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番外編

大会当日。
ぜっっっっったいにロロノアくんから目を離さないぞ!!
って心に決めて家を出たはずなのに…。

「ヒナタ、あいつどこまでいた!?」
「えっと…車両の中はいて、同じ駅で降りて…、で、改札抜けたら居なかった…」
「おっけーじゃあ西町駅の東改札前までな!」

サガくんが携帯を取り出した。

「もしもしカズ?あのな、…そう、いつものな。
いやーあいつ携帯マナーモードにしてるっぽくて。
西町駅の東改札まではいたっぽいんだけどさ…あー、うんうん。
会場は西町体育館。うん、あー、9時開会式だから15分前には…おう。
すまんけど頼むわ。なんかわかったら連絡して!
…よし、これで大丈夫」
「サガくん、ごめんね…」
「いやヒナタのせいじゃねえよ、ゾロが方向音痴なだけだ」
「今の人は…?」
「あァ、おれとゾロの幼なじみでカズって奴」
「幼なじみ…?」
「ゾロを探すのめっちゃ上手いんだわ、あいつ」
「へぇー…」
「子供のころ一緒に剣道してて、俺の次ぐらいに強かったんだぜ」
「そうなんだ」

なんだ、男の子じゃん。
ミノリのやつ、デマ教えたな。
しばらくしてから響く着信音。

「もしもし?カズ?
おっさすがー!うんうん、全然間に合うな、さすが。
グッジョブだわマジで。後でゾロになんか奢ってもらえよ」

通話を切ったサガくんがニッと笑った。

「あと10分でこっち着くって。今回は楽勝だったな」
「良かったー!本当ありがとう、サガくん。私先生に伝えてくる!」
「おう、よろしくな!」

先生にロロノアくんの到着時間を伝えて戻って来たら、ちょうどロロノアくんが正面玄関から走ってくるとこだった。
声をかけようとしたら、なぜか右に90度曲がる。
追いかけようにもロロノアくんの足は速い。

「ゾロストップ!」

女の子の声が響く。ロロノアくんが立ち止まった。

「だから直進だって言ってんだろ!!」

声の主がロロノアくんの背中にフックを決めた。

「いってェ!なにすんだテメェ!」
「なんで直進って言われた瞬間右折すんだよ!!一生車の運転できねぇぞ!」
「殴るこたァねェだろ!!」

立ち止まって言い合いをしている2人。
女の子の方は誰だろう。
つやつやの黒髪ボブ、オフショルダーの白いブラウス、タイトなデニムスカート。
見たことのないオシャレな子だ。
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