前に唇を塞いだ。