巨大な猛獣の背中の上で
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珍しく”自分の夢”を見ていた。
シャンクスから引き受けた痛みで吐いているところを見つかり、ベックマンにお説教されている、子供の頃の夢。
「なんでそんなんなるまで黙ってた」
「…」
「お頭の回復力なら、ほっといても傷塞がるだろうが」
話すべき内容が見つからなくて私は口をつぐむ。
「なんか、考えてることがあんのか」
「…」
「あんなら話してみろ。怒んねえから」
考えていることを頭の中で言葉にした。
その時点で私の目からは涙がこぼれる。
「…今の、泣くところあったか」
途方に暮れたようなベックマンの声にさらに涙があふれて、しゃくりあげを宥められながらやっと口を開く。
「…わたしが、…たすけてって、いったの」
「あ?」
「シャンクスに、たすけてって…ルフィがさんぞくにつかまって海にいるって、言ったの」
「…」
「だから、わたしがわるいの。わたしが治さなきゃいけないの」
ベックマンが黙った。
夢だと気づいているほうの私は、ああ、そうだったっけ、忘れてた、と考えていた。
「それのどこが悪いことなんだ?」
シャンクスの声だ、と気づいて私の心臓は跳ね上がる。
「おれはルフィを助けられて本当に良かった。だから、それを教えてくれたお前にすごく感謝してる」
その声は穏やかだった。
私はいったん泣き止むことにしてシャンクスの顔を見る。
嘘を言っている顔ではなかったけどそれでも床に目を向けた。
「ありがとな、レイラ」
「…うん」
でも、と心の中で思った。
シャンクスは両腕があった方が良かったはずだ。
私が、自分では出来もしないのにルフィを助けたいなんて願ったからだ。
見えた未来を変えたいだなんて、出しゃばったこと考えたからだ。
見下ろす大人二人が溜息をついたのが分かった。
考えを変えていないことに気づいたのだろう。
そしてこうなった私が強情なこともこの人たちは知っている。
ああ、なるほど、と思った。
私がローの腕にあんなに取り乱したのは、きっとこのせいだ。
このエピソード自体を忘れていた、正しくは「忘れようとしていた」けれど、心のどこかには残っていたんだろう。
きっと、深層心理で思ったんだろう、「まただ」って。
シャンクスから引き受けた痛みで吐いているところを見つかり、ベックマンにお説教されている、子供の頃の夢。
「なんでそんなんなるまで黙ってた」
「…」
「お頭の回復力なら、ほっといても傷塞がるだろうが」
話すべき内容が見つからなくて私は口をつぐむ。
「なんか、考えてることがあんのか」
「…」
「あんなら話してみろ。怒んねえから」
考えていることを頭の中で言葉にした。
その時点で私の目からは涙がこぼれる。
「…今の、泣くところあったか」
途方に暮れたようなベックマンの声にさらに涙があふれて、しゃくりあげを宥められながらやっと口を開く。
「…わたしが、…たすけてって、いったの」
「あ?」
「シャンクスに、たすけてって…ルフィがさんぞくにつかまって海にいるって、言ったの」
「…」
「だから、わたしがわるいの。わたしが治さなきゃいけないの」
ベックマンが黙った。
夢だと気づいているほうの私は、ああ、そうだったっけ、忘れてた、と考えていた。
「それのどこが悪いことなんだ?」
シャンクスの声だ、と気づいて私の心臓は跳ね上がる。
「おれはルフィを助けられて本当に良かった。だから、それを教えてくれたお前にすごく感謝してる」
その声は穏やかだった。
私はいったん泣き止むことにしてシャンクスの顔を見る。
嘘を言っている顔ではなかったけどそれでも床に目を向けた。
「ありがとな、レイラ」
「…うん」
でも、と心の中で思った。
シャンクスは両腕があった方が良かったはずだ。
私が、自分では出来もしないのにルフィを助けたいなんて願ったからだ。
見えた未来を変えたいだなんて、出しゃばったこと考えたからだ。
見下ろす大人二人が溜息をついたのが分かった。
考えを変えていないことに気づいたのだろう。
そしてこうなった私が強情なこともこの人たちは知っている。
ああ、なるほど、と思った。
私がローの腕にあんなに取り乱したのは、きっとこのせいだ。
このエピソード自体を忘れていた、正しくは「忘れようとしていた」けれど、心のどこかには残っていたんだろう。
きっと、深層心理で思ったんだろう、「まただ」って。