本編
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遅くなりましたとお通しが運ばれてくる。
ロビンの行きつけだというこの店はお通しまでオシャレだ。
「ねえ、イチカ。これは友人として聞きたいのだけど」
「なに?」
「あの剣士さんと付き合ってるの?」
「…付き合ってない。…それ、みんなに聞かれる」
ロビンはこういう話は直球で聞いてくる。
照れる間も与えられずに、気が付くと全部喋ってしまっていたりするのだ。
「その後にはだいたい『え、いつも一緒だから付き合ってるんだと思った』って言われる」
「ええ」
「でも、ゾロが私と一緒にいてくれるのは、私のことが好きだからではないと思う」
「そうなの?…じゃあ、どうして彼はあなたと一緒にいるのかしら」
「それは、」
今までこの質問には“ゾロの面倒見がいいからだよ”と答えてきた。
でも、今日私の頭に浮かんだのは別の答えだった。
『ゾロが私と一緒にいてくれるのは、私が弱いからよ。』
「…イチカ?」
今、気付いてはいけないことに気づいたような気がする。
“おれは弱いやつにきょうみねェ”
“今度からゾロの側で見るようにしなさい。ゾロ、君もイチカを守ってあげるんだよ”
「あー…」
「どうしたの?」
「なんか、わかった。なんでみんなそう聞くのか」
急にやるせない気持ちが全身に纏わりついた。
「誰かとずっと一緒にいるのは相手を好きだから、っていうのが一般的なのよね」
「そうね」
「でも、ゾロは好き嫌いに関わらず、責任を持つと決めた人とは一緒にいる」
「…そうなの?」
「うん。私が思うには」
私は、弱さを理由に一緒にいてもらっている?
そんなの、…依存じゃないか。
「ねえ、もう一つ聞いてもいい?」
「…なに?」
「イチカはあの剣士さんと恋人になりたいと思ったことはある?」
ちょっとお酒を飲み過ぎていたからかもしれない。
「うん。何度も」
ずっと隠していた本音がうっかり口をついてしまったのは。
その瞬間、ロビンの目が少し見開かれた。
「じゃあ、なぜ?」
「…今までなら、ゾロの邪魔になりたくないから、って答えてたかもしれない」
今まで使っていた建前が、目の前でどんどん壊されていくような感覚。
「…私いま、自分がすごく卑怯で臆病なことに気づいちゃったかも」
「そうなの?」
「私、ゾロが好きだし恋人として一緒に居たい。
でもゾロの恋人は週に一回体を重ねるだけ、みたいなことが多かった。
私はそれじゃイヤだから、もし恋人になれても不満に思ってしまうと思う。
そしたらきっと喧嘩になって、いつか別れが来ると思う。
そうやって一緒に居られなくなるくらいなら、私の弱さを使ってでも一緒に居たいって、今まで思ってたんだ、無意識に」
「…ええ」
「でも…」
この間の、うちにサンジくんが来てくれた時。
言わなきゃ怒られると分かっていながら、ゾロに言わなかった。
「もう、今のままはイヤだって、思い始めたんだと思う」
弱くても、依存したくない。
そうやって一緒にいてもらうのなんて、嫌だ。
ロビンの行きつけだというこの店はお通しまでオシャレだ。
「ねえ、イチカ。これは友人として聞きたいのだけど」
「なに?」
「あの剣士さんと付き合ってるの?」
「…付き合ってない。…それ、みんなに聞かれる」
ロビンはこういう話は直球で聞いてくる。
照れる間も与えられずに、気が付くと全部喋ってしまっていたりするのだ。
「その後にはだいたい『え、いつも一緒だから付き合ってるんだと思った』って言われる」
「ええ」
「でも、ゾロが私と一緒にいてくれるのは、私のことが好きだからではないと思う」
「そうなの?…じゃあ、どうして彼はあなたと一緒にいるのかしら」
「それは、」
今までこの質問には“ゾロの面倒見がいいからだよ”と答えてきた。
でも、今日私の頭に浮かんだのは別の答えだった。
『ゾロが私と一緒にいてくれるのは、私が弱いからよ。』
「…イチカ?」
今、気付いてはいけないことに気づいたような気がする。
“おれは弱いやつにきょうみねェ”
“今度からゾロの側で見るようにしなさい。ゾロ、君もイチカを守ってあげるんだよ”
「あー…」
「どうしたの?」
「なんか、わかった。なんでみんなそう聞くのか」
急にやるせない気持ちが全身に纏わりついた。
「誰かとずっと一緒にいるのは相手を好きだから、っていうのが一般的なのよね」
「そうね」
「でも、ゾロは好き嫌いに関わらず、責任を持つと決めた人とは一緒にいる」
「…そうなの?」
「うん。私が思うには」
私は、弱さを理由に一緒にいてもらっている?
そんなの、…依存じゃないか。
「ねえ、もう一つ聞いてもいい?」
「…なに?」
「イチカはあの剣士さんと恋人になりたいと思ったことはある?」
ちょっとお酒を飲み過ぎていたからかもしれない。
「うん。何度も」
ずっと隠していた本音がうっかり口をついてしまったのは。
その瞬間、ロビンの目が少し見開かれた。
「じゃあ、なぜ?」
「…今までなら、ゾロの邪魔になりたくないから、って答えてたかもしれない」
今まで使っていた建前が、目の前でどんどん壊されていくような感覚。
「…私いま、自分がすごく卑怯で臆病なことに気づいちゃったかも」
「そうなの?」
「私、ゾロが好きだし恋人として一緒に居たい。
でもゾロの恋人は週に一回体を重ねるだけ、みたいなことが多かった。
私はそれじゃイヤだから、もし恋人になれても不満に思ってしまうと思う。
そしたらきっと喧嘩になって、いつか別れが来ると思う。
そうやって一緒に居られなくなるくらいなら、私の弱さを使ってでも一緒に居たいって、今まで思ってたんだ、無意識に」
「…ええ」
「でも…」
この間の、うちにサンジくんが来てくれた時。
言わなきゃ怒られると分かっていながら、ゾロに言わなかった。
「もう、今のままはイヤだって、思い始めたんだと思う」
弱くても、依存したくない。
そうやって一緒にいてもらうのなんて、嫌だ。