巨大な猛獣の背中の上で
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
しばらく気分転換にゾウを離れていて、帰って来たのは早朝だった。
ぐっすり眠って疲れを取って、ようやく人の夢までたどり着けるようになったのが、朝ごはんぐらいの時間だったんだと思う。
目が開いた途端、口を押えて飛び起きた。
入口にある洗面台に走り寄る。
そのまま一気に吐いた。
ほとんど胃液しか吐くものがなくて、食道が焼け付くようだった。
どうしようどうしようどうしよう
ここにいちゃだめだ
はなれなきゃにげなきゃいかなきゃ
頭の中でぐるぐると同じ言葉が回っていた。
ようやく吐き気が落ち着く。
いつものバックパックを引きずり出すものの、中身は部屋のあちこちに点在していた。
ひとつひとつ確認する余裕もないままバックパックに押し込む。歯ブラシ、櫛、調合セット、洋服3組、長靴、その他もろもろ。
もう、いいや、とバックパックを掴んで廊下に出る。
「おうレイラ、…どうした!?」
姿勢を低くしてシャチの足元をすり抜ける。
「え、おいペンギン!!レイラを止めてくれ!!」
「んなっ!?なんだ急に!?」
月歩のひと蹴りでペンギンの頭上を越える。
だけど、超えた先に、見慣れた巨体。
「レイラ!!」
「ジャンバール!!レイラを止めろ!!」
潜水艦の廊下で巨人の横をすり抜けることは実質不可能、
攻撃して体勢が崩れたところを一気に抜こう。
「どいてよ!!!!」
「力づくと言う訳にもいかねえな」
ジャンバールと目が合った。
大きな両手が広げられる。
振りかぶった右手なんか見えないみたいに、ただ私を抱きとめるためだけに動いた腕。
迷いが生まれた。
「…っ!!」
ジャンバールの腕にキャッチされる。
「レイラ!どうしたんだ!!!」
「離して!!この船を降りる!!!」
「おい暴れるな」
「いいから!!離してくれないなら、」
力づくで降りるから、と言おうとした瞬間にドスッと首筋に何かが押し当てられた。
痛みを感じたと思ったら急激に全身が重くなる。
…鎮静剤?
「ワリィなレイラ、船長命令なんだわ」
くっきりとその言葉だけが耳に届き、私は意識を失った。
ぐっすり眠って疲れを取って、ようやく人の夢までたどり着けるようになったのが、朝ごはんぐらいの時間だったんだと思う。
目が開いた途端、口を押えて飛び起きた。
入口にある洗面台に走り寄る。
そのまま一気に吐いた。
ほとんど胃液しか吐くものがなくて、食道が焼け付くようだった。
どうしようどうしようどうしよう
ここにいちゃだめだ
はなれなきゃにげなきゃいかなきゃ
頭の中でぐるぐると同じ言葉が回っていた。
ようやく吐き気が落ち着く。
いつものバックパックを引きずり出すものの、中身は部屋のあちこちに点在していた。
ひとつひとつ確認する余裕もないままバックパックに押し込む。歯ブラシ、櫛、調合セット、洋服3組、長靴、その他もろもろ。
もう、いいや、とバックパックを掴んで廊下に出る。
「おうレイラ、…どうした!?」
姿勢を低くしてシャチの足元をすり抜ける。
「え、おいペンギン!!レイラを止めてくれ!!」
「んなっ!?なんだ急に!?」
月歩のひと蹴りでペンギンの頭上を越える。
だけど、超えた先に、見慣れた巨体。
「レイラ!!」
「ジャンバール!!レイラを止めろ!!」
潜水艦の廊下で巨人の横をすり抜けることは実質不可能、
攻撃して体勢が崩れたところを一気に抜こう。
「どいてよ!!!!」
「力づくと言う訳にもいかねえな」
ジャンバールと目が合った。
大きな両手が広げられる。
振りかぶった右手なんか見えないみたいに、ただ私を抱きとめるためだけに動いた腕。
迷いが生まれた。
「…っ!!」
ジャンバールの腕にキャッチされる。
「レイラ!どうしたんだ!!!」
「離して!!この船を降りる!!!」
「おい暴れるな」
「いいから!!離してくれないなら、」
力づくで降りるから、と言おうとした瞬間にドスッと首筋に何かが押し当てられた。
痛みを感じたと思ったら急激に全身が重くなる。
…鎮静剤?
「ワリィなレイラ、船長命令なんだわ」
くっきりとその言葉だけが耳に届き、私は意識を失った。