番外編
あたしは霜月高校で剣道部のマネージャーをしている。
1年の秋の大会。
3年生が抜けて、学年でも何人か大会に出られるようになった。
「…今度こそ…」
「どしたのヒナタ」
「今度こそはロロノアくんを迷子にさせないようにしないと!!」
「…はあ、無理だと思うけどねえ…」
ロロノアくんは必ず迷子になる。
集団行動をしていてもはぐれるし、誰かが横に並んでいても気が付いたらいないし。
サガくんの後ろついてきてよ!って言ってもなぜか途中で横にそれて行っちゃうし。
過去二回はサガくんがあーだこーだ電話して、なんとか開始直前に会場に着けたけど、
今回はそもそも迷子になるのを防ぎたい!!
「もう縄付けとくとかしないとムリじゃん?」
「いや!それは着けてくれないでしょ!」
「あとはー…」
マネージャー仲間のミノリがニヤリと笑う。
「手、繋いじゃうとか?」
「――――ッ、無理無理無理!!手を繋ぐとかそんな、」
「ゾロとサガが。」
「っ、ちょっとミノリ!わざとでしょ今の!!」
「ごめんごめん」
やけに大人っぽくウインクしたミノリは、少し表情のトーンを落としてこう言った。
「まあ、迷子になってもサガの“秘密兵器”でゾロを見つけられるって言ってるし」
「…秘密兵器?」
首をかしげるとミノリは秘密だよ、と前置きして顔を寄せてきた。
「ゾロが迷子になった時、サガどっかに電話してるじゃん。
で、前の大会の時にゾロと他校の女子が一緒に来てたって言ってた奴がいてさ。
だからサガの言う“秘密兵器”って、その女子のことなんじゃないかって」
「…他校の女子、」
「なんか制服は着てなかったからどこの学校かは分かんないんだけど、けっこう仲良さげにくっついてたらしいよー?」
「…そうなんだ」
ミノリは顔を離して二ッと笑った。
「ま、でも時間的優位はこっちの方があるから」
「へ?」
「敵情報も知っておいた方がいざって時に焦らなくていいでしょ」
「…敵?」
「アタシはヒナタを応援するよ!!」
「いやっちょっと待って応援ってなに」
1年の秋の大会。
3年生が抜けて、学年でも何人か大会に出られるようになった。
「…今度こそ…」
「どしたのヒナタ」
「今度こそはロロノアくんを迷子にさせないようにしないと!!」
「…はあ、無理だと思うけどねえ…」
ロロノアくんは必ず迷子になる。
集団行動をしていてもはぐれるし、誰かが横に並んでいても気が付いたらいないし。
サガくんの後ろついてきてよ!って言ってもなぜか途中で横にそれて行っちゃうし。
過去二回はサガくんがあーだこーだ電話して、なんとか開始直前に会場に着けたけど、
今回はそもそも迷子になるのを防ぎたい!!
「もう縄付けとくとかしないとムリじゃん?」
「いや!それは着けてくれないでしょ!」
「あとはー…」
マネージャー仲間のミノリがニヤリと笑う。
「手、繋いじゃうとか?」
「――――ッ、無理無理無理!!手を繋ぐとかそんな、」
「ゾロとサガが。」
「っ、ちょっとミノリ!わざとでしょ今の!!」
「ごめんごめん」
やけに大人っぽくウインクしたミノリは、少し表情のトーンを落としてこう言った。
「まあ、迷子になってもサガの“秘密兵器”でゾロを見つけられるって言ってるし」
「…秘密兵器?」
首をかしげるとミノリは秘密だよ、と前置きして顔を寄せてきた。
「ゾロが迷子になった時、サガどっかに電話してるじゃん。
で、前の大会の時にゾロと他校の女子が一緒に来てたって言ってた奴がいてさ。
だからサガの言う“秘密兵器”って、その女子のことなんじゃないかって」
「…他校の女子、」
「なんか制服は着てなかったからどこの学校かは分かんないんだけど、けっこう仲良さげにくっついてたらしいよー?」
「…そうなんだ」
ミノリは顔を離して二ッと笑った。
「ま、でも時間的優位はこっちの方があるから」
「へ?」
「敵情報も知っておいた方がいざって時に焦らなくていいでしょ」
「…敵?」
「アタシはヒナタを応援するよ!!」
「いやっちょっと待って応援ってなに」