巨大な猛獣の背中の上で
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あの人の目に最初に映ったのはルフィではなかったけれど、それでも私は安堵した。
ルフィ達がローと同じ島にいる。
2人が敵対する構造はイメージできなかったし、2年前のことも知っていたからなおのことだった。
ローの緻密な計画が即座に書き換えられていくのがわかった。
心の中で届かないエールを送る。
大丈夫だよ、ロー。
ルフィは信用に値する男。
思い通りにはならなくても、こっちが諦めた希望まで丸ごと叶えちゃうような強烈なパワーの持ち主だから。
*
久しぶりに目覚めのいい朝だった。
「おはようペンギン」
「おはよう!レイラ、今日は調子良さそうだな」
「うん、元気だよ」
「悪ぃな、まだ朝飯出来てねえんだよ」
「大丈夫、コーヒー飲んでるから」
深い色のコーヒーを一口含んで、目を閉じる。
私は思ったよりあの人に引っ張られているみたいだ。
たまに思う。もうそんな辛い計画投げ出して、帰って来ればいいのに。
もしくは、今すぐ飛んでいって抱き締めてあげられたらって。
…母性、のはずだ。
あんな過去を見てしまったら、どうか幸せにって誰でも思う。
「…レイラ?」
「あ、うん。なに?」
「珍しくボーっとしてんな」
「うん、考え事」
「メシできたけどもう食う?」
「いただきます」
ローが船を離れてから朝食にパンが出る確率が一気に上がった。
「このオムレツ美味しい」
「おっそうか!そりゃよかった!」
不意に大丈夫だ、と思った。
私はもうこれ以上ローを心配しなくっていい。
だってルフィが一緒だもの。
きっとローはやり遂げて帰ってくる。
ローが目的を達成したら、私がこの船に居る理由もなくなる。
その後はどうしようか。
またあちこち回りながら薬草を作って売る生活に戻るのかな。
*
頭が急な恐怖に支配される。
誰だこの人、見たことある、なんだっけ、と考えた。
人の夢を見ているとき、自分の記憶は引っ張り出せない。その人が記憶を呼び起こすのを待つことしかできないのだ。
「何でお前がここにいるんだ…ヴェルゴ」
記憶に大きな影がよぎる。
彼が恩人を失った日の記憶だ。
…あの時の…海兵!?
嘘だろ、とローが心の中で呟くのがわかる。
強烈な打撃が決まり、ローが床に崩れ落ちる。
ただ殴りつけられるだけの彼を見ていられない、と思った瞬間に夢が消えて意識が浮上した。
「おっ珍しいな!自分で起きるなんて」
「…うん…なんか暑くて…」
噴き出す大量の汗を拭う。
昼寝中、相手も眠っていなければ状況を垣間見ることはできない。
つまり今ローは意識がない状態で、それはきっと昼寝なんて平和なものではない。
「真っ昼間から昼寝するからだって!」
「そうね…ちょっと風に当たってくるわ」
外気で僅かに自分を取り戻した。
大丈夫。
ルフィが一緒だもの。
自分に何度も言い聞かせても、鼓動はなかなか収まらなかった。
ルフィ達がローと同じ島にいる。
2人が敵対する構造はイメージできなかったし、2年前のことも知っていたからなおのことだった。
ローの緻密な計画が即座に書き換えられていくのがわかった。
心の中で届かないエールを送る。
大丈夫だよ、ロー。
ルフィは信用に値する男。
思い通りにはならなくても、こっちが諦めた希望まで丸ごと叶えちゃうような強烈なパワーの持ち主だから。
*
久しぶりに目覚めのいい朝だった。
「おはようペンギン」
「おはよう!レイラ、今日は調子良さそうだな」
「うん、元気だよ」
「悪ぃな、まだ朝飯出来てねえんだよ」
「大丈夫、コーヒー飲んでるから」
深い色のコーヒーを一口含んで、目を閉じる。
私は思ったよりあの人に引っ張られているみたいだ。
たまに思う。もうそんな辛い計画投げ出して、帰って来ればいいのに。
もしくは、今すぐ飛んでいって抱き締めてあげられたらって。
…母性、のはずだ。
あんな過去を見てしまったら、どうか幸せにって誰でも思う。
「…レイラ?」
「あ、うん。なに?」
「珍しくボーっとしてんな」
「うん、考え事」
「メシできたけどもう食う?」
「いただきます」
ローが船を離れてから朝食にパンが出る確率が一気に上がった。
「このオムレツ美味しい」
「おっそうか!そりゃよかった!」
不意に大丈夫だ、と思った。
私はもうこれ以上ローを心配しなくっていい。
だってルフィが一緒だもの。
きっとローはやり遂げて帰ってくる。
ローが目的を達成したら、私がこの船に居る理由もなくなる。
その後はどうしようか。
またあちこち回りながら薬草を作って売る生活に戻るのかな。
*
頭が急な恐怖に支配される。
誰だこの人、見たことある、なんだっけ、と考えた。
人の夢を見ているとき、自分の記憶は引っ張り出せない。その人が記憶を呼び起こすのを待つことしかできないのだ。
「何でお前がここにいるんだ…ヴェルゴ」
記憶に大きな影がよぎる。
彼が恩人を失った日の記憶だ。
…あの時の…海兵!?
嘘だろ、とローが心の中で呟くのがわかる。
強烈な打撃が決まり、ローが床に崩れ落ちる。
ただ殴りつけられるだけの彼を見ていられない、と思った瞬間に夢が消えて意識が浮上した。
「おっ珍しいな!自分で起きるなんて」
「…うん…なんか暑くて…」
噴き出す大量の汗を拭う。
昼寝中、相手も眠っていなければ状況を垣間見ることはできない。
つまり今ローは意識がない状態で、それはきっと昼寝なんて平和なものではない。
「真っ昼間から昼寝するからだって!」
「そうね…ちょっと風に当たってくるわ」
外気で僅かに自分を取り戻した。
大丈夫。
ルフィが一緒だもの。
自分に何度も言い聞かせても、鼓動はなかなか収まらなかった。